ハイアー・グラウンド」(Higher Ground)は、スティーヴィー・ワンダーが1973年に発表した楽曲。

ハイアー・グラウンド
スティーヴィー・ワンダーシングル
初出アルバム『インナーヴィジョンズ
B面 トゥ・ハイ
リリース
規格 7インチ・シングル
録音 レコード・プラント・スタジオロサンゼルス
メディア・サウンド・スタジオ(ニューヨーク
ジャンル ソウル
時間
レーベル タムラ
作詞・作曲 スティーヴィー・ワンダー
プロデュース スティーヴィー・ワンダー
チャート最高順位
スティーヴィー・ワンダー シングル 年表
サンシャイン
(1973年2月)
ハイアー・グラウンド
(1973年7月)
汚れた街
(1973年10月)
ミュージックビデオ
「Higher Ground」 - YouTube
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概要 編集

「ハイアー・グラウンド」の歌詞は転生の問題を扱っており、ワンダーはそのことを認めている。彼は『ニューヨーク・タイムズ』のインタビューに対し次のようにコメントしている。

僕は転生を信じたい。この世には別の人生があるということを信じたいんだ。今の意識はこの地球では二回目ということはあるかもしれないと思う。「ハイアー・グラウンド」を書いたのはあの事故の前だった。でも何かがすでに僕に言っていたんだと思う。多くのことを気づかせてくれることが起こるだろうと、それで僕は身を引き締めることになるだろうとね。だからあれはまさしく、何かをしたり、あるいはもっと多くのことを成し遂げたりするための、自分は生きているという事実を尊重するための「セカンドチャンス」のような出来事だった[3]

本作品が収録されたアルバム『インナーヴィジョンズ』が発売されてから3日後の1973年8月6日、サウスカロライナ州グリーンビルでコンサートを行った。ワンダーは終了後、友人の運転する車に乗り、車はノースカロライナ州ダーラムで激しい交通事故に遭った。前方のトラックに積まれた丸太の一本がフロントガラスに飛び込み、ワンダーの額に当たり、彼は脳挫傷により10日間、昏睡状態に陥った[4]

本作品はこう歌われる。「みんながばたばたと死んでいるその陰で/権力は嘘を言い続ける/世界は回り続ける/ぼやぼやしてる暇はもうないから/俺はひどくうれしい/なぜってこの罪深い世界で生きてきて/その最後の土壇場でやり直しをさせてくれるというから」[5]

ワンダーはクラビネットモーグ・シンセサイザーによるベース、ドラムズ、タンバリンなどすべての楽器を演奏した。

1973年7月、シングルA面として発売された。B面は「トゥ・ハイ」[1]。同年8月3日発売のアルバム『インナーヴィジョンズ』に収録された。アルバム・バージョンはシングル・バージョンより32秒長い。

ビルボード・Hot 100の4位[2]、ソウル・チャートの1位を記録した。ビルボードの1973年の年間チャートの62位を記録した。カナダでは9位、イギリスでは29位、フランスでは16位を記録した。

2020年のアメリカ合衆国大統領選挙の際、ワンダーのオリジナル・バージョンはジョー・バイデンのキャンペーンソングとして使用された[6]

カバー・バージョン 編集

脚注 編集

  1. ^ a b 45cat - Stevie Wonder - Higher Ground / Too High - Tamla - USA - T 54235F
  2. ^ a b Stevie Wonder”. Billboard. 2023年1月17日閲覧。
  3. ^ Big American Night - Holy Roller”. bigamericannight.com. 2015年1月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年1月7日閲覧。
  4. ^ Stevie Wonder Biography - Chapter 9”. Steviewonder.org.uk (1973年8月6日). 2012年2月25日閲覧。
  5. ^ Lyrics for Higher Ground by Stevie Wonder - Songfacts
  6. ^ Savage, Mark (2020年10月24日). “US election 2020: What we can learn from Trump and Biden's musical choices”. BBC News. https://www.bbc.co.uk/news/entertainment-arts-54644163 2020年10月31日閲覧。 
先代
マーヴィン・ゲイ
レッツ・ゲット・イット・オン
Hot Soul Singles ナンバーワンシングル
1973年9月29日(1週)
次代
エディ・ケンドリックス
「キープ・オン・トラッキン」