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バルド、偽りの記録と一握りの真実

『バルド、偽りの記録と一握りの真実』（スペイン語: Bardo, falsa crónica de unas cuantas verdades）は、アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督・脚本・製作・作曲・編集による2022年のメキシコのエピック・ブラック・コメディ・ドラマ映画である[1]。ダニエル・ヒメネス・カチョ（英語版）とグリセルダ・シチリアーニ（英語版）が出演するこの映画では、母国メキシコに戻ったジャーナリスト兼ドキュメンタリー作家が夢のようなビジョンを見て現実的な危機を感じるようになる姿が描かれる。イニャリトゥにとっては2000年の『アモーレス・ペロス』以来となる全編メキシコ撮影の映画である。

バルド、偽りの記録と一握りの真実
Bardo, falsa crónica de unas cuantas verdades
監督 アレハンドロ・G・イニャリトゥ
脚本
製作
  • アレハンドロ・G・イニャリトゥ
  • ステイシー・ペルスキー
製作総指揮
出演者
音楽
撮影 ダリウス・コンジ
編集 アレハンドロ・G・イニャリトゥ
製作会社
  • M・プロダクションズ
  • レッドラム
配給 Netflix
公開
  • イタリアの旗 2022年9月1日 (VIFF)
  • 日本の旗 2022年11月18日 (劇場)
  • 世界の旗 2022年12月16日 (配信)
上映時間 159分
製作国 メキシコの旗 メキシコ
言語 スペイン語
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2022年9月1日に第79回ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門でプレミア上映された後、2022年11月18日に劇場公開、12月16日にNetflixでストリーミング配信された。第95回アカデミー賞では撮影賞にノミネートされた。

プロット 編集

キャスト 編集

製作 編集

企画 編集

2020年3月22日、アレハンドロ・G・イニャリトゥが新作映画の脚本・監督・製作を務め、メキシコで撮影し、ブラッドフォード・ヤングが撮影監督、パトリス・ヴァーメットがプロダクションデザイナーに就任すると報じられた[2]。2021年3月9日、グリセルダ・シチリアーニ（英語版）がキャストに加わり[3]、さらに7月にグランサム・コールマンが追加された[4]。

撮影 編集

主要撮影は2021年3月3日にメキシコシティで始まり、撮影監督にはダリウス・コンジ、プロダクションデザイナーにはエウヘニオ・カバイェーロ（英語版）が迎えられた[5]。首都の他の場所とエストゥディオス・チュルブスコ（英語版）で5ヶ月間の撮影が計画された[6][7][8]。

2021年3月4日、メキシコシティ歴史地区での撮影中に通行人が製作の警備員を殴ったとして逮捕された[9]。2021年9月、製作完了が報じられた[1]。

ポストプロダクション 編集

イニャリトゥはプレミア上映後も編集作業を続けた。2022年9月下旬の第70回サン・セバスティアン国際映画祭（英語版）で上映されたバージョンはクレジット無しで152分であり、ヴェネツィアやテルライドで上映されたものよりも22分短くなっている[10]。最終的な上映時間はクレジット込みで160分となった[11]。

公開 編集

ワールド・プレミアは2022年9月1日に第79回ヴェネツィア国際映画祭[12]。2022年11月3日にAFIフェストでアメリカ・プレミアが行われた[13]。2022年10月27日にメキシコで劇場公開、11月4日にアメリカ合衆国の劇場で限定公開、12月16日にNetflixで配信開始された[14][15][16]。

評価 編集

批評家の反応 編集

レビュー収集サイトのRotten Tomatoesでは148件の批評に基づいて支持率は59%、平均点は6.4/10となり、「非常に個人的であると同時に、『バルド、偽りの記録と一握りの真実』は輝きと純粋な自己満足の間の境界線を不安定に歩いている」とまとめられた[17]。Metacriticでは36件の批評に基づいて加重平均値は53/100と示された[18]。

