ハチミツ (アルバム)

スピッツのオリジナル・アルバム

ハチミツ』は、日本ロックバンドスピッツの通算6作目のオリジナルアルバム1995年9月20日ポリドールより発売された。現行盤はユニバーサルミュージックから発売・販売されている。

ハチミツ
スピッツスタジオ・アルバム
リリース
録音 1995年1月 - 7月
ジャンル ポップ、ロック
時間
レーベル ポリドール
プロデュース 笹路正徳、スピッツ
チャート最高順位
  • 週間1位(オリコン
  • 1995年度年間12位(オリコン)
  • 1996年度年間54位(オリコン)
ゴールドディスク
  • ミリオン(日本レコード協会
  • スピッツ アルバム 年表
    空の飛び方
    1994年
    ハチミツ
    (1995年)
    インディゴ地平線
    1996年
    『ハチミツ』収録のシングル
    1. ロビンソン
      リリース: 1995年4月5日
    2. 涙がキラリ☆
      リリース: 1995年7月7日
    3. 「愛のことば -2014mix-」
      リリース: 2014年7月15日(デジタル・ダウンロード)
    ミュージックビデオ
    「ハチミツ」 - YouTube
    「愛のことば」 - YouTube
    テンプレートを表示

    本項では2014年に配信限定シングルとしてリリースされた『愛のことば -2014mix-』についても解説する。

    制作背景編集

    1993年の『Crispy!』以降3枚目となる笹路正徳との共同プロデュース作で、前作『空の飛び方』に引き続き、宮島哲博がエンジニアを手掛けている。バンドにとって初のトップ10入りシングルとなったミリオンセラー「ロビンソン」と、それに並行する形で100万枚近くを売り上げたシングル曲「涙がキラリ☆」を含む全11曲を収録。

    アルバムの制作にあたって笹路は、フロントマンの草野マサムネ以外のメンバーに対しても新作のために自作曲を用意するよう促した[1]。結局草野の単独作のみでアルバムは構成されているものの、当初はベーシストの田村明浩が初めて書いた楽曲も収録される予定であった(後述の収録曲「グラスホッパー」参照)。

    2007年に刊行されたバンドの回顧録『旅の途中』の中で、草野は本作のクオリティについて、制作に苦慮した次作『インディゴ地平線』と対比する形で「満足のいく」出来映えであったと述べている[2]

    リリース、アートワーク編集

    ジャケットの被写体は、当時、森永乳業の「サンキストゼリー」のコマーシャルに出演していた守屋綾子である。彼女の名は、CM出演時の役にちなんで歌詞カードにはミドルネームに“melon”とクレジットされている。守屋の顔は全ての写真において隠されているが、初回盤限定で付けられたスリップケース及び表題曲のミュージック・ビデオでは顔を確認することができる。

    本作は、バンドが2000年代以降のリリースで常に重用しているエンジニアのスティーヴン・マーカッセンによってリマスタリングが施され、1990年代に発表された他のすべてのスタジオ録音作と同時に、2002年10月16日に再発売された。このデジタル・リマスター盤はオリジナルの通常盤のデザインを踏襲しており、音楽評論家の能地祐子による寄稿文が印刷された1枚の紙がスリーブノーツに封入されている。

    作品への評価と反応編集

    チャート成績、音楽賞編集

    商業的な成功を収めた2つのリード・シングルに引き続く形で、『ハチミツ』は発売後ただちにオリコンの週間アルバムランキングで首位を獲得した[3]。本作はスピッツにとって初めてチャートで1位を記録した作品であり、100位以内に合計およそ1年間残り続けた[4]。 発売時期の関係からオリコンの年間ランキングでは集計分が2年にばらけたが、1995年から96年の足掛け2年に渡ってベストセラーの上位50枚以内にエントリーしている。160万枚以上の出荷により、このアルバムは1997年4月に日本レコード協会によってクワドラプル・プラチナに認定された[5]。実際にはチャート上でより多くの枚数を売り上げており、バンドにとっては本作が2014年時点で最も売れたオリジナル・アルバムとなっている[6][7]

    1995年の大晦日に発表された第37回レコード大賞では、優秀作品賞を受賞したシングル「ロビンソン」と共に、本作がアルバム部門に選出された[8]

    ブックオフオンラインの2014年、年間売上急上昇ランキングでは第10位にランクインしている[9]

    文化的な影響編集

    羽海野チカが2000年代初頭に発表した漫画『ハチミツとクローバー』のタイトルは、本作とスガシカオのアルバム『Clover』(1997年発表)が並んであるのを見た作者の経験に由来している。2005年にフジテレビ系列でこの漫画のアニメ版が放映された際には、「ハチミツ」が第1期第1話、「Y」が第1期第14話の挿入歌として使用されている。

