パラサイト 半地下の家族

韓国の映画作品

パラサイト 半地下の家族』(原題:기생충(→寄生虫): Parasite)は、2019年韓国ブラック・コメディ映画

パラサイト
半地下の家族
기생충
Parasite Korean logo.png
監督 ポン・ジュノ
脚本
製作
  • クァク・シネ
  • ムン・ヤングォン
  • ポン・ジュノ
  • チャン・ヨンファン
出演者
音楽 チョン・ジェイル
撮影 ホン・ギョンピョ[1]
編集 ヤン・ジンモ
製作会社 パルンソンE&A
配給
公開
上映時間 132分[4]
製作国 大韓民国の旗 韓国
言語 韓国語
製作費 135億ウォン[5]
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パラサイト 半地下の家族
各種表記
ハングル 기생충
漢字 寄生蟲
発音 キセンチュン
日本語読み: きせいちゅう
ローマ字
英語表記: Parasite
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監督はポン・ジュノ。主演はソン・ガンホ。共演はイ・ソンギュンチョ・ヨジョンチェ・ウシクパク・ソダムら。

概要編集

第72回カンヌ国際映画祭では韓国映画初となるパルム・ドールの受賞を果たした[6]第92回アカデミー賞では作品賞を含む6部門にノミネートされ、作品賞、監督賞脚本賞国際長編映画賞の最多4部門を受賞した[7]。非英語作品(: Foreign-Language Film)の作品賞受賞は史上初めてのことである。また、アカデミー作品賞とカンヌの最高賞を同時に受賞した作品は『マーティ』(1955年)以来、65年ぶりとなった。

韓国で2019年5月30日に公開され、観客動員数は1,000万人を突破[8]日本では2019年12月27日から一部の劇場で限定先行公開された後[2]、2020年1月10日に公開された[3]

アメリカでドラマ化されることが決定している[9]

 
イベントでの監督とキャスト。

あらすじ編集

一家の就職成功編集

ギテク、母チュンスク、息子ギウ、娘ギジョンのキム家の4人は、狭く薄汚れた半地下のアパートに住んでいた。全員失業中で、近隣のパスワードの掛かっていないWi-Fiを使ったり、近所のピザ屋の宅配箱を組み立てる低賃金の内職をしたりしてなんとか生活していた。

ある日、ギウの友人で名門大学に通う青年ミニョクが訪れ、富をもたらす山水景石という岩を手渡す。ミニョクは、自分が留学する間パク家の女子高生ダヘの英語の家庭教師をやらないかとギウに提案する。浪人中のギウは教える資格がないとためらうが、高い報酬のこともあり仕事を受けることを決意した。

ギジョンに名門大学の入学証書を偽造してもらうと、ギウは大学生のふりをして高台の高級住宅地を訪れ、家政婦のムングァンに迎えられる。立派な邸宅は、もともと有名な建築家が自ら建築し住んでいたのだという。パク夫人も授業の様子を見学する中、物怖じしない態度でダヘの授業を終えたギウはパク夫人の信頼を得、英語の家庭教師の仕事が正式に決まる。帰り際、壁に息子ダソンの描いた絵が飾ってあることに目をつけたギウはパク夫人が絵の家庭教師を探していることを聞き出す。ギウは一人思い当たる人物がいる、とパク夫人に言う。

後日、ギウの大学の後輩を装ってギジョンがパク家を訪れる。人の良いパク夫人は疑うことを知らず、権威にも弱かった。インターネットで調べた専門用語を使って達者に話すギジョンはすっかりパク夫人に信用され、ダソンに絵を教える先生として雇われる。

その夜、仕事を終えたパク氏が帰ってきた。パク氏は夜道を女性ひとりで歩かせるわけにはいかないと、運転手にギジョンを送るよう言う。その車中、運転手はしつこく家まで送ると言うが、家を知られるわけにはいかないギジョンは断る。ギジョンは思いをめぐらせこっそりとパンティーを脱ぎ、助手席の下に下着を押し込んだ。翌日車からパンティーを発見したパク氏は運転手が自身の車をコカイン漬けのカーセックスに使ったと考え解雇する。運転手がいなくなり困っているパク家に、ギジョンは親戚に良い運転手がいると言う。こうして、父ギテクも、パク家に運転手として雇われた。

