ヒメアマガエル(姫雨蛙、Microhyla okinavensis)は、ヒメアマガエル科ヒメアマガエル属に分類されるカエル

ヒメアマガエル
ヒメアマガエル
ヒメアマガエル Microhyla okinavensis
保全状況評価
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 両生綱 Amphibia
: 無尾目 Anura
亜目 : Neobatrachia
: ヒメアマガエル科 Microhylidae
: ヒメアマガエル属 Microhyla
: ヒメアマガエル M. okinavensis
学名
Microhyla okinavensis
Stejneger, 1901
和名
ヒメアマガエル

分布 編集

日本固有種で、奄美諸島喜界島奄美大島加計呂間島請島与路島徳之島沖永良部島与論島)、沖縄諸島伊平屋島具志川島伊是名島古宇利島家島瀬底島屋我地島伊計島宮城島[要曖昧さ回避]平安座島浜比嘉島津堅島久高島沖縄島渡嘉敷島座間味島阿嘉島慶留間島粟国島渡名喜島久米島)、先島諸島宮古島伊良部島)に分布する[1]

トカラ列島諏訪之瀬島)、多良間島、先島諸島(黒島)に外来種として移入分布する[1]

形態 編集

体長2.2-3.2cm。体形は扁平で、胴体は幅広いのに頭部は小型で、独特の体型をしている。全身はほぼ褐色で、背面中央に濃い褐色の斑紋がある。前足は小さく、後肢はよく発達し、跳躍力も強い。脚の水かきはあまり発達しない。

分類 編集

以前はM. ornataシノニムとされていたが、2005年に独立種として分割された。また、以前はジムグリガエル科とされていた。

八重山列島石垣島竹富島小浜島西表島波照間島)の個体群は、従来ヒメアマガエルとされていたが、2020年にヤエヤマヒメアマガエル(八重山姫雨蛙、Buergeria choui)として新種記載された[2][3]

生態 編集

低地から山地にかけての森林草原などに生息する。夜行性

食性は動物食で、主にアリを食べる。

繁殖形態は卵生。周年繁殖(主に3-7月)し、1回に270-1200個の水面に浮かぶ卵を産む。浅い水であればほとんど何でもよく、バケツのたまり水や道路の水たまりにまで見られることがある。

幼生オタマジャクシ)は独特で、体は腹背にやや扁平で、目は左右両端にある。胴体は透明で、内臓が透けて見える。他のオタマジャクシは水底にいて、大きく尾を動かして泳ぐのに対して、ほとんど中層にあって、細かく尾先を動かしておよぐ。

脚注 編集

  1. ^ a b ヒメアマガエル”. 侵入生物データベース. 国立環境研究所. 2022年5月29日閲覧。
  2. ^ “八重山のカエル2種の記載”. 琉球大学 富永篤研究室. (2020年8月30日). オリジナルの2022年5月29日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20220529020120/http://www.cc.u-ryukyu.ac.jp/~tominaga/posts/post15.html 
  3. ^ “八重山 カエル2種が新種と判明 独自の形成過程示す ヤエヤマヒメアマガエル ヤエヤマカジカガエル”. 八重山毎日新聞. (2020年9月5日). オリジナルの2020年9月22日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20200922065137/http://kyodoshi.com/article/7501 

参考文献 編集

  • 千石正一監修 長坂拓也編著 『爬虫類・両生類800種図鑑 第3版』、ピーシーズ、2002年、309頁。
  • 『小学館の図鑑NEO 両生類はちゅう類』、小学館2004年、54頁。

関連項目 編集

外部リンク 編集