ブガッティ・シロン

シロンChiron)とは、ブガッティ・オトモビルが2016年から全世界500台限定で製造しているハイパーカーである。

ブガッティ・シロン
ブガッティ・シロン
Paris - RM Sotheby’s 2018 - Bugatti Chiron - 2017 - 009.jpg
販売期間 2016年
デザイン サシャ・セリパノフ
乗車定員 2名
ボディタイプ 2ドアクーペ
エンジン 8.0L W16 クワッドターボ
駆動方式 4WD
最高出力 1,103kW(≒1,500PS)/6700rpm
最大トルク 1,600 N·m(163.2kg・m)/2,000-6,000rpm
変速機 7速セミAT(DSG)
全長 4,544mm
全幅 2,038mm
全高 1,212mm
ホイールベース 2,711mm
車両重量 1,995kg
最高速度 420km/h(リミッター作動)
先代 ブガッティ・ヴェイロン
-自動車のスペック表-
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「シロン」という車名はかつてブガッティに乗り活躍したレーシング・ドライバーのルイ・シロンLouis Chiron)から採られている。

2016年ジュネーブ・モーターショー開幕の前日、2月29日に発表され、価格はヴェイロンの倍となる260万USドル、240万ユーロとされた。

概要編集

パワートレイン編集

エンジン形態はヴェイロンと同じく、8リッター W16 4ターボエンジンだが、最高出力1500馬力、最大トルク163.2kgmと大幅に向上。ほぼ全てのコンポーネントを設計から改良し、重量増を抑えているものの[1]、大出力のエンジンとそれを伝達するギアだけで700kgある[2]

4基のターボチャージャーは、発進時には2基のみ動作し、残りの2基はエンジン回転数が3800rpmに達すると作動するように設計されている。これによって、発進時や低速域からのトルク特性がリニアになり、操作性に寄与している[1]

FIA 世界耐久選手権(WEC)のLMP1レースカーと同性能のねじり剛性と曲げ剛性を発揮するフルカーボン構造シャシー採用により、軽量化が図られているものの、車両重量はヴェイロンより155kgも重くなり1995kgにも及ぶ。

 
W16エンジン

デザイン編集

ウラカンのデザインにも関与したサシャ・セリパノフによってデザインされた[3][4]

伝統的なブガッティのデザインを踏襲しつつ、空力効果やエンジンの排熱効率を高めるための技術的なデザインが施されている。

馬蹄形のフロントグリルに加え、タイプ57 クーペ・アトランティークのデザインを元にした、ルーフからリアエンドにかけて流れるセンターラインや、エットーレ・ブガッティのサインをモチーフにした「Cライン」がデザインされている。馬蹄形のグリルは、エンジンの膨大な熱を処理するための大量の空気を取り入れるためのデザインであり、センターラインは直進安定性を考慮したものである[1]

性能編集

公称の最高速は420km/hとされているが、実際にはそれを上回るスピードを出すことも難しくないとされる。理論上は480km/hを超えることも可能とされるが、シロン専用のタイヤが新開発されてもなおそのスピードに耐えうるタイヤがないため実現できないとされていた[5]。しかし、2019年9月2日にプロトタイプによる最高速計測で304.77mph(490.48km/h)を計測し[6][7]、ハイパーカー初の300mph超えを達成した[8]

燃費性能は4.7km/L(カタログ値では3km/L[7])とされている[9]

バリエーション編集

シロン・スポーツ編集

2018年3月、ジュネーブ・モーターショーにおいて公開された。標準モデルのシロンと比べて約18kg軽量化されており、サスペンションとドライブトレインにも改良が施されている[10]

2019年2月、ブガッティの創業110周年を記念する20台のみの限定モデルとして、シロン・スポーツをベースにした「シロン・スポーツ110 ans Bugatti」が発表された[11]

シロン・ピュアスポーツ編集

ジュネーブ・モーターショーにて発表される予定だったが[12]Covid-19の影響により開催中止となり、2020年3月、フランスのモルスハイムの本部において公開された。リアウイングを可変式から固定式に変更することで油圧機構などを省略し、約50kg軽量化。ギアのショートレシオ化によって中速域の加速性能を上げるなどの改良が施されている。最高速度は350km/hにに抑えられている。60台の限定生産で、価格は300万ユーロとなっている[12][13]

脚注編集

[脚注の使い方]
  1. ^ a b c ブガッティ、最高出力1500psの「シロン」を日本に導入
  2. ^ Mat Watson (2020年10月2日). 【マットVLOG】ブガッティ シロン ピュアスポーツ サーキット試乗!. carwow. (2020-10-2発行). https://www.youtube.com/watch?v=CEKJrs9BFfk 
  3. ^ 【スーパーカー年代記 092】ブガッティ シロンはヴェイロンの後継として500台限定生産される3億円カー - Webモーターマガジン” (日本語). web.motormagazine.co.jp. 2020年10月1日閲覧。
  4. ^ JUN. “ヒュンダイがブガッティ・シロンのデザイナー引き抜き。「ジェネシス」ブランドのチーフに任命 - Life in the FAST LANE.” (日本語). intensive911.com. 2020年10月1日閲覧。
  5. ^ ブガッティ・シロンの最高速は「タイヤ」に依存。まだまだ速度を出せるものの「耐えられるタイヤがない」
  6. ^ Bugatti (2020年10月2日). BUGATTI Chiron breaks through magic 300mph barrier (2019-9-2発行). https://www.youtube.com/watch?time_continue=153&v=FuS_bXJNync&feature=emb_logo 
  7. ^ a b 490.48km/h、1,500馬力3億円のブガッティ・シロン!どんな人たちが買ってるの?” (日本語). car-me.jp. 2020年10月1日閲覧。
  8. ^ ブガッティ シロン、最高速490.48km/hを計測…ハイパーカー初の300マイル/h超え[動画]” (日本語). レスポンス(Response.jp). 2020年10月1日閲覧。
  9. ^ 最高出力1500馬力級!?ブガッティ ヴェイロンの後継車”シロン”の正体とは” (日本語). car-me.jp. 2020年10月1日閲覧。
  10. ^ 【ジュネーブモーターショー2018】ブガッティから、ハイドリングをさらに磨き上げた「シロン・スポーツ」が登場!”. autoblog (2018年3月9日). 2018年12月7日閲覧。
  11. ^ ブガッティの創業110周年を記念した限定車「シロン・スポーツ110 ans Bugatti」を発表!”. Idea Web Tools(2019年2月8日),2019年2月19日閲覧。閲覧。
  12. ^ a b ブガッティ シロン に「ピュアスポーツ」、ハンドリング性能を追求…限定60台で価格300万ユーロ” (日本語). レスポンス(Response.jp). 2020年10月1日閲覧。
  13. ^ DIGITAL, AUTOCAR. “【3.5億円】ブガッティ・シロン・ピュアスポーツ、実車公開 60台限定” (日本語). AUTOCAR JAPAN. 2020年10月1日閲覧。

外部リンク編集