フライス英語: Milling cutter)は、円板もしくは円筒体の外周面あるいは端面に多数の切れ刃を設け、これを回転させながら工作物を切削する切削工具の総称。[1]

フライス盤マシニングセンタで使われる。主に高速度鋼(ハイス)や超硬合金で作られ、切刃部分にcBN焼結ダイヤモンドを使用したものもある。

日本語の「フライス」は、ドイツ語の「Fräse」や、フランス語やオランダ語の「Fraise」(襞襟の意味)に由来する。

おもなフライス

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  • エンドミル(Endmill, End milling cutter)
    外周および端面に切刃を持ったフライスで、非直線など複雑に描かれた溝や、盆や皿の内側の様な形状の加工も可能である。
  • 正面フライス(Facemill, Face milling cutter)
    「フェイスミル」とも呼ばれ、工具の回転中心軸に垂直な面の切削に用いられる。
  • 平フライス
    外周に切刃を持ったフライスであり、平面を切削するために使われる。
  • 側フライス(Side milling cutter)
    円盤の様な形のフライスで、外周と両側面に切刃を持つ。ねじのすりわり加工に用いられる。
  • 溝フライス(Slotting cutter)
    溝の加工に用いられるフライスで、外周にのみ切刃を持つ。
  • 角フライス
    側フライスと同じように横側から切削するが、90度以下の角ができるような切削跡になる。
  • ダブテールカッター(dovetail cutter)
    刃先から刃元まで角度がついているフライスで、主にアリ溝加工の為に使われる。
  • 歯切用フライス
    歯車の歯を作成するためのフライス。
  • 総形フライス
    特殊な形状の切刃を予め成形したフライスであり、通常のフライスでは困難な形状の加工などに用いられる。
  • 外丸フライス
    円柱形ではなく、円柱の角の部分が丸くなったフライス。
  • スレッドミル(Threadmill)
    マシニングセンタでのねじ切り用。「ヘリカル補間ねじ切り」とも呼ばれ、総形フライスの一種と考えることができる。部品が高額で加工に時間がかかるが大きなねじ穴も加工でき、硬い素材にも使える。側面にネジの溝が成形されており、回転する工具を螺旋状に動かしてネジを切る。管用めねじ加工の動画

脚注

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  1. ^ 『フライス盤作業の実技』,石塚和夫, 理工学社, 1997年