パコ

朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)のピアノメーカー、ブランド

パコ(PACO)は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)のピアノメーカー、ブランドである。

沿革 編集

自国でもピアノを生産すべきである、という金正日の意向に沿う形で、1988年朝鮮総連系の日本のピアノ製造会社との合弁で『平壌ピアノ合弁会社』が設立された[1]

アップライトピアノ製造を皮切りに、自動演奏ピアノ、グランドピアノなどを製造した。中国インドネシア等にも輸出されていた[2]。なお、日本国内での製造輸入は、『PACO』社が行なった[1]

現在は既に日本との合弁を解消している[2]

日本からの技術協力 編集

製造が容易な部品のみを北朝鮮で作り、その他の部品は全て日本から輸入して組み立てていた。組み立てられた楽器は全て静岡県浜松市に送られて、最終調整を施した後に販路に乗せられた[3]。北朝鮮製の部品の比率は、製造開始当時は1%程度であったとされている[4]

当時の日本においては、アップライトピアノの市場が飽和していた上に、デジタルピアノが登場した事により、アップライトピアノ製造を主とする工場は苦境を迎えていた。こうした状況下での、北朝鮮からの技術協力要請は、好意的に受け止められていた[4]。日本人技術者が滞在しての技術指導は7年程度続いた[5]

ブランド 編集

  • PACO(パコ)
  • GRATIAE(グラチア)
  • FEINTON(フェイントン、ファイントン)

脚注 編集

  1. ^ a b 西岡、157ページ。
  2. ^ a b 西岡、160ページ。
  3. ^ 西岡、158ページ。
  4. ^ a b 西岡、159ページ。
  5. ^ ピアノ調律師もドクターxに!

参考文献 編集

  • 『「音楽狂」の国 将軍様とそのミュージシャンたち』 毎日新聞中国総局長 西岡省二著、小学館