フェリックス・オジェ=アリアシム
フェリックス・オジェ=アリアシム (Félix Auger-Aliassime, フランス語発音: [feliks oʒe aljasim][1]; 2000年8月8日 - )は、カナダ・モントリオール出身の男子プロテニス選手。ATPツアーではまだ優勝経験はない(準優勝5回)。自己最高ランキングはシングルス17位。
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![]() 2019年ウィンブルドンでのフェリックス・オジェ=アリアシム | ||||
基本情報 | ||||
フルネーム | Félix Auger-Aliassime | |||
国籍 |
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出身地 |
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居住地 |
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生年月日 | 2000年8月8日(20歳) | |||
身長 | 193cm | |||
体重 | 88kg | |||
利き手 | 右 | |||
バックハンド | 両手打ち | |||
ツアー経歴 | ||||
デビュー年 | 2017年 | |||
ツアー通算 | 0勝 | |||
シングルス | 0勝 | |||
ダブルス | 0勝 | |||
生涯獲得賞金 | 3,429,076 アメリカ合衆国ドル | |||
4大大会最高成績・シングルス | ||||
全豪 | 4回戦(2021) | |||
全仏 | 1回戦 (2020) | |||
全英 | 3回戦(2019) | |||
全米 | 4回戦(2020) | |||
国別対抗戦最高成績 | ||||
デビス杯 | 準優勝(2019) | |||
キャリア自己最高ランキング | ||||
シングルス | 17位(2019年10月14日) | |||
ダブルス | 297位(2020年2月17日) | |||
2020年8月29日現在 |
生い立ち編集
オジェ=アリアシムはモントリオールで生まれ、ケベック・シティー郊外のランシエンヌ=ロレットで育った。父親のサム・アリアシムはトーゴ出身で、母親のマリー・オジェはケベック州出身である。姉のマリカもテニスをしている。
オジェ=アリアシムは4歳でテニスを始め、ケベック・シティのテニスアカデミー・ヘリスセット・ボルドローの一員としてクラブ・アドバンテージでトレーニングを受けた。2012年には11歳から12歳までのカテゴリー3のOpen Super Aurayで優勝した。2014年秋からモントリオールにあるカナダのナショナルトレーニングセンターを拠点とした。
ジュニア時代編集
2015年2月にケレタロで開催されたG3で、ITFジュニアシングルで初優勝を飾る。翌週、サポパンで行われたG4では2週連続となるシングルスタイトルと自身初のダブルスタイトルを獲得した。8月下旬には、カレッジパークで同胞のデニス・シャポバロフに勝利して初のG1タイトルを獲得した。自身初のジュニアグランドスラムとなった9月の全米オープンでは、シャポバロフと組んだダブルスで優勝した[2]。10月のジュニア・デビスカップでは、カナダの初制覇に貢献した[3]。2016年6月のジュニア全仏オープンの決勝では、チャンピオンシップポイントを獲得したが、結果ジョフレー・ブランカノーに敗れた。9月のジュニア全米オープン、決勝でミオミル・ケツマノビッチにストレートで勝利し、優勝した[4]。
経歴編集
2015年3月のドラモンビル・チャレンジャーに参戦した時点では14歳半であり、予選を勝ち上がったことで史上最年少でATPチャレンジャーツアーの本戦ドローの資格を獲得した。本戦では腹筋の張りのために1回戦を棄権したが、ATPポイントを獲得した最初の2000年代生まれのプレーヤーになった[5]。7月のグランビー・チャレンジャーでも予選突破を果たすと、1回戦でアンドリュー・ウィッティントンに勝利し、ATPチャレンジャーツアーの史上最年少勝利記録を打ち立てた[6]。3回戦で西岡良仁に敗れたが、大会後の世界ランキングは749位になり、史上最年少でトップ800にランクインした[7]。
2016年11月にバーミンガムで開催されたITFフューチャーズでは、決勝でJuan Manuel Benitez Chavarriagaを下して初のプロタイトルを獲得した[8]。翌週のニースビルのフューチャーズではパトリック・カイプソンと組み、初のプロダブルスタイトルを獲得した。
