ブルガリア語アルファベット

ブルガリア語アルファベットブルガリア語: Българска азбука / Bǎlgarska azbuka [ˈbɤɫɡərskə ˈazbʊkə]) はブルガリア語で用いられるキリル文字である。

ブルガリア語アルファベットと筆記体

歴史編集

886年、 ブルガリア帝国は、グラゴル文字を導入したが、 10世紀初頭にはそのグラゴル文字に代わって、キリル文字が使われるようになった。

19世紀初期から中期では、28から44文字の文字が使われていたが、 [要説明] 1870年代に32文字まで減らされた。また、1945年の文字改革で、それまで使用されたヤト(Ѣ,小文字はѣ)とユスѪ,小文字はѫ)が削除され、30文字となった。 ヤトは「ダブルのe( двойно е/е-двойно )」、ユスは「大きな鼻の記号( голяма носовка )」とも呼ばれていた。

 
ブルガリア語アルファベット

2007年1月1日にブルガリアがEUに加盟したことで 、 キリル文字ラテン文字ギリシア文字に続いてEU の3番目の公式の文字となった。 [1]

アルファベット一覧編集

ブルガリア語アルファベット ISO 9 公式のラテン文字転写 IPA 名称 対応する英単語での発音
А а A a A a /a//ɐ/ а apart
Б б B b B b /b//p/ бъ bug
В в V v V v /v//f/ въ vet
Г г G g G g /ɡ//k/ гъ good
Д д D d D d /d//t/ дъ dog
Е е E e E e /ɛ/ е best
Ж ж Ž ž Zh zh /ʒ//ʃ/ жъ treasure
З з Z z Z z /z//s/ зъ zoo
И и I i I i /i/ и machine
Й й J j Y y /j/ и кратко (短いи) yes, yoyo
К к K k K k /k//ɡ/ къ

make

Л л L l L l еとиの前では/l/, ю,яとьの前では/ʎ/, その他は/ɫ/ лъ call, lend
М м M m M m /m/ мъ man
Н н N n N n /n/ нъ normal
О о O o O o /ɔ//o/ о order
П п P p P p /p//b/ пъ pet
Р р R r R r /r/ ръ perro, いわゆる巻舌のr
С с S s S s /s//z/ съ sound
Т т T t T t /t//d/ тъ top
У у U u U u /u/, /o//w/ у boot
Ф ф F f F f /f//v/ фъ food
Х х H h H h /x/ хъ スコットランド語のloch, 喉の奥を息で擦るようなハ行
Ц ц C c Ts ts /t͡s/ цъ fits
Ч ч Č č Ch ch /t͡ʃ/ чъ chip
Ш ш Š š Sh sh /ʃ//ʒ/ шъ shot
Щ щ Št št Sht sht /ʃt/ щъ shtick
Ъ ъ Ǎ ǎ A a /ɤ//ɐ/ ер голям (大きなエル) turn
Ь ь ' Y y /j/ か黙音 ер малък (小さなエル) 軟音符: canyon
Ю ю Ju ju Yu yu /ju/, /jo/, /u//o/ ю youth
Я я Ja ja Ya ya /ja/, /jɐ/, /a//ɐ/ я yarn

Ѝ編集

アクセント記号付のИは、接続詞「и(“および”)」と代名詞「Ѝ(“彼女”)」と区別するために使われる。 別字ではなく、Иの特別な形と見なされる。

表記編集

ブルガリア語は普通、発音通りに表記する。しかし、例外も存在する。例えば:

  • アクセントのない音節にある [ɐ][o] の発音は、2種類の表記に分かれる。
    例: "а" か "ъ"、 "о" か "у"
  • アクセントのある動詞の語尾 -а, -ат, -я, -ят定冠詞 -a, -я[ɤ] と発音する。
    例: чета́ (“私は読む”) → [t͡ʃeˈtɤ], мъжа́ (“その男”) → [mɐˈʒɤ]
  • 語尾や無声子音の直前の有声子音無声化する。
    例: втори (“2番目の”) → [ˈftɔri] (фториのように発音), град (“都市”) → [ˈɡrat] (гратのように発音)
同様に、有声子音の直前の無声子音は有声化する。ただし、直前の有声子音が"в"の場合は有声化しない。
例: сграда (“建物”) → [ˈzɡradɐ] (зградаのように発音), сватба (”結婚式”) → [ˈsvadbɐ] (свадбаのように発言)

現代編集

 
南極ブルガリアの基地にあるキリル文字の記念碑

19世期後半のブルガリア解放の時代から、ブルガリア語は西洋の言語から大量の単語を借用し、すべて発音通りにキリル文字に転写した。例えば:

  • フランス語-
    тротоар (trottoir “歩道”), тирбушон (tire-bouchon “コルク抜き”), партер (par terre “地表”) など
  • ドイツ語-
    бинт (Bind “包帯”), багер (Bagger “掘削機”), бормашина (Bohrmaschine “ドリル”) など

また、ドイツ語を介して、たくさんの英語の固有名詞を借用した。

Вашингтон Vašington (Washington “ワシントン”), Шотландия Šotlandija (Scotland “スコットランド”)

出典編集

  1. ^ Leonard Orban (2007年5月24日). “Cyrillic, the third official alphabet of the EU, was created by a truly multilingual European”. europe.eu. 2014年8月3日閲覧。