ファンダム

共通の趣味を持つファン達によるサブカルチャー

ファンダム(fandom)は、趣味アニメ漫画小説スポーツなどの分野の熱心なファンたち[1][2]、また熱心なファンによる世界[1]、彼らによって形成された文化である。


概要編集

語源となった英語fandom という言葉は、fan と kingdom のかばん語ではなく、ファンを意味する英語の fan の後ろに dom という接尾辞が付いたことにより成り立っている[要出典]

英語における fandom は人の集団を指す言葉ではなく、ある文化を指す抽象的な言葉である。dom という接尾辞が付いている英単語の例として、freedom (free + dom)、wisdom (wise + dom)、kingdom (king + dom)などがある。freedom、wisdom、kingdomのいずれも、人または人の集団を指す言葉ではない[要説明]

オックスフォード英語辞典』によると fandom という英単語が使用されたことが確認できたもので一番古いものは1903年であり、それはスポーツを興味の対象として熱心に追い求める fandom だった[要出典]。『メリアム=ウェブスター』は第1義「スポーツのファンの集合体」としての初見は1903年としている[3]。第2義は「ファンである状態もしくはファンの態度」と定義する[3]

英語圏において fandom という言葉は、特にサイエンス・フィクションファンタジーなどといったジャンルで使われる事が多い[疑問点]サブカルチャーとしてのファンダムはファンが共通の主題に関心のある他者と共感同志として意識を築く点、対象の微細な特徴にも目を配り、往々にしてSNSへの投稿などに時間と労力を惜しまず注ぐ点などでたんなるファンとの差別化ができる。対象となる関心のエリアは人類の文化のあらゆる側面であり、細分化は特定の著名人(セレブリティ)まで集約するか、ある趣味の領域すべて、対象のジャンル、またはファッション界ほど広くも把握される。

宮風はロシアのSFファンダムについて、ファンジンに視点を据えてまとめた文献を紹介している[注釈 1]

ファンダム間にはしばしば重複が見られる。映画、漫画アニメテレビ番組コスプレなどファンダムの大型イベント(コンベンション)は催事として定着し、個人の作品の発表や交換から、関連商材の取引の場としても成功している。ジャンルを超えたファンダムに向けて開かれる恒例の大型コンベンションは、アメリカ開催のものからサンディエゴの「国際コミコン」Comic Con International、「ワンダーコム」Wondercon、「ドラゴンコム」 Dragon Con、「ニューヨーク・コミコン」New York Comic Conが挙げられる。2000年にシカゴで開かれた「ChiCon」ではSFファンダムが新しい時代を開こうとしている[5]

ファンは自分が選んだファンダムの世界観とキャラクターに基づいたストーリーファン・フィクションも書く[要出典]

ファンダムに係わる負の要素は、執着と不健康または人間関係への悪影響をもたらすほど過剰に熱狂しているファンたちがいること、それぞれ興味のあ るファンダムの世界の中でしか人間関係を築けないファンたちが多いことなどである[要出典]

脚注編集

注釈編集

  1. ^ Халымбаджа И.Г. (Khalymbadzha I.G.)Фантастический самиздат Если. 1998. No.9. 仮題『素晴らしいサミズダート』2007年10月13日時点、[4]

出典編集

  1. ^ a b スーパー大辞林
  2. ^ デジタル大辞泉小学館). “ファンダムとは” (日本語). コトバンク. 株式会社VOYAGE MARKETING. 2021年7月31日閲覧。
  3. ^ a b Definition of FANDOM” (英語). www.merriam-webster.com. 2021年7月31日閲覧。 “Definition of fandom〈改行〉1 : all the fans (as of a sport) 〈改行〉2 : the state or attitude of being a fan”
  4. ^ 宮風 2008, p. 73.
  5. ^ 孝之 2000, p. 201-206 (コマ番号0102.jp2).

参考文献編集

  • 「第58回世界SF大会「ChiCon 2000」レポート」『SFマガジン』第41巻第13号、早川書房、2000年12月、 4-7,8,201-208、 doi:10.11501/4411372全国書誌番号:00000563
    • 孝之「シカゴ・ファンダムの新世紀」201-206頁(コマ番号.jp2)
    • 岡田靖史「最古参の開催地シカゴにて」4-7頁 * 川合康雄「ワールドコンSFアート・レポート」8頁
    • 井上博明「2007年ワールドコン日本招致へ向けて」207-208頁
  • 宮風耕治「1980年代ロシアSFファンダムの構造と変動」『共産圏の日常世界北海道大学スラブ研究センター〈スラブ・ユーラシア研究報告集 (1)〉、2008年、73-95頁。2021年7月31日閲覧。

関連項目編集

関連資料編集

凡例 公開の制限。※1=国立国会図書館/図書館送信参加館内公開。※2=国立国会図書館内公開。

書籍
  • 宮風耕治『ロシア・ファンタスチカ(SF)の旅』東洋書店〈ユーラシア・ブックレット ; no.90〉、2006年。全国書誌番号:21082437ISBN 4-88595-617-X
  • エルナンデス・アルバロ「メキシコの日本アニメファンダム」谷川建司、王向華、須藤遙子、秋菊姫(編著)『コンテンツ化する東アジア : 大衆文化/メディア/アイデンティティ』青弓社、2012年。
  • 「第50章 K-POPアイドルの誕生とファンダム ソテジの革命」石坂浩一福島みのり(編著)『現代韓国を知るための60章』第2版、明石書店〈エリア・スタディーズ ; 6〉、2014年、245頁–。全国書誌番号:22483178ISBN 978-4-7503-4082-1
  • 柴野拓美「日本ファンダムの現況」『柴野拓美SF評論集 : 理性と自走性-黎明より』牧眞司(編)、東京創元社〈KEY LIBRARY〉、2014年。初出は早川書房『SFマガジン』第11巻第2号(1970年2月)、116-121頁。
  • 須川亜紀子「オーディエンス、ファン論〈ファンダム〉」『アニメ研究入門 応用編』現代書館、2018年。全国書誌番号:23141067ISBN 978-4-7684-5840-2。別題『Study of Animation アニメを究める11のコツ』
  • 山村高淑、フィリップ・シートン(Seaton, Philip A. 編著・監訳)『コンテンツツーリズム : メディアを横断するコンテンツと越境するファンダム』北海道大学出版会、2021年。全国書誌番号:23528327ISBN 978-4-8329-6867-7。原題『Contents Tourism and Pop Culture Fandom』(英語)
早川書房『SFマガジン
  • 「てれびっぷ・ファンダム・レポート」第3巻第12号、1962年11月、p10頁(コマ番号0006.jp2)。全国書誌番号:00000563doi:10.11501/4410893※2
  • ロバート・ブロック「異色未来世界譚 人間の道 核戦争で荒廃に帰した地上の復興に立ちあがったのは熱烈なSFファンダムだった!」第8巻第4号、1967年4月、127-143頁(コマ番号0064.jp2)。全国書誌番号:00000563doi:10.11501/4410948※2
  • 準星安田均ほか「ファンダム・スポット」第19巻第12号–第21巻第6号(1978年11月–1980年6月)に不定期掲載※2
  • 安田均「ファンダムの黒幕、アメリカを乗っ取る!?」第25巻第5号、1984年5月。doi:10.11501/4411148※2
  • 牧眞司「アメリカSFファンダム風雲録」2-5頁(コマ番号0003.jp2-)第25巻第5号、1984年5月。全国書誌番号:00000563doi:10.11501/4411148※2
その他の雑誌