受賞とノミネート 編集

賞 授賞式 部門 対象 結果 参照
ヴェネツィア国際映画祭 2022年9月10日 金獅子賞 アレハンドロ・G・イニャリトゥ ノミネート [19]
UNIMED賞 受賞 [20]
カメリマージュ（英語版） 2022年11月19日 銀蛙賞 ダリウス・コンジ 受賞 [21]
FIPRESCI賞 『バルド、偽りの記録と一握りの真実』 受賞
シカゴ映画批評家協会 2022年12月14日 外国語映画賞 『バルド、偽りの記録と一握りの真実』 ノミネート [22]
撮影賞（英語版） ダリウス・コンジ ノミネート
女性映画ジャーナリスト同盟 2023年1月5日 非英語作品賞 『バルド、偽りの記録と一握りの真実』 ノミネート [23]
ジョージア映画批評家協会（英語版） 2023年1月13日 撮影賞 ダリウス・コンジ ノミネート [24]
クリティクス・チョイス・アワード 2023年1月15日 外国語映画賞 『バルド、偽りの記録と一握りの真実』 ノミネート [25]
AARP大人のための映画賞（英語版） 2023年1月28日（英語版） 外国語映画賞（英語版） ノミネート [26]
国際シネフィル協会（英語版） 2023年2月12日 プロダクションデザイン賞 エウヘニオ・カバイェーロ（英語版） 次点 [27]
全米セットデコレーター協会賞（英語版） 2023年2月14日（英語版） 現代長編映画デコール/デザイン賞 ダニエラ・ロハス・モン、エウヘニオ・カバイェーロ ノミネート [28]
美術監督組合賞（英語版） 2023年2月18日（英語版） 現代映画プロダクションデザイン賞 エウヘニオ・カバイェーロ ノミネート [29]
ゴールデンリール賞（英語版） 2023年2月26日（英語版） 外国語映画音響編集賞 マルティン・エルナンデス、ニコラス・ベッカー（英語版）、ケン・ヤスモト、アレハンドロ・ケベド、ハイメ・セインツ、カロリーナ・サンタナ、アリツェル・ディアス、ダニエル・ダグラス、バレリア・ロペス・マンチェバ、レイニエ・ヒノホサ、オマー・ブランコ、オスカル・ビクトリア、ピエトゥ・コルホネン、ヘッキ・コッスィ、アラン・ロメロ ノミネート [30]
サテライト賞 2023年3月3日（英語版） 国際映画賞（英語版） 『バルド、偽りの記録と一握りの真実』 ノミネート [31][32]
全米撮影監督協会 2023年3月5日（英語版） 劇場映画撮影賞 ダリウス・コンジ ノミネート [33]
アカデミー賞 2023年3月12日 撮影賞 ノミネート [34]

