ハイアロクラスタイト(英: hyaloclastite)は、水中で形成される火山岩の1つである[1]。1960年代にリットマンにより、成長中の枕状溶岩のガラス質部の破砕の堆積物と定義・命名された[2]

ハイアロクラスタイト
火山岩
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概要 編集

従来はパラゴナイトタフと呼ばれていたが、この用語の対象範囲の広さから命名の混同が見られたため、リットマンが新たにこの用語を定義した。この用語の命名の由来はギリシャ語の「粉砕されたガラス」である[2]

この他の定義として、イタリアシシリー島海底火山噴出物を研究していたサルヴァトーレ・ククッツァ・シルヴェストリイタリア語版 は、溶岩の水中での冷却・破砕の連続の結果、ガラス質の破片が海底での玄武岩マグマの固化殻に付着し、集合して形成された火山岩のことをハイアロクラスタイトと定義した[3]

なお、現在では安山岩質・デイサイト質・流紋岩質の溶岩・岩脈・ドーム等が水中で破砕され形成された破片の集合物として、広義に用いられている[4]

特徴 編集

脚注 編集

  1. ^ 山岸 1994, p. 11.
  2. ^ a b 川内ほか 1976, p. 355.
  3. ^ 山岸 1994, p. 7.
  4. ^ 周藤・小山内 2002, p. 96.

参考文献 編集

  • 川内洋佑・C.A.Landis・渡辺暉夫「ハイアロクラスタイト」『地質学雑誌』第82巻、第6号、355-366頁、1976年。 
  • 山岸宏光『水中火山岩 : アトラスと用語解説』北海道大学図書刊行会、1994年。 
  • 周藤賢治・小山内康人『記載岩石学―岩石学のための情報収集マニュアル』共立出版〈岩石学概論〉、2002年。 

関連項目 編集