    チャート成績編集

    シングル、アルバム通して自身初の初登場1位を獲得した。また、累計枚数は約170万枚を売り上げ、オリジナルアルバムでは自身最大のヒット作となっている。

    収録曲編集

    1. ハチミツ (3:06)
      今作の表題曲。
      フジテレビ系アニメ『ハチミツとクローバー』挿入歌。
    2. 涙がキラリ☆ (3:59)
      12thシングル。
    3. 歩き出せ、クローバー (4:26)
      草野が映画『フォレスト・ガンプ』を見て作った曲。当時阪神・淡路大震災地下鉄サリン事件があったため、「生きること」をテーマにしている。歌詞中に登場する「クローバー」とは、幸せの象徴。仮タイトルは「石神井への道」。[要出典]このアルバムで唯一、レコーディングで草野がギターを弾いている。
    4. ルナルナ (3:40)
      12thシングル『涙がキラリ☆』カップリング曲。
    5. 愛のことば (4:22)
      シングル曲の候補とされていたが、スピッツらしくないという理由で除外されている。仮タイトルは「スウェード」。[要出典]PVが制作されている。
    6. トンガリ'95 (3:05)
      始めはテンポが倍の速さであった。スピッツ (Spitz)という単語はドイツ語で「とがっている」という意味であり、サビの歌詞で「とがっている」と連呼する本曲はメンバー曰く「スピッツのテーマソング」。仮タイトルは「トンガリユース」。[要出典]
    7. あじさい通り (5:14)
      このアルバムのCMのBGMに使用された曲。仮タイトルは「ポトス」。[要出典]
    8. ロビンソン (4:20)
      11thシングル。
    9. Y (4:25)
      フジテレビ系ドラマ『白線流し』挿入歌および、フジテレビ系アニメ『ハチミツとクローバー』挿入歌。
      仮タイトルは「ハートブレイク食堂」。[要出典]
    10. グラスホッパー (3:31)
      「アルバムにアップテンポな曲がもう一曲ほしい」ということで最後に作られた作品。これにより収録予定であった田村の自作曲が除外されることとなった(なお、次作『インディゴ地平線』に収録された「ほうき星」とは異なる曲である)。なお曲名のグラスホッパーは、2001年に分社化したスピッツのマネージメント事務所の名前にもなった。仮タイトルは「レモン」。[要出典]
    11. 君と暮らせたら (3:17)

    参加ミュージシャン編集

    • 草野マサムネ:Vocals, Guitar Phrase on Introduction (3)
    • 三輪テツヤ:Guitars, Electric Sitar
    • 田村明浩:Bass Guitars
    • 崎山龍男:Drum Set, Snares, Cymbals, Shaker, Tambourine
    • 笹路正徳:Keyboards, Synthesizers, Vibraphone, Xylophone, Tambourine, Claves, Soulful Rhythm Guitars (5)
    • 清岡太郎, 松本治, 中川英二郎:Trombone
    • 野田祐介:Clarinet
    • 脇岡総一:Oboe
    • 石橋雅一:English Horn
    • 岡本正之, 徳久英樹:Fagotto
    • 篠崎ストリングス:Strings
    • 坂井利依子:Backing Vocals (6)
    • 横山剛:Computer Programming

    アナログ盤編集

    • Spitz Analog Disc Collection Vol.2として1997年2月2日にリリースされた。
    • グリーン・クリア・ビニール仕様。
    • やまだないとによるオリジナルコミックが収録されている。

    Side A

    1. トンガリ'95
    2. 歩き出せ、クローバー
    3. ロビンソン
    4. ルナルナ
    5. あじさい通り

    Side B

    1. Y
    2. 愛のことば
    3. ハチミツ
    4. 涙がキラリ☆
    5. グラスホッパー
    6. 君と暮らせたら

    配信限定シングル『愛のことば -2014mix-』編集

    愛のことば -2014mix-
    スピッツ配信限定シングル
    収録アルバム CYCLE HIT 2006-2017 Spitz Complete Single Collection
    リリース 2014年7月15日
    規格 デジタル・ダウンロード
    録音 1995年5月 - 7月[10]
    ジャンル ロック
    時間 4分24秒
    レーベル ユニバーサルJ
    作詞者 草野正宗
    プロデュース 笹路正徳 & スピッツ

    スピッツ 年表
    さらさら/僕はきっと旅に出る
    2013年
    愛のことば -2014mix-
    2014年
    雪風
    2015年

    本作の収録曲「愛のことば」のリミックスバージョン「愛のことば -2014mix-」が、2014年7月15日に通算39枚目のシングルとして配信限定で発売された[11]

