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バイカルアザラシPhoca sibirica)は、哺乳綱食肉目アザラシ科ゴマフアザラシ属Pusa属とする説もあり)に分類されるアザラシ。

バイカルアザラシ
バイカルアザラシ
バイカルアザラシ Phoca sibirica
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
亜綱 : 獣亜綱 Theria
: 食肉目 Carnivora
亜目 : イヌ亜目 Caniformia
下目 : クマ下目 Arctoidea
小目 : クマ小目 Ursida
上科 : アザラシ上科 Phocoidea
: アザラシ科 Phocidae
亜科 : アザラシ亜科 Phocinae
: ゴマフアザラシ属 Phoca
: バイカルアザラシ P. sibirica
学名
Phoca sibirica
Gmelin, 1788
和名
バイカルアザラシ
英名
Baikal seal

目次

分布編集

ロシアバイカル湖や周囲の河川)におよそ9万頭棲息する。夏期は湖全体に分布するが、冬期には北部へ集まり、そこで越冬する[1]

形態編集

体長100-140cm、体重50-90kgと、他のアザラシより小型である。体毛は、全体的に暗い灰褐色であるが、脇腹は黄色がかった灰色である。状の前肢は大きく発達し、肢端には鋭い爪を備える[1]。バイカル湖の透明度の高い水中において視覚で獲物を探すため、眼球が非常に大型化している[2]。その眼球を収めるために眼窩に挟まれた前頭骨はわずか3mmにまで幅を狭めている。また同時に眼窩後方に存在する、顎を動かす側頭筋の付着部も小さくなってしまっている。その代替として咬筋が発達する事でその機能を補っていると思われる[3]

生態編集

世界で唯一の淡水のみに生息するアザラシ(サイマー湖、ラドガ湖のワモンアザラシは海水と淡水の両方に生息)。潜水を得意とし、数十分の間潜水していることが出来る。食性は肉食性で、発達した視覚で餌を探しカジカなどの魚類を捉えて食べる。バイカル湖の生態系の頂点にあるとされる。

おもに単独で行動するが、繁殖期には同じ相手とつがいになる。妊娠期間は9.5ヶ月であり、白い毛皮を持つ子供を一頭出産する。毛皮は6 -8週間後に大人と同様の灰色のものに生え変わる。寿命は50 - 55年で、他のアザラシに比べて長い[1]

Status編集

国際自然保護連合(IUCN)により、2008年から軽度懸念(LC)と評価されている。

LEAST CONCERN (IUCN Red List Ver. 3.1 (2001))[4]

人間との関係編集

有史以前より肉、毛皮を取るために捕獲されている[1]。現在ではロシア政府の許可により、3千頭/年の商業捕獲が行われている。

日本では、幾つかの施設で展示される。また、一般に、バイカルアザラシは演技をさせるのが難しいが、箱根園水族館は日本で初めてのバイカルアザラシのショーを成功させ、2008年4月から行っている[5]。箱根園水族館では俗に“温泉アザラシ”という呼び名を用いている。

ギャラリー編集

脚注編集

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注釈編集

出典編集

  1. ^ a b c d ブロック 2005, p. 304.
  2. ^ 遠藤 2006, p. 10.
  3. ^ 遠藤 2006, pp. 163-170.
  4. ^ Goodman, S. 2016. Pusa sibirica. The IUCN Red List of Threatened Species 2016: e.T41676A45231738. doi:10.2305/IUCN.UK.2016-1.RLTS.T41676A45231738.en. Downloaded on 19 November 2016.
  5. ^ (No.35)山の上の飼育係〜ショーの回〜 (箱根園水族館 山の上から)” (2008年7月1日). 2009年9月24日閲覧。

参考文献編集

  • 遠藤秀紀 『解剖男』 講談社〈講談社現代新書〉、2006年2月。ISBN 4-06-149828-2
  • ジュリエット・クラットン・ブロック、ダン・E・ウィルソン 『世界哺乳類図鑑』 新樹社〈ネイチャー・ハンドブック〉、2005年2月。ISBN 4-7875-8533-9

関連項目編集

外部リンク編集