ブラット・パック
ブラット・パック(Brat Pack)は、1980年代のハリウッド青春映画に出演した若手俳優の一団に付けられたあだ名。「小僧っ子集団」というような意味[1]。日本ではYA(ヤングアダルト)スターと呼ばれることもあった[2]。
由来
編集ブラット・パックとは、1950年代・1960年代にハンフリー・ボガートの共演者の一団に付けられたあだ名、ラット・パック(Rat Pack)のもじりであり、この言葉は、1985年に雑誌『ニュー・ヨーク』に掲載された記事[3]で有名になった。記事の中では、エミリオ・エステベス、ジャド・ネルソン、ロブ・ロウ、ショーン・ペン、ロバート・ダウニー・Jr、さらに『アウトサイダー』の出演者、トム・クルーズ、C・トーマス・ハウエル、マット・ディロン、ラルフ・マッチオなど多数の俳優が言及されたが[3]、一般にはジョン・ヒューズの『ブレックファスト・クラブ』とジョエル・シュマッカーの『セント・エルモス・ファイアー』の出演者が中心メンバーとされる[4][5][6]。すなわち、エステベス、ネルソン、ロウ、アンソニー・マイケル・ホール、モリー・リングウォルド、デミ・ムーア、アリー・シーディ、アンドリュー・マッカーシーの8人である[1][7][8][9][10][11][12]。メア・ウィニンガムは、『セント・エルモス・ファイアー』に出演したにもかかわらず、それ以外に他のメンバーと共演することがなかったのでリストからはずされることが多い[13]。これ以外に、ダイアン・レイン、パトリック・スウェイジ、キーファー・サザーランド、メアリー・スチュアート・マスターソン、ケヴィン・ベーコン、ジョン・キューザック、ジェームズ・スペイダー、ジョン・クライヤー、ジェイミー・ガーツ、マシュー・ブロデリック、チャーリー・シーン、メリッサ・ギルバートなど、同時代に中心メンバーと共演した俳優も含まれることがある。
作品リスト
編集タイトル | 出演者 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
エミリオ・エステベス | アンソニー・マイケル・ホール | ロブ・ロウ | アンドリュー・マッカーシー | デミ・ムーア | ジャド・ネルソン | モリー・リングウォルド | アリー・シーディー | 共演者 | |
アウトサイダー (1983年) |
ツー・ビット | ソーダポップ・カーティス | マット・ディロン、パトリック・スウェイジ、トム・クルーズ、C・トーマス・ハウエル、ラルフ・マッチオ | ||||||
恋のスクランブル (1983年) |
スキップ | ジョナサン | ジョン・キューザック | ||||||
すてきな片想い (1984年) |
テッド | サム | ジョン・キューザック、ジェイミー・ガーツ | ||||||
オックスフォード・ブルース (1984年) |
ニック | ロナ | |||||||
ブレックファスト・クラブ (1985年) |
アンドリュー | ブライアン | ジョン | クレア | アリソン | ||||
セント・エルモス・ファイアー (1985年) |
カービー | ビリー | ケヴィン | ジュールズ | アレック | レズリー | メア・ウィニンガム | ||
プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角 (1986年) |
ブレーン | アンディ | ジョン・クライヤー、ジェームズ・スペイダー | ||||||
ブルー・シティ/非情の街 (1986年) |
ビリー | アニー | |||||||
きのうの夜は… (1986年) |
ダニー | デビー | |||||||
ウィズダム/夢のかけら (1986年) |
ジョン | カレン | チャーリー・シーン(カメオ出演、クレジットなし) | ||||||
想い出のジュエル (1988年) |
マット | ジュエル | |||||||
ワイルドボーイズ (1994年) |
ジュリアス・シーザー | 囚人1 |
ギャラリー
編集- ブラット・パックの面々
-
アンソニー・マイケル・ホール(2004年撮影、『ブレックファスト・クラブ』と『すてきな片想い』に出演)
参考文献
編集- ^ a b “小僧っ子集団ブラット・パックの代表作「ブレックファスト・クラブ」 近く公開”. 朝日新聞. (1986年5月15日)
- ^ 垣井道弘、おかむら良 (2003年11月20日). “【垣井道弘&おかむら良のシネトーク】”. 産経新聞
- ^ a b Blum, David (1985-06-10). “Hollywood's Brat Pack”. New York: 40–47 .
- ^ Pulver, Andrew; Steven Paul Davies (2000). Brat Pack: Confidential. B T Batsford. ISBN 0-7134-8685-6. オリジナルの2008年2月19日時点におけるアーカイブ。
- ^ Eaton, Andrew (2007-01-20). For a short time they were on fire, then they vanished into obscurity. Whatever happened to the Brat Pack of the 1980s?. The Scotsman. オリジナルの2012年11月2日時点におけるアーカイブ。 2008年3月28日閲覧。.
- ^ Fine, Marshall (1993年10月24日). “Remember the Brat Pack? Well, Now That They're Grown Up...”. Los Angeles Times: p. 20
- ^ Lurie, Karen (2002). “Brat Pack”. St. James Encyclopedia of Popular Culture (Gale Group). オリジナルの2012年7月9日時点におけるアーカイブ。 .
- ^ Horwitz, Laura (2005年). “The Brat Pack: 80's Icons”. 6 Degrees Film. 2008年12月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年3月28日閲覧。
- ^ Currie, Jamie (2003年). “The Brat Pack Site”. The Brat Pack Site. 2008年3月18日閲覧。
- ^ "The Brat Pack". The E! True Hollywood Story.
{{cite episode}}
:|access-date=
を指定する場合、|url=
も指定してください。 (説明) - ^ Earnshaw, Helen (2008年7月18日). “What Happened to the Brat Pack?”. Teen First. 2008年8月15日閲覧。
- ^ “「ザ・ホワイトハウス」のロブ・ロウ、クライアントがスキャンダルに追われる選挙コンサルタントを熱演!”. シネマトゥデイ (2012年5月27日). 2012年5月31日閲覧。[リンク切れ]
- ^ Pulver, Andrew; Davies, Steven Paul. “Brat Pack Confidential: The Players”. Brat Pack Confidential. 2008年4月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年3月19日閲覧。