パーンドゥ: पाण्‍डु、IAST:Pāndu)は、インド叙事詩マハーバーラタ』の登場人物。ヴィチトラヴィーリヤの寡婦アンバーリカーと聖仙ヴィヤーサの子。異母兄弟にドリタラーシュトラとヴィドゥラがいる。クンティーとの間にユディシュティラビーマアルジュナを、マードリーとの間にナクラサハデーヴァをもうけた。

パーンドゥ
Raja Pandu and Matakunti LACMA M.69.13.6.jpg
パーンドゥと妻クンティー
詳細情報
家族ヴィチトラヴィーリヤヴィヤーサ
アンバーリカー
兄弟ドリタラーシュトラ、ヴィドゥラ
配偶者 クンティーマードリー
子供 ユディシュティラビーマアルジュナナクラサハデーヴァ
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パーンドゥは「青白い」の意味である[1][2]。兄ドリタラーシュトラが盲目であったため、パーンドゥが代わりに王位を継いだが、後に世俗を捨て森に隠遁したため兄ドリタラーシュトラが王となった。

人生編集

クルの王家が王位継承者不在の危機に瀕したとき、シャンタヌ王の妃サティヤヴァティーはかつてパラーシャラ英語版仙との間に生んだヴィヤーサを呼んで、彼女の亡き王子ヴィチトラヴィーリヤの2人の寡婦アンビカーとアンバーリカーとの間に子をもうけてくれるように頼んだ。苦行に明け暮れていた彼は見るに堪えない姿だったので、アンビカーは彼が近づくと思わず目を閉じてしまった。その結果、盲目のドリタラーシュトラが生まれた。アンバーリカーはヴィヤーサを見て真っ青になったので、蒼白のパーンドゥが生まれた。

パーンドゥは盲目の兄に代わって王となり、クンティーとマードリーを妃とした。しかしパーンドゥは狩の最中に交合する鹿に出会い、これを射殺したことがあった。この鹿は隠者(ムニ)のキンダマ英語版が化けた姿であり、彼は死の間際、パーンドゥに「女性と交わろうとすると死ぬ」という呪いをかけた。パーンドゥは隠者を殺してしまったことを後悔し、出家して、苦行して暮らすことを決意し、2人の妃もそれに従った。

パーンドゥは天界に渡ろうと考えて、シャタシュリンガ山を訪れ、この地で多くの聖仙とともに苦行を積んだ。しかし子供のない者は天界に渡れないため、過去の呪いがパーンドゥを悩ませた。パーンドゥはクンティーに、自分の母のように聖仙との間に子をもうけて欲しいと頼んだ。さいわい、クンティーは神々を呼び出して子を授かるという特権を得ていたので、パーンドゥは彼女に頼んで神々の子を産んでもらった。クンティーは正義と法の神ダルマ、風神ヴァーユ、雷神インドラを呼び出し、ユディシュティラ、ビーマ、アルジュナを産んだ。パーンドゥはさらに子を望んだがクンティーに拒否された。しかしパーンドゥはマードリーから自分も子供が欲しいと相談されたので、パーンドゥはマードリーのためにも神々を呼んで欲しいと頼んだ。クンティーは1度に限定したので、マードリーは天界の双生児であるアシュヴィン双神を呼んでもらい、双神との間にナクラ、サハデーヴァを産んだ。

パーンドゥは5人の子供を得て幸福に暮らした。しかしある日、パーンドゥはマードリーと散歩するうちに、薄着姿のマードリーに欲情して抱きしめてしまい、呪いによって死んだ。マードリーはサティーの慣習によってパーンドゥとともに逝った。長男のユディシュティラは幼かったため、王位はドリタラーシュトラに移り、彼は老境に至って王権を弟の子に返した。

脚注編集

  1. ^ 山際素男『マハーバーラタ』1巻
  2. ^ 上村勝彦『マハーバーラタ』1巻 p374

関連項目編集