フォーミュラ・ドリフト
フォーミュラ・ドリフト(Formula Drift)は、アメリカ合衆国で行われる、市販乗用車を改造した車両によるドリフト走行により競われるモータースポーツのカテゴリー。通称はフォーミュラD(Formula D)。
主催はスポーツカークラブ・オブ・アメリカ(SCCA)と、アメリカのマーケティング企業である「Slipstream Global Marketing」傘下のFormula Drift Inc.が手がけている。
概要編集
日本の全日本プロドリフト選手権(D1グランプリ)の成功や、映画ワイルド・スピードシリーズのヒットに刺激される形で、2004年にカテゴリーが発足。
2014年現在、個人戦の「Formula Drift Pro Championship」シリーズ(2011年は全7戦)をメインに、下位カテゴリーに当たる「Pro/Am Series」、東南アジアを舞台としたアジアシリーズ(2008年発足)などでシリーズが構成されている。2014年には「FORMULA DRIFT JAPAN」がエキシビジョンで開催され(ただし富士ラウンドはアジアシリーズの1ラウンド扱いとなっており、アジアラウンドのポイントが付与されている)、2015年には正式なシリーズ戦としてスタートしている。さらに2015年はPro Championshipの上位クラスとしてFormula Drift World Championship」シリーズが追加されている(2015年は全10戦でProシリーズなどとの共催であるが、富士スピードウェイや中国などこのシリーズ限定のラウンドも設定されている)。
以前は日本のいかす走り屋チーム天国に相当する「Team Drift」イベントなども行われていたが、2011年現在は開かれていない。また2008年11月には、本シリーズ以外にD1グランプリなど世界各国のドリフト戦シリーズの上位入賞者を集めた「Red Bull Drifting World Championship」がスペシャルイベントとして開催された。
Pro Championshipシリーズは、オーバルコースのバンクを利用したコースレイアウトが最大の特徴となっている。そのため決勝トーナメントの追走ではそのバンクをうまく利用したか否かが評価の対象となるという他のドリフトイベントとは違うポイントといえる。またクリッピングポイントにセンサー付きのパイロンが設置されており、そのセンサーが反応したかどうかでクリッピングポイントを通過したかを判断している(これは決勝トーナメントが日が暮れた夜間に行われることも関係している)。
日本からは吉原大二郎が2004年のカテゴリー発足当初から参戦しており、2011年にはシリーズチャンピオンを獲得した。2009年シーズン以降、三木竜二・植尾勝浩らD1グランプリのシリーズチャンピオン経験者も参戦するなど、日本人参加者が大きく増加しており、2012年には斎藤太吾が吉原に次いで日本人2人目のシリーズチャンピオンとなった(斎藤はこの年アジアシリーズのタイトルも獲得し2冠を達成している)。
フォーミュラ・ドリフト ジャパン編集
日本へ逆輸入という形で2015年より開催。
植尾勝浩や末永直登、益山航などD1やドリフトキングダムの他大会と並行して参戦するケースも多いが、松川和也や林和樹に寺町邦彦など舞台を移しての参戦も出ている。
D1やフォーミュラ・ドリフト ジャパンに参戦していた田口和也が、18年よりアメリカのフォーミュラ・ドリフトに参戦している。
2020年は全5戦での開催が予定されていたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、開幕が当初の5月から8月に大幅に変更された上、全戦無観客開催となった。さらに、鈴鹿ツインサーキットで開催予定だった第5戦(※当初は開幕戦での開催予定だったが、第5戦に変更されていた)は中止[1]となり、全4戦のみの開催に終わった。
シリーズチャンピオン編集
年 | 国 | 名前 | 車両 |
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2004 | サミュエル・ヒュビネット | ダッヂ・バイパー コンペティションクーペ | |
2005 | リース・ミレン | ポンティアック・GTO | |
2006 | サミュエル・ヒュビネット | ダッヂ・バイパー SRT-10 | |
2007 | タナー・ファウスト | 日産・350Z | |
2008 | タナー・ファウスト | 日産・350Z | |
2009 | クリストファー・フォースバーグ | 日産・350Z | |
2010 | バン・ギットンJr. | フォード・マスタング | |
2011 | 吉原大二郎 | 日産・240SX | |
2012 | 齋藤太吾 | レクサス・SC430 | |
2013 | マイケル・エッサ | BMW・M3 | |
2014 | クリストファー・フォースバーグ | 日産・370Z | |
2015 | フレデリック・アースボ | サイオン・tC | |
2016 | クリストファー・フォースバーグ | 日産・370Z | |
2017 | ジェームス・ディーン | 日産・シルビア | |
2018 | ジェームス・ディーン | 日産・シルビア | |
2019 | ジェームス・ディーン | 日産・シルビア |
年 | 国 | 名前 | 車両 |
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2015 | アンドリュー・グレイ | トヨタ・チェイサー | |
2016 | アンドリュー・グレイ | トヨタ・チェイサー | |
2017 | アンドリュー・グレイ | トヨタ・チェイサー | |
2018 | マッド・マイク | マツダ・RX-7 | |
2019 | アンドリュー・グレイ | トヨタ・マークII | |
2020 | 山下広一[2] | トヨタ・マークII |
外部リンク編集
- ^ FD JAPAN Round.5 鈴鹿ツイン 開催中止のお知らせ - フォーミュラ・ドリフト・ジャパン公式サイト(2020年12月4日付)
- ^ 第5戦が新型コロナウイルスの感染拡大の影響で中止となったため、第4戦までの成績で決定した。