パク家に仕える家政婦のムングァンは建築家の代からこの家で家政婦をやっており、食事を2人前食べる以外は欠点らしい欠点がない。ムングァンがひどい桃アレルギーだと知ったギウは家族と策略を巡らせ、ムングァンに桃の表皮の粉末を浴びせる。ギテクはパク夫人に韓国で結核が流行しているという話、ムングァンを病院で見かけたという話を吹き込む。アレルギーで咳き込むムングァンや血のついたように偽装されたティッシュを見せられたパク夫人はムングァンが結核だと確信し、解雇する。

新しい家政婦は必要だが誰でも良いわけではなく困っているパク氏に、ギテクはパク家に雇われる前にスカウトの話があったという架空の高級人材派遣会社の名刺を渡す。名刺の連絡先はギジョンのガラケーにつながり、シナリオ通り年収の証明などの煩雑な手続きをアナウンスし信用を高めて送り込まれた母チュンスクは、パク家に新しい家政婦として雇われることになる。こうして、キム家の4人は全員が家族であることを隠しながら、パク家への就職に成功した。ただ一人、息子ダソンだけが、同時期に就職してきた4人が同じにおいをしていることに気づいた。

パラサイト計画の綻び編集

ダソンの誕生日、パク一家はキャンプに出発する。留守はチュンスクに任された。キム家の4人は大豪邸で自分の家のように振る舞い、パク氏の洋酒を飲み、ふざけあいながら贅沢を楽しむ。ギウは、恋仲になったダヘと将来結婚する夢を語る。

激しい雷雨となった夜、インターホンが鳴った。来訪者は解雇されたムングァンで、地下に忘れ物があるから家に入れてほしいと言ってきた。他の3人は隠れ、チュンスクは仕方なくムングァンを家に入れる。ムングァンが隠し扉を開くと、地下室にはムングァンの夫のグンセがいた。韓国の富裕層は北朝鮮のミサイルや借金取りから逃れるための地下室を作ることがあるというが、建築家のあとに入居したパク家は地下室の存在を知らなかった。それをいいことに、ムングァンは夫を借金取りから隠すためにこっそりと地下室に住まわせていたのだ。ムングァンがチュンスクに夫婦の秘密を守って欲しいと懇願していると、隠れて盗み聞きしていた3人が足を滑らせて出てきてしまう。ムングァンは彼らが家族であることに気づき形勢逆転。キム一家の欺きを暴露すると脅す。

キム一家とグンセ・ムングァン夫妻が揉み合いになっているところに、パク夫人から電話がかかってくる。大雨でキャンプは中止になったのだ。間も無く帰宅することをチュンスクに知らせるとキム一家はグンセとムングァンを地下室に押し込み、手足を縛り付け、慌ててパク家で勝手に振舞っていた証拠を隠蔽。チュンスクはパク夫人に頼まれたチャパグリ作りをする。ムングァンが再び地下室から出てこようとするも、チュンスクによって階段から突き落とされ、脳震盪を起こす。グンセは地下にある家の照明のスイッチを押し、モールス符号で助けを求めるも気づかれることは無かった。

パク一家が戻ると、3人は再び身を隠す。庭にテントを張ってキャンプを続けるダソンをよそにパク氏は妻の乳房を揉みしだく。妻は近くに息子がいることから抵抗するが、乳首や股間をまさぐられると観念し、快楽に身を委ねた。

キム家の3人は、パク家が寝落ちた隙を突いて豪邸から逃げ出すことに成功したが、ギジョンは計画外の連続に混乱する。ギテクはなだめるように自分に「計画」があると話した。半地下のアパートに戻ると、自宅は大雨で溢れた下水で浸水している。3人は避難所となった体育館で一晩を明かした。寝床で「計画」の詳細についてギウが聞くと、ギテクは「計画というのは無計画だ。計画があるから予定外のことが起こる。計画しなければ予定外のこともない」と話す。これを聞いたギウは、無謀な計画を考案したことをギテクに謝罪した。

グンセによる復讐と一家のその後編集

翌日、パク一家はダソンの誕生日パーティーを開くことを決め、ギテク・ギウ・ギジョンの3人も招待されることになった。庭で大騒ぎする群衆をよそに、閉じ込めたままのグンセ・ムングァン夫妻が気がかりなギウは山水景石を持って地下室を訪れる。しかしギウは岩を落としてしまい、逆にグンセに殺されそうになる。なんとか地下室を脱出するギウであったが、地下室を出たところでついにグンセに追いつかれ、岩で頭を殴られて意識を失う。

