ピーナッツオイル(peanut oil)、ピーナッツ油(ピーナッツあぶら)とは、ピーナッツ(落花生)の種子から圧搾法で抽出後、高温精製される植物油である。不乾性油である。

瓶入りのピーナッツオイル
ピーナッツオイル

主な成分 編集

期待される効果 編集

ピーナッツに多く含まれている不飽和脂肪酸であるオレイン酸は、悪玉コレステロールを減少させる効果がある。

ピーナッツにはレスベラトロールという抗酸化作用があるポリフェノールも含まれ、動脈硬化高血圧の予防や老化を防ぐ効果が期待される。

ピーナッツに含まれる、ビタミンEは高い抗酸化作用をもち、ビタミンEはその生成を防止するため老化を防ぐ効果がある。 血管をきれいにし、血行をよくするのとともに、ホルモンのバランスを整える。冷え症や肌のシミを防ぐなどの効果も期待できる。

危険性 編集

ピーナッツオイルを配合したスキンケア製品を乳幼児に使用すると、ピーナッツアレルギーの発症が約8倍増加すると報告されている[1]。乳児湿疹やアトピー性皮膚炎に伴う皮膚のバリアー傷害がある場合、アレルゲン感作を促進しアレルギーが発症しやすくなる[1]。ピーナッツオイルの乳幼児の皮膚への使用と、従来行われていたアレルギーを防ぐための食事制限[注 1]が組み合わさると、さらに問題は深刻になる。乳幼児期にピーナッツの摂取を制限した上で、ピーナッツオイルを皮膚に使用すると、重いピーナッツアレルギーになる可能性がある[1]

また、酸化しやすいという欠点がある。

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 以前は、乳幼児は母乳や胎盤を介してもアレルゲンに感作されると考えられ、授乳中の母親と乳幼児に対して食事制限が行われたが、これによってアレルギーの発症率はむしろ上昇した。この説は現在では完全に否定され、2008年にイギリスのLackによって、「経皮的に食物アレルゲンに曝露されると感作が成立し、適切な量とタイミングで経口摂取された食物は、むしろ免疫寛容を誘導する」という二重抗原曝露仮説が提唱されている。

出典 編集

  1. ^ a b c 食物アレルギーの研究 兵庫医科大学免疫学・医動物学講座

関連項目 編集