パーシテアー古希: Πασιθέα, Pāsitheā, ラテン語: Pasithee)は、ギリシア神話に登場すると優雅を司る女神カリスたち(カリテス)の1柱である。その名は「万物の女神」の意。ラテン語ではパーシテエー長母音を省略してパシテアパシテエとも表記される。

ヘーラーの娘で、夫はヒュプノス[1]

パーシテアーはホメーロスの『イーリアス』やスミュルナのコイントスの『トロイア戦記』など、トロイア戦争を歌う叙事詩に登場する。『イーリアス』によるとヘーラーはヒュプノスに頼んでゼウスを眠らせ、その返礼に妙齢のカリスであるパーシテアーを与えると約束したとされる[2]。『トロイア戦記』によると、ヒュプノスはパーシテアーと結婚したため、ヘーラーの娘婿になったとされる[1]

ヘーシオドスの挙げるアグライアーエウプロシュネータレイアの「三美神」には含まれないが[3]、一部にはパーシテアー、カレー、エウプロシュネーの3柱を「三美神」とする説もある。またノンノスの『ディオニュソス譚』ではディオニューソスアプロディーテーの3人娘の1人であり、パーシテアー、ペイトー、アグライアーという「三美神」で構成されている[4]

脚注編集

  1. ^ a b スミュルナのコイントス、5巻。
  2. ^ 『イーリアス』14巻。
  3. ^ ヘーシオドス『神統記』909行。
  4. ^ ノンノス『ディオニュソス譚』24巻261。

参考文献編集