その後、グンセはキッチンで包丁を手に取ると、パーティーに突入し、ギジョンを刺す。「幽霊」のグンセを見たダソンは失神してしまう。ギテクがギジョンを助けようと急いでいると、パク氏はダソンを病院に連れて行くと運転手のギテクに叫ぶ。ギテクは彼に車のキーを投げるが、キーは揉み合っているチュンスクとグンセの下に落ちてしまう。チュンスクは斬りつけられながらもなんとか肉串でグンセを刺し殺す。パク氏は車のキーを取り戻すが、思わずグンセの匂いに後ずさる。その反応を見たギテクは、衝動的にパク氏を刺し殺してしまう。

数週間後、ギウは昏睡状態から目覚めた。チュンスクとともに文書偽造と住居侵入の罪で裁判にかけられたが、執行猶予付きの判決を得たため収監されることはなかった。刺された妹のギジョンは死亡し、ロッカー式納骨堂に納骨された。一方、パク氏を殺したギテクは騒動後行方不明になっていた。ギウは山に登り、大豪邸を見下ろす。そこで家の電灯がモールス符号の明滅をしていることに気づく。モールス信号は父からの手紙だった。ギテクは事件後に逃亡が不可能であることを悟り、ずっとあの地下室に潜んでいたのだ。

手紙によると、事故物件のためパク家が去った後しばらくは空き家だったが、今は何も知らない外国人が入居しており、ギテクは家から食べ物を盗みながら地下室での孤独な生活を続けるつもりだという。ギウは、いつの日か邸宅を購入して父親を解放するという「計画」を立て、必要な金を稼ぐことを誓う。

キャスト編集

キム家編集

キム・ギテク
演 - ソン・ガンホ
半地下住宅に暮らす全員失業中の一家の主。楽天的で温厚な性格。かつて運転手を勤めていたことがあった。
キム・ギウ
演 - チェ・ウシク
ギテクの息子。浪人中で、受験経験は豊富だが学歴はない。
キム・ギジョン
演 - パク・ソダム
ギテクの娘。美大を目指している。
チュンスク
演 - チャン・ヘジン
ギテクの妻。元ハンマー投げのメダリスト。

パク家編集

パク・ドンイク
演 - イ・ソンギュン
高台の大豪邸に暮らすIT企業の社長。
ヨンギョ
演 - チョ・ヨジョン
パクの妻。若く美形だが、騙されやすく能天気な性格をしている。
パク・ダヘ
演 - チョン・ジソ
パクの娘。高校2年生で、受験勉強に励んでいる。授業を受けるうちにギウに好意を寄せる。
パク・ダソン
演 - チョン・ヒョンジュン
パクの息子。幼く落ち着きが無い。ヨンギョには芸術的才能を見込まれている。
ムングァン
演 - イ・ジョンウン英語版
パク宅の家政婦。パク一家が入居する以前から家政婦として働いている。

その他編集

オ・グンセ
演 - パク・ミョンフン朝鮮語版
ムングァンの夫。
ミニョク
演 - パク・ソジュン(特別出演)
ギウの友人。名門大学に通うダヘの元家庭教師[10]

スタッフ編集

製作編集

企画編集

『パラサイト 半地下の家族』のアイデアは2013年から始まった。本作の監督・脚本のポン・ジュノは、映画『スノーピアサー』を製作中に、家族を題材にした金持ちと貧しい者の話を思い付く。ポン自身が20代前半の頃にソウルで裕福な家庭の息子の家庭教師をしており、自身の経験を舞台製作に置き換えることを構想[11]2015年4月、本作の製作会社であるパルンソンの代表で映画プロデューサーのクァク・シネに映画のアイデアを話し、『デカルコマニー』という仮題を付けたA4用紙15ページ分のプロットを渡した。映画『オクジャ/okja』を完成させた後の2017年9月中旬から、ポンは頭の中に隠しておいたアイテムを脚本にし始める[11]。その1か月前から既に話の構成は完成しており、約3か月で作業を終わらせ、同年末にクァク代表に伝えた。ハン・ジンウォンが共同脚本家として合流した[11]