2017年6月のリヨンのチャレンジャーでは、決勝でヨラン・フリーゲンを破り、チャレンジャー初優勝を飾った[9]。9月のコパ・セビリアでも決勝でイニーゴ・セルバンテスに勝利し、優勝した。2018年2月に行われたブダペストのチャレンジャーではダブルスで初優勝した。
2018年:ツアー参戦編集
2月のABNアムロ世界テニス・トーナメントで本戦入りを果たし、ツアーデビューした。1回戦でフィリップ・クライノビッチに敗れた。3月にはBNPパリバ・オープンでマスターズに初参加し、1回戦ではバセク・ポシュピシルを6-2, 3-6, 7-5で破った[10]。2回戦ではミロシュ・ラオニッチに敗れた。モンテカルロ・マスターズはワイルドカードを得て出場したが、初戦でミーシャ・ズベレフに敗れた。6月にはリヨンのチャレンジャーで連覇し、史上最年少でチャレンジャーのタイトルを防衛した。8月のロジャーズ・カップもワイルドカードで出場すると、1回戦でリュカ・プイユに6–4, 6–3で勝利し、2回戦ではダニール・メドベージェフに敗れた。全米オープンでは、予選を突破してグランドスラム初出場を果たした。1回戦でデニス・シャポバロフと対戦したが、5–7, 7–5, 4–1というところで体調不良を訴え途中棄権した[11]。年間最終世界ランキングは108位だった。
2019年:ATP500決勝進出、マスターズ4強、トップ20入り編集
2019年リオ・オープン準決勝でパブロ・クエバスに勝利し、ATPツアー・500シリーズで最年少での決勝進出者となった。決勝ではラスロ・ジェレに3-6, 5-7で破れ、ツアー優勝にはならなかった。翌月のBNPパリバ・オープンでは、2回戦でステファノス・チチパスから勝利を収め、トップ10初勝利を果たした。マイアミ・オープンでは、4回戦でニコロズ・バシラシビリを、準々決勝でボルナ・チョリッチを破り、大会史上最年少で4強入りを果たした。準決勝では前回覇者のジョン・イズナーに敗れた。クレーシーズンは早期敗退が続いたが、リヨン・オープンでは準優勝。しかし、この大会で左太ももを痛めて全仏オープンは1回戦を棄権した。グラスシーズンはメルセデス・カップでまたも準優勝し、ウィンブルドン選手権では3回戦まで進んだ。後半戦は失速したが、年間ランキングを21位で終えた。
2020年編集
2月にABNアムロ世界テニス・トーナメントとオープン13で2週連続決勝進出するも、ともに準優勝に終わった[12]。3月より新型コロナウイルス感染症流行の影響でツアーが中断に。再開後初戦のウエスタン・アンド・サザン・オープンは2回戦敗退。続く全米オープンでは4回戦まで進出した。
選手としての特徴編集
プレースタイルはやや守備的でスロースターター気味だが、動きは機敏で強烈なフォアハンドで攻撃することもできる。年齢に似合わぬ成熟したプレーと落ち着きを見せることから、フランシス・ティアフォーには「まだ10代なのに35歳みたいだ」と評される。武器の一つは190cmを超える長身から繰り出すサーブで、今年6月にはサービスエースの多さ(1試合平均が去年の6本から17本に急増)をATPに称賛された。[13]
若手として数々の記録を更新したことでVOGUEに取り上げられ、「長らく続くBIG3時代への大いなる脅威」「テニス界に嵐を呼ぶ存在」と紹介された。
ATPツアー決勝進出結果編集
シングルス: 5回 (0勝5敗)編集
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結果 | No. | 決勝日 | 大会 | サーフェス | 対戦相手 | スコア |
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準優勝 | 1. | 2019年2月24日 | リオデジャネイロ | クレー | ラスロ・ジェレ | 3–6, 5-7 |
準優勝 | 2. | 2019年5月25日 | リヨン | クレー | ブノワ・ペール | 4-6, 3-6 |
準優勝 | 3. | 2019年6月16日 | シュツットガルト | 芝 | マッテオ・ベレッティーニ | 4-6, 6-7(11-13) |
準優勝 | 4. | 2020年2月16日 | ロッテルダム | ハード (室内) | ガエル・モンフィス | 2-6, 4-6 |
準優勝 | 5. | 2020年2月23日 | マルセイユ | ハード (室内) | ステファノス・チチパス | 3-6, 4-6 |
