ピラルビシン
ピラルビシン(Pirarubicin、THP)はアントラサイクリン系の薬剤の一つであり、抗悪性腫瘍性抗生物質であるドキソルビシンのアナログである。ピラルビシンはDNAの隙間にインターカレートしてトポイソメラーゼIIを阻害し、結果としてDNAの複製や修復、RNAやタンパク質の合成を阻害する。ドキソルビシンよりも心毒性が低く、一部のドキソルビシン耐性細胞株に対して活性を示す[1]。静脈内注射、動脈内注射等で用いられる。
IUPAC命名法による物質名 | |
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臨床データ | |
Drugs.com |
国別販売名(英語) International Drug Names |
法的規制 |
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識別 | |
CAS番号 | 72496-41-4 |
ATCコード | L01DB08 (WHO) |
PubChem | CID: 3033521 |
ChemSpider | 2298189 |
UNII | D58G680W0G |
KEGG | D01885 |
ChEMBL | CHEMBL1398373 |
別名 | (9S)-7-[(2R,4S,5S,6S)-4-amino-6-methyl-5-[(2R)-oxan-2-yl]oxyoxan-2-yl]oxy-6,9,11-trihydroxy-9-(2-hydroxyacetyl)-4-methoxy-8,10-dihydro-7H-tetracene-5,12-dione |
化学的データ | |
化学式 | C32H37NO12 |
分子量 | 627.64 g·mol−1 |
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物理的データ | |
融点 | 188 - 192 °C (370 - 378 °F) (decomposes) |
効能・効果
編集禁忌
編集副作用
編集- 心筋障害(0.1〜5%未満)、心不全(0.1%未満)等
- 骨髄抑制
- 汎血球減少 (0.3%) 、貧血、白血球減少、好中球減少、血小板減少(5%以上)、出血傾向(0.1〜5%未満)等
- ショック(0.1%未満)
- 間質性肺炎(0.1%未満)
- 発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線像異常等
- 萎縮膀胱(0.4%、膀胱内注入療法の場合)
が記載されている。
脚注
編集注釈
編集- ^ ドキソルビシン総投与量体表面積当り500mg/m2、
エピルビシン総投与量体表面積当り900mg/m2、
ピラルビシン総投与量体表面積当り950mg/m2、
イダルビシン総投与量体表面積当り120 mg/m2、
ミトキサントロン総投与量体表面積当り160mg/m2、
ダウノルビシン総投与量体重当り25mg/kg 等 - ^ 累積投与量が限界値を超えると心毒性が発生する危険性が高くなると考えられている為。
出典
編集- ^ “Prospects for pirarubicin”. Medical and Pediatric Oncology 22 (4): 261–8. (1994). doi:10.1002/mpo.2950220410. PMID 8107658.
- ^ a b “テラルビシン注射用10mg/ テラルビシン注射用20mg 添付文書”. www.info.pmda.go.jp. 2022年1月11日閲覧。
- ^ a b “ピノルビン注射用10mg/ピノルビン注射用20mg/ピノルビン注射用30mg 添付文書”. www.info.pmda.go.jp. 2022年1月11日閲覧。