ハチ公物語
ハチ公物語 | |
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監督 | 神山征二郎 |
脚本 | 新藤兼人 |
製作 |
東急グループ 三井物産 松竹 |
出演者 |
仲代達矢 八千草薫 柳葉敏郎 石野真子 山城新伍 長門裕之 |
音楽 | 林哲司 |
主題歌 | 林哲司「ガラスの観覧車」 |
撮影 | 姫田真佐久 |
編集 | 近藤光雄 |
配給 | 松竹富士 |
公開 |
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上映時間 | 107分 |
製作国 |
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言語 | 日本語 |
配給収入 |
![]() (1987年邦画配給収入1位)[1] |
概要編集
忠犬ハチ公の生涯を、実話に基づき創作を加えて描いた。
プロデューサーの奥山和由は、松竹社内でこの作品の企画を出したが資金面の問題で却下された。ならば外部作品の形で作ろうと考え、舞台の渋谷にちなみ東急グループに出資を依頼するべく、東急レクリエーションの社長も兼務していた岡田茂 (東映)に橋渡しを頼んだ。岡田はこの依頼に応え五島昇を紹介。東急グループは出資を決め、さらに三井物産も製作に参加。これを聞いて松竹は最後に出資を決定した。『ハチ公物語』は異業種が映画ビジネスに算入した初の邦画といわれる[2]。
2007年(平成19年)、アメリカにて、リチャード・ギア主演によるリメイク版が制作が決定され[3]。『HACHI 約束の犬』の邦題で2009年(平成21年)8月8日に公開された。
スタッフ編集
出演編集
宣伝編集
東映は岡田茂社長の関係で、映画のヒットを祈願してよく財界人を集めたパーティをやるが[4]、松竹はやったことがなく、この種のパーティを初めて開いた[4]。「『ハチ公物語』を成功させる会」は1987年4月7日に銀座東急ホテルで、東急グループ、三井物産、松竹グループの共催で、各映画会社トップも顔を揃え、300人以上が集まり盛大な会となった[4]。松竹は不振続きで、初めて大企業が付いた本作で大きな弾みを付け、浮上の切っ掛けにしたいと気合が入った[4]。
作品の評価編集
マスコミからは前年のヒット作『子猫物語』(東宝)に続いての動物ものに「今度は松竹富士から犬?」の声もあったが、結果的には良作として一定の高評価を得て、配給収入が20億円を超えるヒット作となった。 ただし、事実とは異なる脚本(前飼い主の死後、次の飼い主に可愛がられていたのを、前飼い主の娘に虐待の末捨てられたことにする。ハチが一部からうとまれていたことを誇張して表現するなど)や、撮影時の犬のぞんざいな扱いに難色を示す人々も多く、評価の分かれる作品である。
テレビドラマ版編集
- 2006年(平成18年)1月10日、日本テレビ系列の2時間ドラマ枠「ドラマ・コンプレックス」にて『伝説の秋田犬 ハチ』として放映された。新藤兼人自身が『ハチ公物語』のシナリオをテレビドラマ用に大幅に変更している。エンドロールに、協力者として奥山和由・松竹の両者の名前があった。
スタッフ編集
- 原作・脚本:新藤兼人
- 監督:吉川一義
- 挿入曲:DEPAPEPE「きっとまたいつか」
- 選曲・編曲:吉川清之
- プロデュース:金田和樹、石坂久美男、里中哲夫、佐藤敦
- 製作協力:近代映画協会
- 製作著作:日本テレビ
出演編集
- 上野静子:泉ピン子
- 上野秀次郎:松方弘樹
- 上野千鶴子:乙葉
- 尾形才吉:ドロンズ石本
- お吉:水町レイコ
- 森山績:西川忠志
- 留さん(焼鳥屋):山本圭壱(極楽とんぼ)
- 芹沢教授:河西健司
- 菊さん(植木屋):徳井優
- 妻・お好:駒塚由衣
- 八百蔵:大門伍朗
- 妻・お好:元井須美子
- 多やん(おでん屋):ほんこん
- 三郎(ホルモン屋):蟹江一平
- 柿田久蔵:剛たつひと
- 柿田の妻:曽川留三子
- 駅長:うえだ峻
エピソード編集
2019年3月23日放送の「月曜から夜ふかし特別版 平成のテレビ問題大清算スペシャル」にて、マツコ・デラックスがもう一度見たいテレビ番組という触れ込みで本作が紹介された。ハチが渋谷駅前で息を引き取るラストシーンに、「ドラマ・コンプレックス」主題歌としてマドンナの『コンフェッションズ・オン・ア・ダンスフロア』収録曲「ハウ・ハイ(How High)」が流れたことを取り上げられ、その感動的なシーンと激しい楽曲との違和感から大きな話題を呼んだ[5]。
漫画編集
公開当時に発売された『別冊コロコロコミックスペシャル』第17号にて、さいとうはるおによる本作のコミカライズ読み切りが執筆されている。さいとうはこの作品以降、ハチという名の様々な犬たちを主役にした読み切りを同雑誌に多数執筆している。