フランシス・トラヴィス

フランシス・トラヴィス(:Francis Travis, 1921年7月9日 - 2017年4月28日)は、アメリカ合衆国生まれのスイス指揮者[1]

経歴 編集

アメリカ、ミシガン州デトロイト生まれ。チューリッヒ大学で、ジュゼッペ・ヴェルディについての論文音楽学博士号を取得。ヘルマン・シェルヘン指揮を師事し、後にかれのアシスタントとなる。

その後、2年間バーゼル歌劇場ならびにドイツトリーア歌劇場の指揮者となり、オランダアムステルダムオランダ国立歌劇場に定期的に客演した。

オペラ指揮者としての活動を中心においており、ロンドンコヴェント・ガーデンミュンヘンバイエルン国立歌劇場ブエノスアイレステアトロ・コロンなどに客演している。

また、国際現代音楽協会主催の音楽祭において、百曲を超える新作初演を行っている。

25年に渡って、フライブルク音楽大学のオーケストラ指揮科教授を務めており、弟子の中にはダグラス・ボストックロベルト・HP・プラッツらがいる。

ミュンヘンにて没[2]

日本での活動 編集

1990年から1995年にかけて、東京に居住し、東京芸術大学音楽学部の指揮科の教員となった。この間、日本の多くのオーケストラ、合唱団に指揮者として客演した。東京を離れた後も、2001年から2006年までの草津国際音楽アカデミー&フェスティバル出演契約を結ぶなど、毎年のように来日していた。

録音 編集

彼の録音の中心となっているのはヨアヒム・ラフの作品である。また、エクトル・ベルリオーズモーリス・ラヴェルも含まれる。

オーボエ奏者、ハインツ・ホリガーと共演した録音も多い。

朝鮮民主主義人民共和国国立交響楽団に客演経験があり、その際に演奏した尹伊桑の室内アンサンブル曲『洛陽』は、日本のレーベル、カメラータ・トウキョウから金炳華指揮、朝鮮国立交響楽団演奏の尹伊桑の交響曲第1番とともに発売された。

主要ディスコグラフィ 編集

  • Heinz Holliger (1971). Siebengesang (1966/67) : für Oboe, Orchester, Singstimmen und Lautsprecher ; Der magische Tänzer (1963/65) : Versuch eines Ausbruchs für zwei Menschen und zwei Marionetten. Deutsche Grammophon. OCLC 884440909  - 《オーボエ、管弦楽、女声合唱とスピーカーのための7つの歌》のみ
  • Hans Henkemans (1960s). Concertos, violin and orchestra. Radio Nederland. OCLC 610226969  - ディック・デ・レウスとの共演
  • Camille Saint-Saëns (2000). Suite algérienne La princesse jaune. Chandos. OCLC 45402954 

出典 編集

  1. ^ Biographical Highlights”. 2017年5月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年5月12日閲覧。
  2. ^ http://slippedisc.com/2017/05/death-of-a-us-born-maestro-95/