本作において垂直構造で階層間の葛藤が描かれていることについて、ポンは「『パラサイト 半地下の家族』のほとんどの事件は家の中で起きていて、その家は垂直に造られており、それぞれの空間は階段で繋がっている。私たち自身もこの映画を『ケダンシネマ(階段シネマ)』とか『ケダンヨンファ(階段映画)』と呼んでいる。各々最も好きな階段のシーンを挙げる遊びもした」と明らかにした。また、映画監督のキム・ギヨンから最も大きなインスピレーションを受けたと語り、「キム・ギヨン監督の映画『下女』や『虫女』の階段のイメージを持ってきた。キム・ギヨン監督の階段から気勢をもらおうとした」とも言及している[12]

キャスティング編集

ポン・ジュノは、自身の監督作である『殺人の追憶』、『グエムル-漢江の怪物-』、『スノーピアサー』で協働した俳優ソン・ガンホに厚い信頼を寄せており、2017年4月までにソンの出演が確定[13]2018年1月から他の俳優たちのキャスティングに突入し、チェ・ウシクイ・ソンギュンチョ・ヨジョンパク・ソダム、イ・ジョンウン、パク・ミョンフン、チャン・ヘジンなどが合流した[14]

撮影編集

撮影は2018年5月18日には始まり[15][16]、主要な撮影は約77日かかり、同年9月19日に終了した[17]ソウル特別市全州市が撮影場所となった[18]。本作の美術監督であるイ・ハジュンは、自身が大学生の時に暮らしていた半地下を思い出しながら美術を構想。半地下のセットは実際の大きさで製作され、微細な小道具や壁に染み付いた垢、半地下の臭いまでも再現した。メインの撮影地となった大邸宅は、国内外の有名建築家の作品を参考にして全州市と安城市に建てられた。社会の両極化を視角化した豪邸と半地下のセットはとりわけ称賛されたが、カンヌ国際映画祭コンペティション部門審査員長の映画監督アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥは、閉幕晩餐会でポン・ジュノに「ロケーションがとても良い」と話し、それらが全てセットだと知って非常に驚いたという[19]

撮影監督として、ポンの監督作『母なる証明』や『スノーピアサー』でも撮影監督を務めたホン・ギョンピョも合流。実際に照明を決定する際、ホンはポンから色についての具体的な要望を受け、精巧な間接照明白熱電球の温かみを要請されたという。ポンとホンはセットを造る前に太陽の動きを確認するために何度も候補地を訪問し、セットの位置を共に決めた[20]

編集監督のヤン・ジンモによると、ポンは伝統的な撮影技法であるカバレッジ(複数台のカメラ、アングルで同時に撮影した中から最善のものを採用する技法)なしで映画を撮影することを決定。制限されたショットでより多くの編集オプションを提供するために、時には同じショットの異なるテイクを共にステッチしたという[21]

公開編集

2019年4月8日、配給会社は5月末に公開日を設定し、そこに向けてポスターと予告編を公開した[22]

同年同月19日、本作が第72回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門にノミネートされたと発表された。ポン・ジュノ監督作としては、『グエムル-漢江の怪物-』(監督週間)、『TOKYO!』(ある視点)、『母なる証明』(ある視点)、『オクジャ/okja』(コンペ)に続き、5度目のカンヌでの上映となった。また、ソン・ガンホ出演作としては『グエムル-漢江の怪物-』、『シークレット・サンシャイン』(コンペ)、『グッド・バッド・ウィアード』(特別招待)、『渇き』(コンペ)に続き、5度目の上映となった。また、チェ・ウシク出演作としては『新感染 ファイナル・エクスプレス』(特別招待)、『オクジャ/okja』に続き、3度目の上映となった[23]

同年同月29日、カンヌのコンペ入りを受け、ソウル市内のホテルで会見が行われた。この会見にはポン・ジュノ監督、出演のソン・ガンホ、イ・ソンギュンチョ・ヨジョン、チェ・ウシク、パク・ソダムチャン・ヘジンらが参加した。この席で監督は「おそらく、海外の観客はこの作品を100%理解することはできないだろう。この作品はあまりにも韓国的で、韓国の観客が見てようやく理解できるディティールが散りばめられている。」と語った[23]

本作は2019年5月21日の第72回カンヌ国際映画祭で世界初上映され[24]、同年5月30日に韓国で公開される[4][17]