参考文献 編集

  1. ^ a b Grobar, Matt (2021年9月23日). “Alejandro G. Iñárritu's New Comedy Gets Title; Oscar Winner's First Project In His Native Mexico Since 'Amores Perros'” (英語). Deadline. 2021年9月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年9月23日閲覧。
  2. ^ Fisher, Jacob (2020年3月22日). “Alejandro G. Iñárritu Set To Write & Direct New Film With Bradford Young & Patrice Vermette”. https://discussingfilm.net/2020/03/22/alejandro-g-inarritu-set-to-write-direct-new-film-with-bradford-young-patrice-vermette/ 2020年4月14日閲覧。 
  3. ^ Huerta, Cesar (2021年3月9日). “Iñárritu trae "Cortitos" a Griselda Siciliani y a Giménez Cacho” (スペイン語). El Universal. 2021年3月9日閲覧。
  4. ^ Kroll, Justin (2021年7月29日). “Grantham Coleman Joins Cast Of Alejandro Gonzalez Iñárritu's Next Movie”. Deadline Hollywood. 2021年7月29日閲覧。
  5. ^ “Film and TV Projects Going Into Production - Limbo”. Variety Insight. 2021年3月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年3月15日閲覧。
  6. ^ Agencia Reforma (2021年3月3日). “Iñárritu inicia rodaje de su nueva cinta en la capital mexicana” (スペイン語). Los Angeles Times. 2021年3月5日閲覧。
  7. ^ “Alejandro González Iñárritu comienza rodaje de su nueva película en CDMX” (スペイン語). Tomatazos (2021年3月5日). 2021年3月5日閲覧。
  8. ^ Grater, Tom (2021年3月5日). “Alejandro Gonzalez Iñárritu Rolls Cameras On First Movie Since 'The Revenant'”. Deadline Hollywood. 2021年3月5日閲覧。
  9. ^ El Universal (2021年3月4日). “Detienen a hombre que enfurece por rodaje de Iñárritu en la CDMX” (スペイン語). Elmparcial.com. 2021年3月5日閲覧。
  10. ^ Kohn, Eric (2022年9月22日). “Alejandro G. Iñarritu on His Stunning 'Bardo' Trailer and Why the Movie Is Shorter Now — Exclusive”. IndieWire. https://www.indiewire.com/2022/09/bardo-trailer-alejandro-gonzalez-inarritu-shorter-1234765519/ 2022年9月22日閲覧。 
  11. ^ “Bardo, False Chronicle Of A Handful Of Truths”. British Board of Film Classification. 2022年11月3日閲覧。
  12. ^ “Biennale Cinema 2022 | Bardo, falsa crónica de unas cuantas verdades”. La Biennale di Venezia. 2022年8月30日閲覧。
  13. ^ “AFI Fest Adds 'Bardo', 'The Son', 'She Said', 'Guillermo del Toro's Pinocchio', More to Red Carpet Lineup” (2022年9月20日). 2023年2月8日閲覧。
  14. ^ Bergeson, Samantha (2022年4月27日). “Netflix Buys Alejandro G. Iñárritu's 'Bardo' and Sets Global Awards Season 2022 Release”. IndieWire. 2022年4月27日閲覧。
  15. ^ “Darren Aronofsky, Laura Poitras, Olivia Wilde, Alejandro G. Iñárritu, Florian Zeller Take New Movies to Venice – Full Lineup” (英語). Variety (2022年7月26日). 2022年7月26日閲覧。
  16. ^ Rubin, Rebecca (2022年8月30日). “Netflix Unveils Fall Movie Slate With Release Dates for 'Bardo,' 'White Noise' and Lindsay Lohan's 'Falling for Christmas'” (英語). Variety. 2022年9月23日閲覧。
  17. ^ “Bardo, False Chronicle of a Handful of Truths”. Rotten Tomatoes. 2023年2月8日閲覧。
  18. ^ “Bardo, False Chronicle of a Handful of Truths 2022”. Metacritic. 2023年2月8日閲覧。
  19. ^ “Venice Film Festival Winners: Cate Blanchett, Colin Farrell Take Top Acting Prizes – Updating Live”. Deadline Hollywood (2022年9月10日). 2022年9月10日閲覧。
  20. ^ “COLLATERAL AWARDS OF THE 79TH VENICE FILM FESTIVAL”. labiennale.org (2022年9月10日). 2022年9月10日閲覧。
  21. ^ “Camerimage: ‘Tár’ Takes Golden Frog — Complete Winners List”. Deadline (2022年11月19日). 2023年2月2日閲覧。
  22. ^ Tallerico, Brian (2022年12月12日). “Everything Everywhere All at Once Leads Chicago Film Critics Nominations”. Rogerebert.com. 2022年12月12日閲覧。
  23. ^ “2022 EDA AWARDS NOMINEES”. Alliance of Women Film Journalists. 2022年12月23日閲覧。
  24. ^ Anderson, Erik (2023年1月7日). “2022 Georgia Film Critics Association (GAFCA) nominations”. AwardsWatch. 2023年1月7日閲覧。
  25. ^ Verhoeven, Beatrice (2022年12月14日). “Everything Everywhere All At Once Leads 2023 Critics Choice Awards Film Nominations”. The Hollywood Reporter. 2022年12月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年12月14日閲覧。
  26. ^ Appelo, Tim (2022年12月15日). “Announcing AARP’s 2023 Movies for Grownups Awards Nominees”. AARP. 2023年1月29日閲覧。
  27. ^ “The 2022 International Cinephile Society (ICS) Winners”. NEXT BEST PICTURE (2023年2月12日). 2023年2月21日閲覧。
  28. ^ “Set Decorators Society of America Announces 2022 Film Nominations”. Below the Line (2023年1月5日). 2023年1月6日閲覧。
  29. ^ Tangcay, Jazz (2023年1月9日). “‘Elvis,‘ ’Babylon,‘ ’Avatar: The Way of Water’ Lead Art Directors Guild 2023 Nominations”. Variety. 2023年1月9日閲覧。
  30. ^ Giardina, Carolyn (2023年1月9日). “‘Everything Everywhere All At Once’ Leads Sound Editors’ Golden Reel Nominations”. The Hollywood Reporter. 2023年1月9日閲覧。
  31. ^ Anderson, Erik (2022年12月8日). “'Top Gun: Maverick' leads International Press Academy's 27th Satellite Awards nominations”. Awards Watch. 2022年12月8日閲覧。
  32. ^ “The International Press Academy Announces Winners for the 27th Annual SATELLITE™ Awards”. International Press Academy (2023年3月3日). 2023年3月4日閲覧。
  33. ^ Tangcay, Jazz (2023年1月9日). “‘The Batman,’ ‘Top Gun: Maverick,’ ‘Elvis’ Nominated by American Society of Cinematographers”. Variety. 2023年1月10日閲覧。
  34. ^ “The 95th Academy Awards”. Academy of Motion Picture Arts and Sciences. 2023年1月29日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集

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