ビレリ・ラグレーンフランス語: Biréli Lagrène1966年9月4日 - )は、フランス人ギタリストまたはベーシストである。1980年代に ジャンゴ・ラインハルトの影響を受けたギター・スタイルで、ジャズフュージョンの世界でも エレクトリック・ギターの名手として有名になった。スウィングだけでなく、それらをジャズやフュージョン、そしてポスト・バップとを融合させる媒体としても、活躍している。

ビレリ・ラグレーン
Biréli Lagrène
ビレリ・ラグレーン(2006年)
基本情報
生誕 (1966-09-04) 1966年9月4日(57歳)
出身地 フランスの旗 フランス アルザス地方
バ=ラン県スフレンアイム
ジャンル ジプシー・ジャズスウィングフュージョンポスト・バップジャズ・ロック
職業 ミュージシャンギタリスト作曲家
担当楽器 ギターベースギターヴァイオリンボーカル
活動期間 1978年 -
共同作業者 ラリー・コリエルジャコ・パストリアスミロスラフ・ヴィトウスジョン・マクラフリン
公式サイト birelilagrene.com
著名使用楽器
フェンダー・ストラトキャスター
ギブソン・ES-175 等
ヤマハ・PACIFICA 等
オベーション・アマダス 等

生い立ち 編集

ビレリ・ラグレーンは、1966年9月4日にフランスアルザス地方バ=ラン県スフレンアイムの、伝統的なマヌーシュ-ロマ (ジプシー) の家族に生を受ける。彼は4歳からギターを弾き始める。「愛情のこもった、しかしとても厳格なツィガーヌとしての環境で育った」と述べている。彼の父親、Fisso (非常に才能に恵まれたヴァイオリニストだった)、母親の Berga、そして兄の Gaiti の影響を受ける。8歳の時に、ジャンゴ・ラインハルトのレパートリーをカバーして、その頃すでに彼の親戚には神童と呼ばれていた。ストラスブールで行われたロマの音楽祭で優勝し、12歳になるとドイツへの遠征の機会にも恵まれ、後にアルバム『ジャンゴへの道』としてまとめられることとなる。

アメリカからオファーが来るようになり、ステファン・グラッペリベニー・グッドマンベニー・カーターといった世界的に活躍するジャズ・ミュージシャンと演奏する機会を得る。1984年にはニューヨークでラリー・コリエルと出会う。後に彼からジャコ・パストリアスを紹介され、フュージョンの世界へと脚を踏み出す事となる。ジャコとは一緒にヨーロッパ・ツアーなどを行い、彼の音楽的な開放への多大な影響を与えられることとなった。ラグレーンはこのツアーで、ギタリストアル・ディ・メオラとの共演も果たしている。

2000年代に入ると、さらに自分のルーツとも言える伝統的なジプシー・ジャズを追求すべく、『ジプシー・プロジェクト』や『ジプシー・プロジェクト&フレンズ』といったアルバムをリリースする。メンバーは、Diego Imbert(ダブルベース)、Hono Winterstein(リズムギター)といったいつもの顔ぶれの他に、アンリ・サルヴァドールトマ・デュトロンなどが参加している。

ディスコグラフィ 編集

リーダー・アルバム 編集

  • 『ジャンゴへの道』 - Routes to Django (1980年、Antilles)
  • 『スウィング'81』 - Swing '81 (1981年、Jazzpoint Records)
  • Fifteen (1982年、Antilles)
  • Down in Town (1983年、Antilles)
  • Django's Music Vol. 1 (1985年、Stash) ※with マイク・ピータース、ボブ・ウィルバー
  • 『シュトゥットガルト・アリア』 - Stuttgart Aria (1986年、Jazzpoint) ※with ジャコ・パストリアス、ヴラディスラフ・センデツキ
  • Bireli Lagrene and Special Guests (1986年、Jazzpoint) ※with ラリー・コリエルミロスラフ・ヴィトウス
  • 『インフェルノ』 - Inferno (1987年、Blue Note)
  • Foreign Affairs (1988年、Blue Note)
  • 『ジプシーの伝説』 - Acoustic Moments (1990年、Blue Note)
  • 『枯葉〜スタンダーズ・ライヴ』 - Standards (1992年、Blue Note)
  • Live at the Carnegie Hall (1993年、Jazz Point)
  • Live in Marciac (1994年、Dreyfus)
  • 『ジャンゴ・ラインハルトに捧ぐ』 - My Favorite Django (1995年、Dreyfus)
  • 『ブルー・アイズ〜シングス・フランク・シナトラ』 - Blue Eyes (1998年、Dreyfus)
  • 『デュエット〜タイム・アフター・タイム』 - Duet (1999年、Dreyfus) ※with シルヴァン・リュック
  • Front Page (2001年) ※with ドミニク・ディ・ピアッツァデニス・チェンバース
  • 『ジプシー・プロジェクト』 - Gypsy Project (2001年、Dreyfus)
  • 『ジプシー・プロジェクト&フレンズ』 - Gypsy Project & Friends (2002年、Dreyfus)
  • 『ムーヴ』 - Move (2004年、Dreyfus)
  • To Bi or Not to Bi (2006年、Dreyfus)
  • Djangology (2006年、Dreyfus) ※with WDRビッグ・バンド
  • Just The Way You Are (2007年、Dreyfus)
  • Electric Side (2008年、Dreyfus)
  • Live At The Festival (2008年、Le Chant Du Monde)
  • Gipsy Trio (2009年、Dreyfus)
  • Summertime (2009年、Dreyfus) ※with シルヴァン・リュック
  • Mouvements (2012年、Universal)
  • 『D-ストリングス』 - D-Stringz (2015年、Impulse!) ※with スタンリー・クラークジャン=リュック・ポンティ
  • Storyteller (2018年、Naive)

映像作品 編集

  • 『ライヴ・アット・モントルー 1989』 - Super Guitar Trio - Live at Montreux (1989年) ※with アル・ディ・メオラ、ラリー・コリエル[1][2]
  • Bireli Lagrene & Friends:Live Jazz a Vienne (2004年、Dreyfus)[3]
  • Django: A Jazz Tribute (2005年)
  • Bireli Lagrene & Gypsy Project Live in Paris (2005年)
  • Live in Paris (2006年、Dreyfus)[3]
  • Monaco Dreyfus Night (2009年、Dreyfus)[3][4]
  • Biréli Lagrène: Voilà! (2017年)[5]

参考文献 編集

  1. ^ Live at Montreux 1989”. AllAboutJazz. 2021年4月6日閲覧。
  2. ^ Live at Montreux 1989”. JazzTimes. 2021年4月6日閲覧。
  3. ^ a b c AMG
  4. ^ Biréli Lagrène | Album Discography | AllMusic”. AllMusic. 2016年8月7日閲覧。
  5. ^ Media, ALH. “Bireli Lagrene: "Voila!" Guitar Course - Presented By TAGA Publishing” (英語). tagapublishing.com. 2018年2月6日閲覧。

外部リンク 編集