バッジネームBadge name)とは、モータースポーツ用語。本来の意味は「エンジンや車体の製造者の名前」を指す用語であるが、実際には自社以外のメーカーが製造した車体やエンジンの命名権を買い取り、自社の名前で主催者へのコンストラクター登録等を行うことを指す。一般的にはOEM供給と同義である。

F1においては、1990年代以降エンジンや車体の開発費用が高騰するようになったことから、エンジン名に独自のスポンサーを付けることでエンジン供給に必要な費用を実質的に当該スポンサーに肩代わりしてもらうことを狙いに、参戦会社側が求めた上で行われることが多い。

一方F1以外では、レーシングコンストラクターが独自に開発したシャシー・エンジンに対し、自動車メーカーなどが宣伝やモータースポーツ振興等を目的として開発資金等を提供し、その結果として当該メーカーの名前がバッジネームとして付けられるケースが多く見られる。

特殊な例では失敗がこんで供給会社の批判の声が公にされるようになったが、運営の事情により供給を続けなければならず、イメージダウンを避けるためにバッジネームがつけられたケースもある。

主なバッジネームの使用例 編集

F1 編集

エンジン 編集

また、F1エンジンの名機として名高いフォード・コスワース・DFVエンジンは、実際はコスワースが独自に開発したF1エンジンにフォードが資金援助を行った結果「フォード」の名前が冠されたものである。

同様の状況で、1994年にザウバーおよび1995年から2005年までマクラーレンに供給したメルセデスエンジンも実際はイルモアが開発し、メルセデス・ベンツ・グループが資金援助をしたメルセデス・イルモア(現: メルセデスAMG・HPP)の合弁会社を通して「メルセデス」の名が冠された。

コンストラクター 編集

その他 編集

関連項目 編集

脚注 編集

  1. ^ “2019年F1エントリーリスト修正版が発表。フェラーリが再び名称変更、“ミッション・ウィノウ”を外す”. AUTOSPORTweb. (2019年3月4日). http://www.as-web.jp/f1/457999?all 2019年3月4日閲覧。 
  2. ^ Lamm, John. “だから、インディはおもしろい。”. 2008年6月23日閲覧。