ビートルズのポリドール・セッション

ビートルズのポリドール・セッションは、ビートルズが1961年から1962年にかけて、ドイツ・ポリドールとのレコード契約(直接的にはベルト・ケンプフェルト・プロダクションとの契約)に基づいて行った演奏。9曲(現存する曲は8曲)の録音記録が確認されている。そのうち7曲(現存する曲は6曲)はトニー・シェリダンとの共演で、リード・ヴォーカルはトニー・シェリダン。ポリドールは1965年ごろまで正式に、トニー・シェリダンのバック演奏を行うグループに対しメンバーや本来のグループ名に関わりなく「ビート・ブラザーズ」の名義を与えており、ビートルズもビート・ブラザーズ名義で演奏を行っている。このため、ビートルズと他のビート・ブラザーズの演奏が混同されることがある。

目次

演奏編集

  • 第1回:1961年6月22・23日
場所:フリードリッヒ・エバート・ホール(ハンブルク)
プロデューサー:ベルト・ケンプフェルト
ミュージシャン:トニー・シェリダン、ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、ピート・ベスト
  • 第2回(1):1962年5月24日(バック演奏)
場所:スタジオ・ラールシュテット(ハンブルク)
プロデューサー:ベルト・ケンプフェルト
ミュージシャン:ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、ピート・ベスト、ロイ・ヤング
  • 第2回(2):1962年6月7日(リード・ヴォーカル)
場所:スタジオ・ラールシュテット(ハンブルク)
プロデューサー:ベルト・ケンプフェルト
ミュージシャン:トニー・シェリダン

曲目編集

  • My Bonnie(マイ・ボニー)…リード・ヴォーカル:トニー・シェリダン、バック演奏:ビートルズ
    • バージョンAA(冒頭にドイツ語イントロ)
    • バージョンAB(冒頭に英語イントロ)
    • バージョンA(イントロなし)
  • The Saints(聖者の行進〈ザ・セインツ〉)
    • バージョンA
  • Cry For A Shadow(クライ・フォー・ア・シャドウ)…インストゥルメンタル(ビートルズのみの演奏)
    • バージョンA
  • Why(ホワイ)…リード・ヴォーカル:トニー・シェリダン、バック演奏:ビートルズ
    • バージョンA
  • Nobody's Child(ノーバディーズ・チャイルド)…リード・ヴォーカル:トニー・シェリダン
    • バージョン1A(バック演奏はビートルズ)
    • バージョン1A+(Ver. 1Aを一部カットして短縮)
    • バージョン2A(バック演奏はビートブラザーズ〈ビートルズ不参加〉)
  • Ain't She Sweet(いい娘じゃないか〈エイント・シー・スウィート〉)…リード・ヴォーカル:ジョン・レノン、バック演奏:ビートルズ
    • バージョンA
    • バージョンA+(Ver. Aにドラムをオーバーダビング)
  • Take Out Some Insurance On Me, Baby / If You Love Me, Baby(イフ・ユー・ラヴ・ミー・ベイビー)
    • バージョンA
    • バージョンA+(Ver. Aにエレキギターとドラムをオーバーダビング)
  • Sweet Georgia Brown(麗しのジョージア・ブラウン〈スウィート・ジョージア・ブラウン〉)…リード・ヴォーカル:トニー・シェリダン
    • バージョン1A(バック演奏はビートブラザーズ〈ビートルズ不参加〉)
    • バージョン2A(バック演奏はビートルズ)
    • バージョン2A+(Ver. 2Aに新歌詞でヴォーカルをオーバーダビング)
    • バージョン2A++(Ver. 2A+にエレキギターとドラムをオーバーダビング)
    • バージョン3A(バック演奏はボビー・パトリック・ビッグ・シックス〈ビートルズ不参加〉)
  • Swanee River(スワニー・リヴァー)…リード・ヴォーカル:トニー・シェリダン
    • バージョン1AA(バック演奏はビートブラザーズ〈ビートルズ不参加〉、イントロあり)
    • バージョン1A(バック演奏はビートブラザーズ〈ビートルズ不参加〉、イントロなし)
    • バージョン2AA(バック演奏はビートルズ、イントロあり。録音は現存せず)
    • バージョン2A(バック演奏はビートルズ、イントロなし。録音は現存せず)

