バートベルゲン

ドイツの町
紋章 地図
(郡の位置)
基本情報
連邦州: ニーダーザクセン州
郡: オスナブリュック郡
ザムトゲマインデ: ザムトゲマインデ・アルトラント
緯度経度: 北緯52度38分06秒 東経07度58分56秒 / 北緯52.63500度 東経7.98222度 / 52.63500; 7.98222座標: 北緯52度38分06秒 東経07度58分56秒 / 北緯52.63500度 東経7.98222度 / 52.63500; 7.98222
標高: 海抜 29 m
面積: 79.11 km2
人口:

4,646人(2021年12月31日現在) [1]

人口密度: 59 人/km2
郵便番号: 49635
市外局番: 05433
ナンバープレート: OS, BSB, MEL, WTL
自治体コード:

03 4 59 007

行政庁舎の住所: Am Markt 3
49635 Badbergen
ウェブサイト: www.badbergen.de
首長: ヴェルナー・マイアー (Werner Meier)
郡内の位置
地図
地図

バートベルゲン (ドイツ語: Badbergen) は、ドイツ連邦共和国ニーダーザクセン州オスナブリュック郡北部のザムトゲマインデ・アルトラントを構成する町村(以下、本項では便宜上「町」と記述する)である。この町はハーゼタール保養地の一部としてアルトラントに位置している。

地理 編集

位置 編集

バートベルゲンは北ドイツ低地内の、アルトラント沖積平地の中央に位置する。ここは谷の砂地の土地と湿った低地に細分される広い平地である[2]

南のトイトブルクの森から流れてくるハーゼ川ドイツ語版英語版は、クロッペンブルガー・ゲーストに至り、その登り勾配のために西向きに流路を変える[3]

地質学と水理地質学 編集

第三紀の丘陵の北側、クヴァーケンブリュック近郊にあたるハーゼ氷河谷の低地では、ハーゼユーバーファルと呼ばれる内陸デルタドイツ語版英語版が形成されている。この内陸デルタの範囲は、アルトラントの領域とほぼ等しい[4]。これは主に氷河の流路であり、氷河の雪解け水の作用で堆積物が造られた。この付近では勾配が極めて小さく、ハーゼ川が多くの川筋に分岐し内陸デルタを形成しているが、これはバーデベルゲン付近から始まる。

ボーリング調査の結果は、最上層がローム質および砂質の更新世の堆積物からなることを示している。最上層の厚さはおよそ 5 -7 m であることを示している。この層の下には約 10 m の厚さのローム質および泥灰岩の堆積層がある。25 - 30 m の深さにある砂質の地層は、地下水の豊かな帯水層を形成している。帯水層の最も浅い箇所は 2 - 6 m の深さにある[5]

町域の広がり 編集

バーデベルゲンは、連邦道 B68号線の両側を中心として形成された列村である。東側は主に住宅地が多くの列を形成しており、西側は道沿いの建物の裏側の、古くから存在する農地の間に工場が点在している。1876年に鉄道で結ばれた後、いくつかの工場が進出し、農村から手工業者と商人の町に発展していった。しかし、この町では都市化の問題が完全に解決したわけではない。

農地は主にグレンロー、グロース・ミンメラーゲ、グローテ、ランゲン、レヒテルケ、フェース、ヴェーデル、ヴルフテンの各地区に存在する。

隣接する市町村 編集

バーデベルゲンは、南はベルゼンブリュック、西はノルトルプおよびメンスラーゲ、北はクヴァーケンブリュック(以上、いずれもオスナブリュック郡)、東はディンクラーゲドイツ語版英語版およびホルドルフドイツ語版英語版(ともにフェヒタ郡ドイツ語版英語版)と境を接している。

自治体の構成 編集

この町は、以下の地区から構成されている:

  • バーデベルゲン - 行政機関所在地
  • グレンロー
  • グロース・ミンメラーゲ
  • グローテ
  • ランゲン
  • レヒテルケ
  • フェース
  • ヴェーデル
  • ヴォールト
  • ヴルフテン

気候 編集

ベルゲンは、北海沿岸の海洋性気候から南部および東部の大陸性気候への移行部に位置しており、北海からの湿った北西風により影響を受ける海岸性気候の特徴を持つ。

年間平均気温は 8.5 - 9.0 ℃、年間降水量は約 616 mm である(ドイツ全土の平均年間降水量は約 800 mm)。最も暖かい月は7月と8月で、その平均気温は 17.2 ℃ および 16.9 ℃ である。最も寒いのは1月と2月で、平均気温は 1.6 ℃ と 2.2 ℃ である。最も多くの降水があるのは6月と7月で平均月間降水量は 69 mm および 75 mm、最も少ないのは2月と3月で 36 mm と 42 mm である。5月から8月までの間に平均 20 -25日の夏日がある。雨の日数は12月が10日で最も多いが、降水量 49 mm は平均程度である。

