ハザーラ人(ハザーラじん、ペルシア語: هزاره‎、Hazāra)は、中央アジアアフガニスタンを中心に居住するイラン系民族である。イスラム教シーア派の信者が多い。

ハザーラ人の少年

概要編集

アフガニスタンにおける人口比は1割程度の少数派で、外見的特徴がモンゴロイド的要素が強い(実際はコーカソイドの血と混ざっている)。アフガニスタンはイスラム教スンナ派が多い(1931年の憲法にスンナ派ハナフィー法学派を国教と明記されていた時代も長かった)ため迫害を受け、虐殺された歴史もある。現在でも差別されており、カーブル市内の清掃労働者などは、彼らが担っている場合が多い。

1978年から続くアフガニスタン紛争で同国の治安や生活状況が悪化したうえ、スンナ派系の過激派組織が台頭して迫害が深刻化した。このためシーア派国家イランヨーロッパに、難民として亡命する者も多い[1]。2016年時点でイラン政府が難民として滞在を認めているアフガニスタン人は約95万人だが、不法入国を含めると250万~300万人程度のアフガニスタン人がイランに滞在しているとみられ、この中にはハザーラ人も多い[2]

2019年4月12日、パキスタン、バルチスタン州クエッタでハザーラ人を標的とした自爆テロが発生。20人以上が死亡、48人が負傷した。後日、パキスタン・ターリバーン運動の一派が、シーア派を対象にテロ攻撃を続けているラシュカレ・ジャングビと共同で行ったものとして犯行声明を発表している[3]

ルーツ編集

ハザーラ人のルーツはモンゴル系民族とされ、モンゴロイドの血が濃い。現在の言語系統は印欧語族ペルシャ語系のダリー語交替しており、イラン国内で会話ができる。遺伝的には、モンゴロイド系ハプログループC2 (Y染色体)が40%(10/25)、コーカソイド系ハプログループR1a (Y染色体)が32%(8/25)みられる[4]

その他編集

ターリバーンが爆破したバーミヤンの石仏は、彼らの居住地域にある。

2002年から2004年にかけて駐日アフガニスタン臨時代理大使を務めたモハンマド・ヌール・アクバリーパシュトー語版は、ハザーラ人である[5]

脚注編集

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  1. ^ “スウェーデン亡命センターで自死、目的地に着いた難民少年は何故絶望した?”. ニューズウィーク. (2016年10月5日). http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/10/post-5967_1.php 2016年10月8日閲覧。 
  2. ^ 【質問なるほどり】なぜイランにアフガン難民毎日新聞』朝刊2017年9月19日
  3. ^ パキスタンの市場で自爆攻撃、20人死亡 異端視される少数民族が標的か”. AFP (2019年4月12日). 2019年4月12日閲覧。
  4. ^ Lkhagvasuren, Gavaachimed; Shin, Heejin; Lee, Si Eun; Tumen, Dashtseveg; Kim, Jae-Hyun; Kim, Kyung-Yong; Kim, Kijeong; Park, Ae Ja et al.. “Molecular Genealogy of a Mongol Queen's Family and Her Possible Kinship with Genghis Khan”. PLOS ONE 11 (9): e0161622. Bibcode2016PLoSO..1161622L. doi:10.1371/journal.pone.0161622. PMC: 5023095. PMID 27627454. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5023095/ 2020年1月11日閲覧。.  "Eastern Russian Tatars, Bashkirs, and Pakistani Hazara were found to carry R1b-M343 at unusually high frequencies of 12.65%, 46.07%, and 32%, respectively, compared to other regions of Eastern Asia, which rarely have this haplotype"
  5. ^ Afghan Biographies: Akbari, Mohammad Noor (英語)

関連項目編集

外部リンク編集