主な出来事編集

  • 1961年4月1日 – ビートルズ、ハンブルクのレーパーバーンにあるトップ・テン・クラブに3カ月の契約で出演し、トニー・シェリダンと共演。
  • 1961年5月 – ドイツのロック歌手であるトミー・ケント、トップ・テン・クラブでトニー・シェリダンとビートルズの演奏を聴いて感銘を受け、楽団のリーダーでドイツ・ポリドールのディレクターであるベルト・ケンプフェルトに推薦。
  • 1961年5月 – ベルト・ケンプフェルト、トップ・テン・クラブを訪れてトニー・シェリダンとビートルズの演奏を聴き、レコーディング契約の申し入れを決定。
  • 1961年6月 - トニー・シェリダンとビートルズ、ベルト・ケンプフェルト・プロダクションとのレコーディング契約にサインするために、ハンブルクのケンプフェルト宅を訪問(契約の有効期間は1961年7月1日から1年間)。
  • 1961年6月22・23日 - トニー・シェリダンとビートルズ、初レコーディング。
My Bonnie(Ver. A, AA, AB)、The Saints(Ver. A)、Cry For A Shadow(Ver. A)、Why(Ver. A)、Nobody's Child(Ver. 1A)、Ain't She Sweet(Ver. A)、Take Out Some Insurance On Me, Baby(If You Love Me, Baby)(Ver. A)
プロデューサーはベルト・ケンプフェルト
  • 1961年10月23日 - 独ポリドール、SP “My Bonnie / The Saints”(NH-24673)発売。
My Bonnie(Ver. AA)、The Saints(Ver. A)
クレジットは“Tony Sheridan and The Beat Brothers”
  • 1961年12月21日 - トニー・シェリダンとビートブラザーズ(ビートルズではない)、レコーディング。
Sweet Georgia Brown(Ver. 1A)、Swanee River(Ver. 1A)
  • 1962年1月5日 - 英ポリドール、SP “My Bonnie / The Saints”(NH-66833)発売。
My Bonnie(Ver. AB)、The Saints(Ver. A)
クレジットは“Tony Sheridan and The Beatles”
  • 1962年2月 – 独ポリドール、SP “My Bonnie / The Saints”(NH-24673)発売。
My Bonnie(Ver. AB)、The Saints(Ver. A)
クレジットは“Tony Sheridan and The Beat Brothers”
  • 1962年3月 – 独ポリドール、SP “Why / Cry For A Shadow”(NH-24757)の発売を予定したが中止。
  • 1962年4月11日 – 米デッカ、SP “My Bonnie / The Saints”(31382)発売。
My Bonnie(Ver. AB)、The Saints(Ver. A)
クレジットは“Tony Sheridan and The Beat Brothers”
  • 1962年4月 – 独ポリドール、LP “My Bonnie”(LPHM-46612、SLPHM-237112)発売。
My Bonnie(Ver. AB)、The Saints(Ver. A)のほか、ビートルズ不参加のSweet Georgia Brown(Ver. 1A)、Swanee River(Ver. 1AA)など
My BonnieとThe Saintsについては、“accompanied by The Beatles”の表記あり
  • 1962年4月 – 仏ポリドール、EP “Mister Twist”(Polydor 21914)発売。
The Saints(Ver. A)、Cry For A Shadow(Ver. A)、My Bonnie(Ver. AA)、Why(Ver. A)
クレジットは“Tony Sheridan”のみ
  • 1962年4月20日 – 日本グラモフォン、SP “マイ・ボニー・ツイスト / ザ・セインツ”(DP-1254)発売。
My Bonnie(Ver. AA)、The Saints(Ver. A)
クレジットは“トニー・シェリダンと彼のビート・ブラザース”
  • 1962年5月24日 – ビートルズ、バック演奏のレコーディング。
Sweet Georgia Brown(Ver. 2A)、Swanee River(Ver. 2A, 2AA)
プロデューサーはベルト・ケンプフェルト
  • 1962年5月25日 – ベルト・ケンプフェルト・プロダクション、ビートルズとの契約を解除。5月28・29日に予定されていたビートルズ単独のLP(12曲)のためのレコーディングは実現せず。
  • 1962年6月7日 – トニー・シェリダン、ヴォーカルのオーバーダビング。
Sweet Georgia Brown(Ver. 2A)、Swanee River(Ver. 2A, 2AA)
  • 1962年7月 – 独ポリドール、SP “You Are My Sunshine / Swanee River”(NH-24849)発売。
Swanee River(Ver. 1AA)など
クレジットは“Tony Sheridan and The Beat Brothers”
  • 1962年10月5日 – 英パーロフォン、SP “Love Me Do / P.S. I Love You”(45-R 4949)発売。
  • 1962年10月 – 独ポリドール、EP “Ya Ya”(EPH-21485)発売。
Sweet Georgia Brown(Ver. 2A)など
クレジットは“Tony Sheridan and The Beat Brothers”
  • 1962年 – 独ポリドール、SP “Sweet Georgia Brown / Swanee River”(NH-?)の発売を予定するが中止。
Sweet Georgia Brown(Ver. 2A)、Swanee River(Ver. 2AA)