バートベルゲンの気象データの気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
降水量 mm (inch) 63.5
(2.5)
43.2
(1.701)
53.5
(2.106)
48.1
(1.894)
59.6
(2.346)
73.4
(2.89)
72.7
(2.862)
63.9
(2.516)
56.1
(2.209)
55.8
(2.197)
67.4
(2.654)
70.1
(2.76)
727.2
(28.63)
出典:Wetter und Klima - Deutscher Wetterdienst[6]

歴史 編集

テックレンブルク伯ジーモンの1175年の文書に Padberge として記録されている。1188年の文書ではこの地名表記は Batbergh に変化している。

他にも、教会区の文書にも古くからその名が記されている。1235年に創設された律修司祭教区が、列村から教会村になる契機となった。バートベルゲンの発展と交易地としての重要性は、おそらく、2本の重要な交易路が交差するその立地によっていた。南北の街道については、現在も連邦道 B68号線が建設され、バイパス道路によって制御されている。

町村合併 編集

1972年7月1日に、グレンロー、グロース・ミンメラーゲ、グローテ、ランゲン、レヒテルケ、フェース、ヴェーデル、ヴルフテンがこの町に合併した[7]

人口推移 編集

以下の表は、各年の12月31日時点での町域における人口を示している。

数値は、1987年5月25日の人口調査結果に基づくニーダーザクセン州統計およびコミュニケーション技術局の研究結果である[8]

1961年(6月6日)と1970年(5月27日)の数値は、1972年7月1日に合併した地域の人口を含む人口調査の結果である[7]

人口(人)
1961 4,545
1970 4,412
1987 3,991
1990 4,093
1995 4,343
2000 4,473
2005 4,613
2010 4,563
2011 4,600

地名の意味 編集

地名の決定的な意味については現在も明らかでない。地名表記の Padberg は「小径」を意味する Pad と「旅籠」あるいは「避難所」を意味する Berge から導出されたものである。別の解釈としては、古ザクセン語の人名 Bathard に基づき Batbergh という地名になったという説がある[9]

行政 編集

議会 編集

この町の議会は 15議席からなる[10]。町長はヴェルナー・マイアー (UWG) である。

姉妹自治体 編集

文化と見所 編集

 
聖ゲオルク教会

バートベルゲンの見所の大半は観光街道アルトラント=ルート[11]経由で行くことができる。有名なのは、保護文化財に指定されているアルトラントの農場群と、そのほとんどそれぞれに見られるオークの小さな森である。そのほかの見所には以下のものがある。

これらはともに町の中心部にある。

  • グロース・ミンメラーゲの修復された風車
  • ランゲンのエーゼルホーフ

経済と社会資本 編集

交通 編集

2013年12月20日まで連邦道B68号線が町の中心部を南北に貫いていた。2008年8月28日にバイパス道路建設計画が実施された。バイパス道路は2013年12月20日に工事期間16ヶ月で開通した。

現在、ノルトヴェストバーンオスナブリュック - オルデンブルク線が町内を南北に貫いている。1876年のこの路線開通時にバートベルゲンにも駅が設けられたが、やがて営業を停止した。最寄りの駅はベルゼンブリュッククヴァーケンブリュックにある。これらの駅にはノルトヴェストバーンのレギオナルエクスプレス RE-18(オスナブリュック - オルデンブルク - ヴィルヘルムスハーフェン)が停車する。このほかに廃止されたクヴァーケンブリュック - ライネ}線もこの町を通っていた。

バートベルゲンからクヴァーケンブリュック行きのオスナブリュック交通会社のバス路線がある。このほかに民間主導のバートベルゲン住民バス協会がある。この協会は、月曜日から土曜日までこの町の地区とクヴァーケンブリュックのマルクト広場および病院とを結ぶ非常に便の良い住民バス(運賃は1ユーロ)を運行している。

地元企業 編集

この町の大きな雇用主としては、従業員340人を擁する「アルトラント・コンヴィーニエンス GmbH」がある。

公共機関 編集

バートベルゲン郷土館e.V.、アルトラント民俗衣装連盟、シャンティーコール「ハーゼユングス」は伝統的な民俗活動や地域文化を保護するために結成された。ただしいずれの団体も後継者不足問題に悩まされている。

