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生涯編集

テキサス州フォートワースに生まれ、スタンリー・ハイスミスの養女となりニューヨークで育つ。学生時代から、フョードル・ドストエフスキージョゼフ・コンラッドエドガー・アラン・ポーギ・ド・モーパッサンなどの作家を愛読した。バーナード・カレッジの在学中に短篇小説の執筆をはじめ、「ヒロイン」が雑誌『ハーパース・バザー』に掲載される。The Click of the Shutting という長篇小説も書いていたが、24歳の誕生日に破棄している[1]

作家となる前には、コミックブックの脚本・編集を担当していた[2]

長篇第1作『見知らぬ乗客』の発表前、百貨店のアルバイト中に見かけた女性にヒントを得て長篇を執筆。人妻と女性店員の恋愛を描いたこの物語は、クレア・モーガン名義で The Price of Salt として出版され、同性愛者の人気を呼び、百万部をこえるベストセラーとなった。『見知らぬ乗客』がヒッチコックにより映画化され、長篇第3作『太陽がいっぱい』もヒット映画となり、ハイスミスは人気作家となる。『太陽がいっぱい』に登場したトム・リプリーの物語は、のちにシリーズ化された。

1963年からはヨーロッパへ移り住み、以後はアメリカを舞台とする作品を執筆する際には、アメリカの友人から当地の風俗についての情報を集めていた[3]。晩年もヨーロッパで暮らした。

高名な2本の映画の原作者として知られながら日本では紹介が遅れた。映画よりも10年以上遅れて刊行された『太陽がいっぱい』ほか数冊もすぐに絶版となるなどの有様だったが、作者自身の最晩年に至って突如人気に火がつく。1990年代に河出文庫扶桑社ミステリー文庫から未訳本が多数刊行され、ようやくその全体像が理解された。

作品編集

主にサスペンスミステリーの分野で読者を獲得するが、ハイスミスは自作がそのように評価されることに不満を持っていた[4]グレアム・グリーンは、英雄的な主人公や合理的な展開とは異なる、不合理な展開や不安感をハイスミス作品の特徴としてあげている[5]

また、諷刺ブラック・ユーモアを含んだ多くの短篇も著している。カタツムリの観察を趣味とし、実際に何作品かでカタツムリを題材に取り上げた。

受賞歴編集

主な著作編集

長篇(トム・リプリーシリーズ)編集

長篇(その他)編集

短篇集編集

  1. 「かたつむり観察者」
  2. 「恋盗人」
  3. 「すっぽん」
  4. 「モビールに艦隊が入港したとき」
  5. 「クレイヴァリング教授の新発見」
  6. 「愛の叫び」
  7. 「アフトン夫人の優雅な生活」
  8. 「ヒロイン」
  9. 「もうひとつの橋」
  10. 「野蛮人たち」
  11. 「からっぽの巣箱」
  • Little Tales of Misogyny (1977年). 邦訳『女嫌いのための小品集』 宮脇孝雄訳、河出書房新社、1993年
  • 『回転する世界の静止点 初期短篇集1938-1949』 宮脇孝雄訳、河出書房新社、2005年
  1. 「素晴らしい朝」
  2. 「不確かな宝物」
  3. 「魔法の窓」
  4. 「ミス・ジャストと緑の体操服を着た少女たち」
  5. 「ドアの鍵が開いていていつもあなたを歓迎してくれる場所」
  6. 「広場にて」
  7. 「虚ろな神殿」
  8. 「カードの館」
  9. 「自動車」
  10. 「回転する世界の静止点」
  11. 「スタイナク家のピアノ」
  12. 「とってもいい人」
  13. 「静かな夜」
  14. 「ルイーザを呼ぶベル」
  • 『目には見えない何か 中後期短篇集1952-1982』 宮脇孝雄訳、河出書房新社、2005年。 - 解説は、批評家のポール・インヘンダーイと1985年-1995年までハイスミスを担当した編集者のアンナ・フォン・プランタ
  1. 「手持ちの鳥」
  2. 「死ぬときに聞こえてくる音楽」
  3. 「人間の最良の友」
  4. 「生まれながらの失敗者」
  5. 「危ない趣味」
  6. 「帰国者たち」
  7. 「目には見えない何か」
  8. 「怒りっぽい二羽の鳩」
  9. 「ゲームの行方」
  10. 「フィルに似た娘」
  11. 「取引成立」
  12. 「狂った歯車」
  13. 「ミセス・ブリンの困ったところ、世界の困ったところ」
  14. 「二本目の煙草」

その他編集

  • Miranda the Panda Is on the Veranda (with Doris Sanders) (1958) - 児童書
  • Plotting and Writing Suspense Fiction (1966) - 作家論、小説論

映像化作品編集

参考文献編集

  • BEAUTIFUL SHADOW: A Life of Patricia Highsmith(Andrew Wilsonによる伝記。2004年)

脚注編集

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  1. ^ 『目には見えない何か』解説(ポール・インヘンダーイ)376頁
  2. ^ デヴィッド・ハジュー『有害コミック撲滅!』(岩波書店)P.233
  3. ^ 『イーディスの日記』解説(宮脇孝雄
  4. ^ 『11の物語』解説(小倉多加志
  5. ^ 『11の物語』序文

外部リンク編集