ネオン英語版アメリカン・フィルム・マーケット英語版で、本作の北米配給権を獲得した[25][26]。本作の配給権はドイツ語圏 (コーク・フィルムズ)、フランス語圏 (ジョーカー・フィルムズ)、日本 (ビターズ・エンド)にも売られた[27]

中国青海省での上映中止編集

本作は2019年7月28日、中国青海省の省都・西寧市で開催された「西寧ファースト青年映画祭」の閉幕式で上映される予定であったが、7月27日午後に突如「技術的な理由」による上映中止となった[28]。本作の内容が中国当局の検閲で問題視された可能性が高いと見られる[29]

評価編集

本作は批評家から絶賛されている。Rotten Tomatoesでは350個の批評家レビューのうち99%が支持評価を下し、平均評価は10点中9.4点となった。サイトの批評家の見解は「『Parasite』はタイムリーな社会的テーマを多層的かつ見事に描いているが、ポン・ジュノ監督の作家性が強く刻印されている。」となっている[30]MetacriticのMetascoreは51個の批評家レビューに基づき、加重平均値は100点中96点となった。サイトは本作の評価を「世界的な絶賛」と示している[31]

ロサンゼルス・タイムズジャスティン・チャン英語版は『緊張感と驚き、そして、富裕層と貧困層の階級に対する怒りが込められているという点で、ジョーダン・ピールの『アス』と通じるところがある。」と評した[32]

ニューヨーク (雑誌)ビルゲ・エビリ英語版は『あなたはこの作品が一つのジャンルに収まることを望みますが、ジャンルは絶えず変わり続ける。まるで、本物の寄生虫が寄生相手を絶えず変えるように。 - 見終わった後も魅惑的なラスト・イメージが頭から離れない支配的な傑作になっている。』と評した[33]

ドナルド・トランプ大統領は韓国映画である本作がアカデミー作品賞を受賞したことを批判し、「『風と共に去りぬ』や『サンセット大通り』など他にグレートな映画がある」と文句をつけた[34]。これに対してアメリカの配給のNEONは「わかります、字幕が読めないんですね」とTwitterでツイートした[34]

受賞編集

前述の通り、本作は第72回カンヌ国際映画祭で最高賞のパルム・ドールを受賞した。審査員長のアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥは「まったく先が読めない映画」「本作は様々なジャンルがミックスされており、切迫した事柄をユーモラスに描けている」と評し、他の審査員も本作を絶賛し、満場一致での受賞だったと明かした[35]