教育 編集

かつては、基礎課程学校、オリエンテーション段階、本課程学校および実科学校で形成される学校統合体は、隣のクヴァーケンブリュックへの学域統合により、まず本課程学校が、ついで実科学校が廃止され、現在では基礎課程学校だけとなった。このほかに福音主義の幼稚園がある。

参考文献 編集

  • Autorenkollektiv/Kreisheimatbund Bersenbrück (KHBB) e.V.: Badbergen. Ein Beitrag zur Siedlungs-, Wirtschafts- und Kulturgeschichte des Artlandes. Heimat gestern und heute (Heft 18). Kreisheimatbund Bersenbrück (KHBB) e.V., Bersenbrück und Thoben, Quakenbrück 1975, 216 S., ISBN 3-921176-27-1
  • Rolf Diekmann: Die Geschichte der Bauerschaft Wohlde und ihrer Höfe. In: Heimat-Kalender für den Kreis Bersenbrück 1939. S. 84–92
  • Werner Dobelmann: Die Kirchenburg zu Badbergen, in: Am heimatlichen Herd – Heimatblatt 12 (1961), Nr. 5 (Mai 1961), S. 18 ff.
  • Dietrich Korfhage: Das Wohldbuch. Geschichte einer spätmittelalterlichen Siedlung. Quakenbrück 1930.
  • Herbert Obenaus et al. (Hrsg.): Historisches Handbuch der jüdischen Gemeinden in Niedersachsen und Bremen. Band 1. Wallstein Verlag, 2005. ISBN 3-8924-4753-5. S. 152–159
  • Joseph Rottmann: 600 Jahre Hof Elting in Badbergen. In: Heimat-Jahrbuch Osnabrücker Land 2001. S. 157–162
  • Hermann Rothert: Elting zu Vehs. Geschichte eines Artländer Freihofes. Münster (Aschendorff). 1948.
  • Marten Pelzer: Landwirtschaftliche Vereine in Nordwestdeutschland. Das Beispiel Badbergen. (Quellen und Studien zur Regionalgeschichte Niedersachsens, Bd 8), Cloppenburg, Museumsdorf, 2002.

これらの文献は、翻訳元であるドイツ語版の参考文献として挙げられていたものであり、日本語版作成に際し直接参照してはおりません。

出典 編集

  1. ^ Landesamt für Statistik Niedersachsen, LSN-Online Regionaldatenbank, Tabelle A100001G: Fortschreibung des Bevölkerungsstandes, Stand 31. Dezember 2021
  2. ^ Kuhlmann: Das Artland und die Stadt Quakenbrück in ihrer historischen Entwicklung. S. 7.
  3. ^ Martin Teller: Die erdgeschichtliche Genese des nordwestdeutschen Naturraumes(2016年12月6日 閲覧)
  4. ^ H.A. Meissner: Beharrung und Wandel in einem nordwestdeutschen Agrarraum. Das Quakenbrücker Becken. Leer (Schuster) 1979. ISBN 3-7963-0157-6.
  5. ^ Wolfgang Schlüter: Die Vor- und Frühgeschichte des Artlandes und seiner Umgebung. In: H.-R. Jarck (Hrsg.): Quakenbrück. Von der Grenzfestung zum Gewerbezentrum. S. 34f.
  6. ^ 1961年から1990年の平均気象データ”. 2016年12月6日閲覧。
  7. ^ a b Statistisches Bundesamt (Hrsg.): Historisches Gemeindeverzeichnis für die Bundesrepublik Deutschland. Namens-, Grenz- und Schlüsselnummernänderungen bei Gemeinden, Kreisen und Regierungsbezirken vom 27. 5. 1970 bis 31. 12. 1982. W. Kohlhammer GmbH, Stuttgart und Mainz 1983, ISBN 3-17-003263-1, S. 253.
  8. ^ LSN-Online - Regionaldatenbank(2016年12月3日 閲覧)
  9. ^ Wilhelm Fangmeyer: Deutung von Ortsnamen im Osnabrücker Land. In: Heimat-Jahrbuch Osnabrücker Land, 1982. S. 78.
  10. ^ Die Kommunal Wahl Landkreis Osnabrück vom 11. September 2016(2016年12月7日 閲覧)
  11. ^ Tourismusverband Osnabrücker Land e.V. (TOL): Höfe, Mühlen und Großsteingräber(2016年12月8日 閲覧)