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ハー・マジェスティー」 (Her Majesty) は、1969年9月26日に発売されたビートルズのアルバム『アビイ・ロード』のB面11曲目(最後)に収録されている、ポール・マッカートニー[注 1]によって書かれた皮肉が込められたミュージックホール調の楽曲。

ハー・マジェスティー
ビートルズ楽曲
収録アルバム アビイ・ロード
リリース 1969年9月26日
録音 アビー・ロード・スタジオ
1969年7月2日
ジャンル ミュージックホール[1]
フォーク[2]
時間 23秒
レーベル アップル・レコードEMI
作詞者 レノン=マッカートニー
プロデュース ジョージ・マーティン

アビイ・ロード 収録曲
A面
  1. カム・トゥゲザー
  2. サムシング
  3. マックスウェルズ・シルヴァー・ハンマー
  4. オー!ダーリン
  5. オクトパス・ガーデン
  6. アイ・ウォント・ユー
B面
  1. ヒア・カムズ・ザ・サン
  2. ビコーズ
  3. ユー・ネヴァー・ギヴ・ミー・ユア・マネー
  4. サン・キング
  5. ミーン・ミスター・マスタード
  6. ポリシーン・パン
  7. シー・ケイム・イン・スルー・ザ・バスルーム・ウィンドー
  8. ゴールデン・スランバー
  9. キャリー・ザット・ウェイト
  10. ジ・エンド
  11. ハー・マジェスティー
ミュージックビデオ
「Her Majesty」 - YouTube

曲名「Her Majesty」は「女王陛下」などを意味する。国王に「陛下!」とじかに呼びかける場合は「your majesty」と言うが、女王がいない場所で「女王陛下」と言う場合は「her majesty」と言う。この曲では「Her Majesty=愛(いと)しの女王陛下」という意味合いである。

「女王陛下を口説きたい」という歌詞[注 2]という理由からか発売された時は曲名・歌詞が歌詞カードに掲載されていなかったが、CD化を機に曲名・歌詞が掲載されるようになる。

ポールのアコースティック・ギターの弾き語りによって構成されており、ジョージ・ハリスンリンゴ・スター、および交通事故にて負った怪我治療中であるジョン・レノンは録音に参加していない。アルバム発売当時は曲目に表記されておらず、隠しトラック扱いとなっていた。これにより、ロック・ミュージック史上初ので隠しトラックとされている。

録音編集

録音は1969年7月2日に「ゴールデン・スランバー / キャリー・ザット・ウェイト」に先だって行われ、3テイク録音されて終了した。ポールはアコースティック・ギターをフィンガー・ピッキングで演奏している[3]。冒頭のコードのあと、ギターとボーカルは右側で流れ、それがだんだんと左寄りになり、曲の終わりには完全に左側に寄るというミックスになっている。

7月30日にポール・マッカートニーが削除すると決めた[3]

演奏時間は23秒と、「公式発表曲」の中では最も短い楽曲であるが、ゲット・バック・セッションでは長いバージョンも演奏されている(未発表)。

構造と配置編集

アルバム制作当初は、B面[注 3]メドレー形式の途中、「ミーン・ミスター・マスタード」と「ポリシーン・パン」の間に位置していた。1969年7月30日に試作段階のメドレーを聴いたポールが、エンジニアに対し本作をメドレーから外し、マスターテープを破棄することを指示。しかし、EMIの「ビートルズが録音したものは何でも残しておくこと」のポリシーにより、「ジ・エンド」の後に14秒の空白を空けて、取り敢えずくっつけておいた。これが後々の作業でもそのまま残ることになり、そのままの形で発売された。

本作の冒頭に入っている大音量のコードは、「ミーン・ミスター・マスタード」の最後の一音[4]。本作はポールの歌い終わりと同時に突然終了するが、これは「ポリシーン・パン」の最初の一音が含まれていたことにより処理である。同時に、本作が『アビイ・ロード』の特徴となっているメドレーに含まれていないことも示唆している。

本作は、前述のとおり発売当初は隠しトラックの扱いを受けていたが、1987年のCD化以降は曲目に追加されている。

備考編集

2002年6月エリザベス2世女王戴冠50周年コンサートにおいて、この曲をポールが初めてライブ演奏した[5]

2009年10月MTVネットワークスは音楽ゲーム『The Beatles: Rock Band]』[注 4]の追加楽曲のダウンロード配信を開始。追加楽曲には本作も含まれており、こちらではアルバム収録時にカットされた最後のコードも含まれている。

2019年9月27日に『アビイ・ロード (50周年記念アニバーサリー・エディション)』が世界同時発売され、本作のセッション音源(第1テイクから第3テイクを繋いだもの)と本作がカットされる前の試作段階のメドレー「(トライアル・エディット&ミックス - 1969年7月30日) - The Long One (Trial Edit & Mix - 30 July 1969)」が収録されている[6][7][8]

脚注編集

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注釈編集

  1. ^ 名義はレノン=マッカートニー
  2. ^ 訳すと「「女王陛下は素晴らしい娘。でも話すべき言葉を余り持っていない。女王陛下は素晴らしい娘。でも気まぐれだ。「本当に好きだよ」って言いたいがワインを嫌と言うほど飲まないと言えそうもない。でもいつかきっと僕のものにしてみせる。いつか僕のものに」というものになっている。
  3. ^ 現在はそのままCD化のため後半部にあたる。
  4. ^ ゲームソフト自体は2009年9月9日に発売された。なお、日本では未発売となっている。

出典編集

  1. ^ Everett, Walter (1999). The Beatles As Musicians: Revolver Through the Anthology. Oxford University Press. p. 271. ISBN 0195129415. 
  2. ^ Allmusic review, "A slightly hammy folk song"
  3. ^ a b The Beatles Bible: Her Majesty”. 2018年10月14日閲覧。
  4. ^ Turner, Steve. A Hard Day's Write: The Stories Behind Every Beatles Song. New York: Harper Paperbacks. p. 195. ISBN 0-06-084409-4. 
  5. ^ “ポール・マッカートニー、クィーン、オジー・オズボーン他、バッキンガム宮殿で女王即位50周年ライヴを行なう”. BARKS (ジャパンミュージックネットワーク株式会社). (2002年6月5日). https://www.barks.jp/news/?id=52282105 2019年10月18日閲覧。 
  6. ^ “ザ・ビートルズ、『アビイ・ロード』50周年記念エディション登場”. BARKS (ジャパンミュージックネットワーク株式会社). (2019年8月9日). https://www.barks.jp/news/?id=1000170470 2019年11月2日閲覧。 
  7. ^ “THE BEATLES(ザ・ビートルズ)、9月27日リリースの『Abbey Road』50周年記念エディションより“Here Comes The Sun”新MVトレーラー映像公開”. TOWER RECORDS ONLINE (タワーレコード). (2019年9月24日). https://tower.jp/article/news/2019/09/24/tg003 2019年11月2日閲覧。 
  8. ^ “ザ・ビートルズ、『アビイ・ロード』50周年記念エディション全世界同時リリース決定”. Billboard JAPAN (ビルボード). (2019年8月8日). http://www.billboard-japan.com/d_news/detail/78764/2 2019年11月2日閲覧。 

外部リンク編集