日付 部門 対象 結果 出典
AACTA賞 2019年12月4日 アジア作品賞 『パラサイト 半地下の家族』 受賞 [36]
AACTA国際賞 2020年1月3日 作品賞 『パラサイト 半地下の家族』 受賞 [37]
監督賞 ポン・ジュノ ノミネート
助演男優賞 ソン・ガンホ ノミネート
脚本賞 ポン・ジュノ、ハン・ジンウォン ノミネート
青龍映画賞 2019年11月21日 作品賞 『パラサイト 半地下の家族』 受賞 [38]
監督賞 ポン・ジュノ 受賞
主演男優賞 ソン・ガンホ ノミネート
主演女優賞 チョ・ヨジョン 受賞
助演男優賞 パク・ミョンホン朝鮮語版 ノミネート
助演女優賞 イ・ジョンウン英語版 受賞
パク・ソダム ノミネート
脚本賞 ポン・ジュノ、ハン・ジンウォン ノミネート
撮影・照明賞 ホン・ギョンピョ、キム・チャンホウ ノミネート
編集賞 ヤン・ジンモ ノミネート
作曲賞 チョン・ジェイル ノミネート
美術賞 イ・ハジュン 受賞
英国アカデミー賞 2020年2月2日 作品賞 『パラサイト 半地下の家族』 ノミネート [39]
監督賞 ポン・ジュノ ノミネート
脚本賞 ポン・ジュノ、ハン・ジンウォン 受賞
非英語作品賞 『パラサイト 半地下の家族』 受賞
カンヌ国際映画祭 2019年5月21日 パルム・ドール ポン・ジュノ 受賞 [40][41]
放送映画批評家協会賞 2020年1月12日 作品賞 『パラサイト 半地下の家族』 ノミネート [42]
監督賞 ポン・ジュノ 受賞
脚本賞 ポン・ジュノ、ハン・ジンウォン ノミネート
アンサンブル演技賞 『パラサイト 半地下の家族』 ノミネート
美術賞 イ・ハジュン ノミネート
編集賞 ヤン・ジンモ ノミネート
外国語映画賞 『パラサイト 半地下の家族』 受賞
春史大賞映画祭 2019年7月18日 監督賞 ポン・ジュノ 受賞 [43][44]
主演男優賞 チェ・ウシク ノミネート
ソン・ガンホ ノミネート
主演女優賞 チョ・ヨジョン 受賞
助演男優賞 パク・ミョンホン ノミネート
助演女優賞 イ・ジョンウン 受賞
脚本賞 ポン・ジュノ、ハン・ジンウォン 受賞
ゴールデングローブ賞 2020年1月5日 監督賞 ポン・ジュノ ノミネート [45]
脚本賞 ポン・ジュノ、ハン・ジンウォン ノミネート
外国語映画賞 『パラサイト 半地下の家族』 受賞
ハリウッド映画賞 2019年11月3日 フィルムメイカー賞 ポン・ジュノ 受賞 [46]
インディペンデント・スピリット賞 2020年2月8日 外国語映画賞 『パラサイト 半地下の家族』 未決定 [47]
ロサンゼルス映画批評家協会賞 2020年1月11日 作品賞 『パラサイト 半地下の家族』 受賞 [48]
監督賞 ポン・ジュノ 受賞
助演男優賞 ソン・ガンホ 受賞
脚本賞 ポン・ジュノ、ハン・ジンウォン 次点
美術賞 イ・ハジュン 次点
ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞 2019年12月3日 外国語映画賞 『パラサイト 半地下の家族』 受賞 [49]
全米映画批評家協会賞 2020年1月4日 作品賞 『パラサイト 半地下の家族』 受賞 [50]
監督賞 ポン・ジュノ 次点2位
助演男優賞 ソン・ガンホ 次点3位[注釈 1]
脚本賞 ポン・ジュノ、ハン・ジンウォン 受賞
ニューヨーク映画批評家協会賞 2020年1月7日 外国語映画賞 『パラサイト 半地下の家族』 受賞 [51]
全米映画俳優組合賞 2020年1月19日 キャスト賞 チョ・ヨジョン、チェ・ウシク、チャン・ヘジン
チョン・ヒョンジュン、チョン・ジソ、イ・ジョンウン、
イ・ソンギュン、パク・ミュンホン、パク・ソダム、ソン・ガンホ
受賞 [52]
シドニー映画祭英語版 2019年6月5日 - 16日 作品賞 『パラサイト 半地下の家族』 受賞 [53][54]
トロント国際映画祭 2019年9月15日 観客賞 『パラサイト 半地下の家族』 次点3位 [55]

その他編集

この『パラサイト 半地下の家族』を観賞した観客らから、インド映画『MINSARA KANNNA(ミンサラ・カンナ)』(Minsara Kanna)に似ているという指摘があがっていると報じられた[56]

『MINSARA KANNNA』の制作会社は、『パラサイト 半地下の家族』が『MINSARA KANNNA』から内容を盗作した可能性があるとしている[56]

非英語圏の作品賞受賞に日本映画の作品賞の可能性の声が増えたが、映画評論家の有村昆は「日本映画は国内で人口1億3000人の市場が有り国内で利益が出せる。韓国映画は国内人口だけでは5000万人だけなので利益が出せず、海外市場へ出ていく」と言う。韓国映画界に詳しい深田晃司監督は「映画製作だけでなく、配給宣伝にも助成金を支給するなど、韓国には海外での興行を見据えた手厚いサポートがある。そこが内向きな日本映画界との違いであり、韓国映画の粘り強さにつながっている」とみている[57]

登場人物が作る料理は日本語字幕では「ジャージャー麺」と訳されたが、実際は2種類のインスタント麺を合わせた料理「チャパグリ」として描かれている[58]。「チャパグリ」とは、農心が発売するチャパゲティ朝鮮語版(ジャージャー麺)とノグリ(旨辛ラーメン)の合成語である[58]