成績編集
四大大会シングルス編集
- 略語の説明
W | F | SF | QF | #R | RR | Q# | LQ | A | P | WG | Z# | PO | G | S | SF-B | NMS | NH |
W=優勝, F=準優勝, SF=ベスト4, QF=ベスト8, #R=#回戦敗退, RR=ラウンドロビン敗退, Q#=予選#回戦敗退, LQ=予選敗退, A=大会不参加, P=開催延期
WG=デビスカップワールドグループ, Z#=デビスカップ地域ゾーン, PO=デビスカッププレーオフ, G=オリンピック金メダル, S=オリンピック銀メダル, SF-B=オリンピック銅メダル, NMS=マスターズシリーズから降格, NH=開催なし.
大会 | 2018 | 2019 | 2020 | 通算成績 |
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全豪オープン | A | Q2 | 1R | 0-1 |
全仏オープン | Q2 | A | 0-0 | |
ウィンブルドン | A | 3R | 2-1 | |
全米オープン | 1R | 1R | 4R | 0-2 |
脚注編集
- ^ “The pronunciation by Félix Auger-Aliassime himself”. ATPWorldTour.com. 2018年1月10日閲覧。
- ^ “Canadian junior boys win U.S. Open doubles final”. 2016年11月11日閲覧。
- ^ “Czechs and Canadians crowned Junior champions”. www.itftennis.com. 2019年4月4日閲覧。
- ^ “U.S. Open: Canada's Felix Auger-Aliassime wins boys' title”. 2016年11月11日閲覧。
- ^ “Emirates ATP Rankings 2015 Auger Aliassime Feature”. ATP Tour. 2019年4月4日閲覧。
- ^ “14-year-old tennis player Felix Auger-Aliassime becomes youngest player to win Challenger main draw match”. Fox Sports. 2015年7月22日閲覧。
- ^ “Meet Felix Auger-Aliassime, the 14-year-old beating pro players nearly 10 years older”. The Sydney Morning Herald. 2015年7月28日閲覧。
- ^ “USA F35 Futures”. www.itftennis.com. 2019年4月4日閲覧。
- ^ “Auger-Aliassime makes history with Lyon Challenger title”. Tennis Canada. 2017年6月18日閲覧。
- ^ “Roger Federer backs teen prospect Felix Auger-Aliassime to become a 'great player'”. International Business Times UK. 2018年2月14日閲覧。
- ^ “シャポバロフが10代カナダ対決で白星。第3セット途中でオジェ アリアシムが棄権”. エキサイトニュース. 2018年8月28日閲覧。
- ^ “チチパスが連覇、オジェ・アリアシムは五度目の正直ならず オープン13”. www.afpbb.com. 2020年2月29日閲覧。
- ^ “次代のテニス界を牽引する若手選手~成熟した19歳フェリックス・オジェ アリアシム~”. テニスデイリー. 2020年2月3日閲覧。
外部リンク編集
- フェリックス・オジェ=アリアシム - ATPツアーのプロフィール (英語)
- フェリックス・オジェ=アリアシム - デビスカップのプロフィール (英語)
- フェリックス・オジェ=アリアシム - 国際テニス連盟のプロフィール (英語)
- フェリックス・オジェ=アリアシム (@felixtennis) - Twitter
- フェリックス・オジェ=アリアシム (felixaliassime) - Instagram