  • 1963年7月 – 独ポリドール、EP “Tony Sheridan With The Beatles”(EPH-21610)発売。
My Bonnie(Ver. AB)、Cry For A Shadow(Ver. A)、The Saints(Ver. A)、Why(Ver. A)
  • 1963年12月 - 独ポリドール、LP “Let's Do The Madison, Twist, Locomotion, Slop, Hully Gully, Monkey”(LPHM-46612、SLPHM-237112)発売。
My Bonnie”(LPHM-46612、SLPHM-237112)と同じ
  • 1964年1月3日 - トニー・シェリダン、Sweet Georgia Brown の新歌詞でヴォーカルのオーバーダビング。
Sweet Georgia Brown(Ver. 2A+)
  • 1964年1月7日 - 米MGM、SP “My Bonnie / The Saints”(K 13213)発売。
My Bonnie(Ver. A)、The Saints(Ver. A)
  • 1964年2月 - 独ポリドール、LP “Let's Do The Twist, Hully Gully, Slop, Surf, Locomotion, Monkey”(LPHM-46422、SLPHM-237622)発売。
The Saints(Ver. A)、Why(Ver. A)、Cry For A Shadow(Ver. A)、My Bonnie(Ver. A)など
  • 1964年3月 - 独ポリドール、SP “My Bonnie / The Saints”(NH-52273)発売。
My Bonnie(Ver. A)、The Saints(Ver. A)
クレジットは“The Beatles with Tony Sheridan”
  • 1964年3月 - 独ポリドール、SP “Cry For A Shadow / Why”(NH-52275)発売。
Cry For A Shadow(Ver. A)、Why(Ver. A)
クレジットは“The Beatles with Tony Sheridan”
  • 1964年4月 - 独ポリドール、SP “Ain't She Sweet / If You Love Me, Baby”(NH-52317)発売。
Ain't She Sweet(Ver. A)、If You Love Me, Baby(Ver. A)
クレジットは“The Beatles with Tony Sheridan”
  • 1964年4月 - 独ポリドール、SP “Skinny Minny / Sweet Georgia Brown”(NH-52324)発売。
Sweet Georgia Brown(Ver. 2A+)など
クレジットは“The Beatles with Tony Sheridan”
  • 1964年4月 - 独ポリドール、LP “The Beatles' First”(LPHM-46432、SLPHM-237632)発売。
Ain't She Sweet(Ver. A)、Cry For A Shadow(Ver. A)、My Bonnie(Ver. A)、Take Out Some Insurance On Me, Baby(Ver. A)、Sweet Georgia Brown(Ver. 2A+)、The Saints(Ver. A)、Why(Ver. A)、Nobody's Child(Ver. 1A)など
クレジットは“The Beatles Featuring Tony Sheridan & Guests”
  • 1964年4月20日 - 日本グラモフォン、“マイ・ボニー / ザ・セインツ”(DP-1351)発売。
My Bonnie(Ver. AB)、The Saints(Ver. A)
クレジットは“ビートルズ”
  • 1964年6月 - 独ポリドール、SP “Ain't She Sweet / Take Out Some Insurance On Me, Baby”(NH-52317)発売。
Ain't She Sweet / If You Love Me, Baby”(NH-52317)と同じ
クレジットは“The Beatles with Tony Sheridan”
  • 1964年6月1日 - 日本グラモフォン、“ホワイ / クライ・フォー・ア・シャドウ”(DP-1362)発売。
Why(Ver. A)、Cry For A Shadow(Ver. A)
クレジットは“ビートルズ”
  • 1964年7月1日 - 日本グラモフォン、“いい娘じゃないか / イフ・ユー・ラブ・ミー・ベイビー”(DP-1369)発売。
Ain't She Sweet(Ver. A)、If You Love Me, Baby(Ver. A)
クレジットは“ビートルズ”
  • 1965年1月 - 独ポリドール、SP “Sweet Georgia Brown / Nobody's Child”(NH-52906)発売。
Sweet Georgia Brown(Ver. 2A+)、ビートルズ不参加のNobody's Child(Ver. 2A)
クレジットは“The Beatles with Tony Sheridan”

参考文献編集

  • Gottfridsson, H. O. (1997), "The Beatles - From Cavern to Star-Club"
  • Gottfridsson, H. O. (2001), "The Beatles with Tony Sheridan - Beatles Bop - Hamburg Days"
  • インガム, ピーター (1986), 『THE BEATLES 日本盤 DISCOGRAPHY』
  • Krasker, E. (2003), "Les Beatles - Enquête sur un Mythe (1960-1962)"
  • Krasker, E. (2005), "La France et les Beatles I - La Discographie Originale 1962-1970"