    「愛のことば -2014mix-」は2014年にフジテレビドラマあすなろ三三七拍子』の主題歌として使用された。7月15日に配信限定シングルとして発売された[11][12]。本作について全国ツアー中に同ドラマの企画担当者から「主題歌にしたい」という直筆の手紙による依頼を受け、メンバー全員で快諾。これにより、同ドラマのためにリミックスバージョンが制作された[12]

    リミックスは高山徹によって2014年5月に行なわれた[10]

    2017年に発売のシングル・コレクション『CYCLE HIT 2006-2017 Spitz Complete Single Collection』にて初CD化となった[13](『あすなろ三三七拍子』のミュージックボックスには収録されていた)。

    収録内容編集

    #タイトル作詞・作曲リミックス時間
    1.「愛のことば -2014mix-」草野正宗高山徹
    合計時間:

    カバー編集

    シングル収録曲については、各項目を参照

    ハチミツ
    • 赤い公園 - トリビュート・アルバム『JUST LIKE HONEY 〜『ハチミツ』20th Anniversary Tribute〜』に収録[14]
    歩き出せ、クローバー
    • NICO Touches the Walls - トリビュート・アルバム『JUST LIKE HONEY 〜『ハチミツ』20th Anniversary Tribute〜』に収録[14]
    ルナルナ
    愛のことば
    • indigo la End - トリビュート・アルバム『JUST LIKE HONEY 〜『ハチミツ』20th Anniversary Tribute〜』に収録[14]
    トンガリ'95
    • LAMP IN TERREN - トリビュート・アルバム『JUST LIKE HONEY 〜『ハチミツ』20th Anniversary Tribute〜』に収録[14]
    あじさい通り
    • クリープハイプ - トリビュート・アルバム『JUST LIKE HONEY 〜『ハチミツ』20th Anniversary Tribute〜』に収録[14]
    Y
    グラスホッパー
    • ASIAN KUNG-FU GENERATION - トリビュート・アルバム『JUST LIKE HONEY 〜『ハチミツ』20th Anniversary Tribute〜』に収録[14]
    君と暮らせたら

    関連項目編集

    脚注編集

    出典編集

    1. ^ 田村明浩 (スピッツ)『旅の途中』幻冬舎、2007年、190頁。ISBN 4-34401-427-8
    2. ^ 草野マサムネ (スピッツ)『旅の途中』幻冬舎、2007年、198頁。ISBN 4-34401-427-8
    3. ^ 1995年10月第1週の邦楽アルバムランキング情報”. oricon.co.jp. 2014年5月4日閲覧。
    4. ^ ハチミツ/スピッツ-リリース-ORICON STYLE-ミュージック”. oricon.co.jp. 2014年5月1日閲覧。
    5. ^ RIAJ: The Record No.451 (1997年6月): GOLD ALBUM他認定作品 1997年4月度”. 一般社団法人 日本レコード協会. 2014年5月4日閲覧。
    6. ^ 『オリコン・アルバム・チャートブック(完全版)』オリコン・エンタテインメント、2006年。ISBN 4-87131-077-9
    7. ^ スピッツのCDアルバムランキング”. oricon.co.jp. オリコン. 2014年5月6日閲覧。
    8. ^ 第37回日本レコード大賞”. jacompa.jp. 日本作曲家協会. 2008年6月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年3月3日閲覧。
    9. ^ 年間ランキング2014 ブックオフオンライン 2014年12月4日。
    10. ^ a b (2017年) スピッツ『CYCLE HIT 2006-2017 Spitz Complete Single Collection』のアルバム・ノーツ [ブックレット]. ユニバーサルJ.
    11. ^ a b “スピッツ「愛のことば」柳葉敏郎主演フジドラマ主題歌へ”. 音楽ナタリー (株式会社ナターシャ). (2014年6月24日). https://natalie.mu/music/news/119594 2020年4月15日閲覧。 
    12. ^ a b “スピッツ、“愛のことば”の2014年ミックスがフジ系ドラマの主題歌に決定”. rockin'on.com (ロッキング・オン). (2014年6月24日). https://rockinon.com/news/detail/104356 2020年4月15日閲覧。 
    13. ^ “スピッツの30年を網羅する全シングル集に新曲3曲、過去アルバムのアナログ盤も”. 音楽ナタリー (株式会社ナターシャ). (2017年4月14日). https://natalie.mu/music/news/228713 2020年4月15日閲覧。 
    14. ^ a b c d e f g h i スピッツ「ハチミツ」トリビュート、参加アーティストの演奏曲発表”. 音楽ナタリー (2015年12月1日). 2015年12月1日閲覧。