ジェシカソング(「独島は我が領土」替え歌)問題編集

公開後、劇中で登場人物(ジェシカ)が口ずさむ歌、通称「ジェシカソング」が「独島は我が領土」という韓国の歌謡曲の替え歌であることが判明し、物議を醸した。この元となった歌謡曲は日本が領有権を主張するものの韓国によって実効支配されている竹島(韓国名独島)の領有を歌った歌であり、韓国で有名な反日的な歌である。韓国メディアでは物議を醸すような歌が使われたことがいち早く指摘され、「反日表現で気分が良くない」といった意見もあると報じられた[59]。 このジェシカソングについては、2020年2月20日に行われた文在寅大統領主催の昼食会の場で取り上げられたことで、日本でも報じられるようになった。記者団の前で文大統領が「ジェシカソングは、そのメロディーや歌詞は誰が決めたのですか?」と尋ね、ジェシカ役のパク・ソダムが「監督が」と伝えると、ポン・ジュノ監督は「日本の観客もそれを歌うそうです」と発言して一同を爆笑させた。FNN.jpプライムオンラインは「日本の観客を嘲笑もしくは揶揄していると取られかねない」と批判的に報じた[60]。また、文春オンラインもこの昼食会でのやり取りについて「日本側の不快感を招いた」と批判的に報じている[61]

脚注編集

[脚注の使い方]

注釈編集

出典編集

  1. ^ BONG Joon-ho’s PARASITE Claims Early Sales” (英語). Korean Film Biz Zone. 2019年2月3日閲覧。
  2. ^ a b ポン・ジュノ『パラサイト』が東京&大阪の2劇場で先行上映” (2019年8月7日). 2020年1月12日閲覧。
  3. ^ a b “カンヌ最高賞”ソン・ガンホ主演映画「パラサイト 半地下の家族」来年1月に日本公開決定”. Kstyle (2019年8月7日). 2019年8月7日閲覧。
  4. ^ a b 기생충”. Naver Movie. 2019年4月8日閲覧。
  5. ^ 황금종려상 받은 ‘기생충’ 제작비 135억원 든 이유…봉준호 “비정상의 정상화””. The Kyunghyang Shinmun (2019年5月26日). 2019年9月19日閲覧。
  6. ^ Cannes 2019: the winner of the Palme d'Or to be announced – live”. The Guardian. 2019年5月25日閲覧。
  7. ^ Oscars: 'Parasite' Makes History as First Foreign-Language Film to Win Best Picture”. The Hollywood Reporter. 2020年2月10日閲覧。
  8. ^ “カンヌ最高賞”ソン・ガンホ主演映画「パラサイト 半地下の家族」公開53日で観客動員数1千万人を突破!”. Kstyle (2019年7月22日). 2019年7月22日閲覧。
  9. ^ 「パラサイト 半地下の家族」がアメリカでドラマ化”. 映画.com (2020年1月13日). 2020年2月14日閲覧。
  10. ^ 박서준 측 “봉준호 ‘기생충’ 특별출연” 2019년 스크린 열일(공식입장)” (朝鮮語). entertain.naver.com. 2019年2月3日閲覧。
  11. ^ a b c “Making of 'Parasite': How Bong Joon Ho's Real Life Inspired a Plot-Twisty Tale of Rich vs. Poor”. THE Hollywood RERORTER. (2019年9月8日). https://www.hollywoodreporter.com/features/making-parasite-how-bong-joon-hos-real-life-inspired-a-plot-twisty-tale-rich-poor-1252015 2020年1月18日閲覧。 
  12. ^ “블랙리스트 떠돌던 그 시절…영화 '기생충' 구상 꿈틀”. JTBC. (2019年5月28日). http://news.jtbc.joins.com/article/article.aspx?news_id=NB11825016 2020年1月24日閲覧。 
  13. ^ “ソン・ガンホ、ポン・ジュノ監督の新作「パラサイト 半地下の家族」に出演確定…4年ぶりのタッグ”. Kstyle. (2017年4月3日). https://news.kstyle.com/article.ksn?articleNo=2067038 2020年2月22日閲覧。 
  14. ^ “チョ・ヨジョン&イ・ソンギュン&パク・ソダムら、ポン・ジュノ監督の新作映画「パラサイト 半地下の家族」に出演決定”. Kstyle. (2018年1月23日). https://news.kstyle.com/article.ksn?articleNo=2086258 2020年2月20日閲覧。 
  15. ^ Bong Joon-ho’s ‘Parasite’ Starts Shooting (EXCLUSIVE)” (英語). Variety (2018年5月30日). 2019年2月3日閲覧。
  16. ^ BONG Joon-ho’s PARASITE Enters Production” (英語). Korean Film Biz Zone. 2019年2月3日閲覧。
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関連項目編集

外部リンク編集