ハンバー・ピッグ装甲車

ハンバー・ピッグ装甲車(はんばーぴっぐそうこうしゃ)は、1950年代から1990年代までイギリス陸軍によって使われた重装甲トラックである。

ハンバーピッグ装甲車
パローラ戦車博物館のハンバーピッグ
性能諸元
全長 4.93 m
車体長 4.93 m
全幅 2.04 m
全高 2.12 m
重量 マーク1は6 t、マーク2は7.5 t
懸架方式 装輪式四輪駆動
速度 64 km/h
行動距離 400 km
エンジン ロールス・ロイスB60 6気筒4.2リットルガソリン
120 HP
乗員 2 + 8名
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この車両は1960年代後期と1970年代初期の短い期間、王立アルスター警察隊英語版(RUC)によっても使用された。RUCは、彼らのハンバーピッグを、NATOグリーンよりはアドミラルグレーで塗装した。北アイルランド問題が最も悪化した期間、北アイルランドの通りではその治安維持の存在感から特によく知られた。

歴史 編集

 
ハンバーピッグの内装

原型車両は装甲車体を持つ四輪駆動の1tハンバートラックで、特注の装甲車両の全車が届けられるまで、当初間に合わせとして設計されたものだった。これらのハンバーピッグは売却されたか、スクラップにするために保管された。

しかし、北アイルランドの状況が悪化し、本車は国内の治安維持任務に理想的であるとわかったため、任務に復帰した。ハンバーピッグは、後継車両であるアルヴィス・サラセンより長く就役した。

名前の由来はそのボンネットがブタの鼻に似ており、その走行する様子はいくぶん洗練に欠けたことからこのあだ名をつけられたとされる。これらの改修はハンバーピッグをこれまでに作られた最上級に攻撃的な外見を持つ軍用車両とし、また、北アイルランド問題の永続的なシンボルとして本車を残した。

派生型 編集

 

総生産数:約1,700両

マーク 1
  • FV1609、FV1611、FV1612として就役
  • FV1609を改造した、マルカラ対戦車ミサイル搭載車ハンバー・ホーネット。
マーク 2
  • FV1611、FV1612として就役
  • 徹甲弾ロケット弾に対する防護のために追加装甲を施し、排障装置(特別頑丈な大型バー)を牽引した。これは本車に、道路に構築された障害物を強行突破して道を通りぬける手段をあたえた。
例外的にピッグと命名されたもの
 
MK1にMK2の特徴を混合したハンバーピッグ
すべてが北アイルランドで開発された。いくつかの車両には、ショートランド警備車両から機関銃塔が移設された。
フライングピッグ
通常の車両の両側面と天井に暴動用の金網を張ったもの。
ホーリーピッグ
天井のハッチをアクリル樹脂のスクリーンで囲ったもの。(パパモビル)
クレムリンピッグ
ロケット弾に対する防護のためにワイヤーを展開したもの。(RPG-7)
スカートピッグ
操縦席のそばに暴徒鎮圧用の放水器を装備したもの。
フォーミングピッグ
爆弾からの爆風を消すために発泡機を装備したもの。

脚注 編集

関連項目 編集

外部リンク 編集