ヒドロキシルラジカル
ヒドロキシルラジカル (hydroxyl radical) はヒドロキシ基(水酸基)に対応するラジカルである。•OH と表される。いわゆる活性酸素と呼ばれる分子種のなかでは最も反応性が高く、最も酸化力が強い。糖質やタンパク質や脂質などあらゆる物質と反応する。しかし、その反応性の高さゆえ通常の環境下では長時間存在することはできず、生成後速やかに消滅する。
ヒドロキシルラジカル | |
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Hydroxyl radical | |
Oxidanyl | |
別称 Hydroxy Hydroxyl | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 3352-57-6 ![]() |
PubChem | 157350 6914119 ((2H)hydroxy) |
ChemSpider | 138477 ![]() 5290083 ((2H)hydroxy) ![]() |
KEGG | C16844 |
ChEBI | |
Gmelin参照 | 105 |
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特性 | |
化学式 | HO |
モル質量 | 17.01 g mol−1 |
精密質量 | 17.002739654 g mol-1 |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
過酸化水素への紫外線の照射や、酸性条件で過酸化水素と二価の鉄化合物を触媒的に反応させる方法(フェントン反応)によって生成される。
ミトコンドリア内部や細胞内においてフェントン反応によって生成するヒドロキシルラジカルは、ミトコンドリア機能障害、細胞障害を誘発し、癌、パーキンソン病、認知症等の難病の原因物質として知られるが、分子状水素は細胞内だけでなく、ミトコンドリア内部にまで容易に透過して、ミトコンドリア内部で発生するヒドロキシルラジカルを水分子に変換し、難病を予防、改善させることができる[1][2]。
OHラジカルは、パナソニック、ダイキン、シャープなど数社が各種空気清浄機などにおいて有害物質除去に働いていると主張している。[3][4][5]
•OH捕捉剤編集
脚注編集
- ^ Hirano. “A “philosophical molecule,” hydrogen may overcome senescence and intractable diseases”. www.medgasres.com. 2020年6月8日閲覧。
- ^ Yanagihara, Tomoyuki; Arai, Kazuyoshi; Miyamae, Kazuhiro; Sato, Bunpei; Shudo, Tatsuya; Yamada, Masaharu; Aoyama, Masahide (2005-01). “Electrolyzed Hydrogen-Saturated Water for Drinking Use Elicits an Antioxidative Effect: A Feeding Test with Rats” (英語). Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry 69 (10): 1985–1987. doi:10.1271/bbb.69.1985. ISSN 0916-8451 .
- ^ 「ナノイー」の特長 | ナノイー | Panasonic, パナソニック, オリジナルの2016-11-17時点におけるアーカイブ。
- ^ 有害物質分解のメカニズム | ストリーマ技術 | ダイキン工業株式会社, ダイキン, オリジナルの2016-02-20時点におけるアーカイブ。
- ^ “プラズマクラスターの仕組み | プラズマクラスター | 法人のお客様へ(BtoB):シャープ”. シャープ. 2017年11月1日閲覧。
- ^ 大阪武雄、日本化学会『活性酸素』丸善、1999年、p.27。ISBN 4-621-04634-9。
- ^ M, Dole (1975年10月10日). “Hyperbaric Hydrogen Therapy: A Possible Treatment for Cancer” (英語). Science (New York, N.Y.). 2020年6月8日閲覧。