メインメニューを開く

ヒメジ(比売知、学名Upeneus japonicus)は、スズキ目ヒメジ科に分類される海水魚の一種。東アジア沿岸の浅い海に生息する海水魚で、日本では食用に漁獲される。

ヒメジ
Upeneus japonicus by OpenCage.jpg
ヒメジ U. japonicus
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: スズキ目 Perciformes
亜目 : スズキ亜目 Percoidei
: ヒメジ科 Mullidae
: ヒメジ属 Upeneus
Cuvier,1829
: ヒメジ U. japonicus
学名
Upeneus japonicus
(Houttuyn, 1782)
シノニム

Upeneus bensasi
(Temminck et Schlegel,1843)

和名
ヒメジ(比売知)
英名
Bensasi goatfish

目次

特徴編集

成魚は全長20cmほど。体は前後に細長く、側扁する。体は淡赤色だが、濃色の横帯や斑が出ることもある。特に休息時や夜は昼間と色彩が異なる。尾鰭の上半分に2-4本の赤帯があり、二つの背鰭にも3-4本の赤い縦帯がある。下顎の下面には黄色の「あごひげ」が2本ある。口には細かい歯があるが、顎だけでなく前鋤骨と口蓋骨にもある。

日本の北海道南部以南、大陸側は沿海地方キエフカロシア語版以南、朝鮮半島台湾にかけての暖海域に分布し、水深数m-100mほどの、礫や貝殻が混じった底に生息する。

海底からはほとんど離れず、あごひげで砂底を探りながら泳ぐ。このあごひげは感覚器になっていて、砂の中に潜む小動物を探し当てることができる。主に端脚類エビなどの小型甲殻類を捕食する。

産卵期は夏で、全長数cmほどの稚魚は夏から秋にかけて海水浴場に出現することもある。冬は深場に移る。

別名編集

「オキノジョロウ」(富山県)、「オキノジョウ」(新潟県)、「ヒメ」(東京都広島県)、「アカイオ」(福井県三重県)、「アカムツ」(三重県)、「ヒメイチ」(関西中国地方四国)、「ハナジャコ」「ヒメジャコ」(和歌山県)、「イトヨリ」「キンタロウ」(岡山県山口県北部)、「ベニサシ」「ベンサシ」(山口県-九州北部)、「キシノメンドリ」(鹿児島県)、「カタカシ」「ジンバー」(沖縄県)など。

小型魚だが外見が色鮮やかで、食用にもなることから日本各地でよく知られ、赤い体色などから呼ばれる様々な地方名がある。標準和名「ヒメジ」は、神奈川県三崎国府津での呼び名に因む。

学名はシーボルトらの『日本動物誌』によって Mullus bensasi が記載され、属が変わった Upeneus bensasi が以後長く用いられた。しかしランドールら(1993年)によって、それ以前に記載されていた U. japonicus(記載当初はM. japonicus)が正しいとの見解が示された。なお種小名"bensasi"はシーボルトの赴任先である長崎での地方名「ベンサシ」に因んでいる。

利用編集

小骨が多いため市場にはあまり流通しないが、日本産ヒメジ類ではまとまった漁獲がある唯一の種類である。主に底引き網で漁獲されるが、シロギスマハゼなどを狙った沿岸の釣りで漁獲されることもある。

動物性の餌を食べているため、身は脂肪分の少ない白身でありながら食味は濃い。とされている。唐揚げ南蛮漬け塩焼き煮付けなどで食べられる。また、高級な魚肉練り製品の原料としても用いられる。

「金太郎」と呼び食べる習慣がある山口県萩市では、道の駅萩しーまーとの発案で観光客誘致などに活用している。道の駅や飲食店で刺身寿司、塩焼きなどを提供しているほか、後述のルージェ(ルージュ)というオイル漬けを地元で生産している[1]

フランス料理ではルージェ(fr:Rouget)と呼ばれ、魚料理の代表的な食材とされる[2]

参考文献編集

脚注・出典編集

外部リンク編集