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ブロンクス物語/愛につつまれた街』(ブロンクスものがたり/あいにつつまれたまち、A Bronx Tale)は、ロバート・デ・ニーロ監督による1993年アメリカ合衆国犯罪映画。1989年のチャズ・パルミンテリによる戯曲『ブロンクス物語』を基にしている。地元マフィアボスと知り合い、組織犯罪への誘惑と正直さおよび勤勉な父との狭間に立ち葛藤するイタリア系アメリカ人の少年カロジェロ・アネロの成長を描いている。戯曲からの映画化に際し多少の改変を加え、パルミンテリとデ・ニーロが出演した。

ブロンクス物語/愛につつまれた街
A Bronx Tale
A Bronx Tale Logo.png
監督 ロバート・デ・ニーロ
脚本 チャズ・パルミンテリ
原作 チャズ・パルミンテリ Chazz Palminteri
A Bronx Tale
製作 ジェーン・ローゼンタール
ジョン・キリク
ロバート・デ・ニーロ
製作総指揮 ピーター・ガーティエン
出演者
音楽 ブッチ・キンボール
撮影 レイナルド・ヴィラロボス
編集 デヴィッド・レイ
ロバート・Q・ラヴェット
配給 アメリカ合衆国の旗 サヴォイ・ピクチャーズ
日本の旗 ギャガ・ヒューマックス
公開 アメリカ合衆国の旗 1993年9月14日(トロント国際映画祭)
アメリカ合衆国の旗 1993年9月29日(全米公開)
日本の旗 1994年8月27日
上映時間 120分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $10 million[1]
興行収入 $17,287,898[2][3]
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1990年、ロサンゼルスで舞台版を鑑賞したデ・ニーロはパルミンテリから自身の監督デビュー作として映画化権を獲得した。自身の子供の頃を基にした脚本の多くをそのまま残したいパルミンテリと共にデ・ニーロは脚本について熟考した。1991年、デ・ニーロのトライベッカ・プロダクションズとサヴォイ・ピクチャーズは双方にとって映画第1作目としてコラボレートした。

1993年9月29日に全米公開され、制作費1,000万ドルに対し興行収入1,700万ドルと商業的に大きな成功とはならなかった。しかし出演者たちの演技など批評家からの評判は良く、パルミンテリは俳優として、デ・ニーロは監督として名声を上げた。

あらすじ編集

1960年、ロレンツォ・アネロ(ロバート・デ・ニーロ)はブロンクス区のイタリア系アメリカ人街ベルモントに妻ロジーナ、9歳の息子カロジェロ(フランシス・キャプラ)と共に住んでいる。カロジェロはソニー(チャズ・パルミンテリ)率いる地元マフィアに憧れている。ある日カロジェロは近所にて、襲われた友人を守るためソニーが殺人を犯す現場を目撃する。ニューヨーク市警察から質問を受けた時カロジェロは黙秘し、ソニーはカロジェロを気に入りイニシャル「C」の愛称で呼ぶようになる。ソニーの仲間はロレンツォに高給の職を与えようとするが、バス運転手としての質素な生活を好むロレンツォは丁重に断る。ソニーはカロジェロと親しくなり仲間を紹介する。カロジェロはマフィア経営のバーで働き600ドルのチップを得て賭博に興じ、これを知ったロレンツォはカロジェロに厳しく注意する。ロレンツォはソニーに返金し、カロジェロに近付かないよう警告する。

8年後、青年に成長したカロジェロ(リロ・ブランカート・ジュニア}は父の知るところなくソニーのもとに足しげく通っている。地元のイタリア系アメリカ人少年たちのギャングにも参加しており、心配したソニーは彼らに関わらず学業に専念するよう注意する。カロジェロは黒人の少女ジェーン・ウィリアムズ(タラル・ヒックス)と出会い一目惚れする。イタリア系アメリカ人とアフリカ系アメリカ人の人種間の緊張は高まるが、カロジェロはジェーンとのデートの約束を取り付ける。カロジェロは父とソニーの両方に助言を求め、ソニーはカロジェロに車を貸し、ジェーンはカロジェロに好印象を持つ。友人たちはカロジェロが止めるのも聞かず、近所を自転車で通った黒人たちといさかいとなる。黒人の1人がジェーンの兄ウィリーと判明する。カロジェロとジェーンが待ち合わせすると、ウィリーはカロジェロが自分たちを襲った1人と勘違いして自分を殴ったとカロジェロを責める。カロジェロはカッとなり、ウィリーに対して差別的な言葉を発するがすぐに後悔する。落胆したジェーンはウィリーと共に去る。

自宅にてカロジェロは、ソニーの車を運転していることを父に気付かれ対峙する。口論となり、カロジェロは家を出る。ソニーの車に爆弾が仕掛けられており、暗殺を企てたのではないかとしてソニーとその仲間たちがカロジェロの前に現れる。カロジェロは泣きながら、ソニーを父のように慕っており、ソニーに危害を加えるはずがないと訴え、ソニーはカロジェロの無罪を認める。ロレンツォは息子を守ろうとソニーと向き合おうとするが、ソニーの仲間たちに制止される。黒人の少年たちは前回のいさかいの報復としてイタリア系アメリカ人の少年たちのたまり場に卵を投げつけ、カロジェロの友人たちは火炎瓶での反撃を計画する。友人たちはカロジェロを車に乗せ協力を強制するが、ソニーは車を停まらせカロジェロを降ろし、少年たちにカロジェロに関わらないよう警告する。カロジェロはジェーンを見つけ、ジェーンはウィリーが自分を攻撃する少年たちからカロジェロが助けようとしてくれたと言っていたと語る。ジェーンとカロジェロは和解するが、カロジェロはジェーンの仲間を攻撃しようとする友人たちの計画を思い出し、2人は彼らを止めに急ぐ。争いの中、カロジェロが先ほど降りた車の窓に火炎瓶が当たり、車内の他の火炎瓶にも引火し、車内にいた者たち全員が亡くなる。カロジェロとジェーンが到着して友人たちが亡くなるのを目の当たりにし、カロジェロはソニーが自分を車から遠ざけ命を救ってくれたのだと知る。

カロジェロは地元に急いで戻り、バーの人混みをかき分けソニーに感謝を伝え、何が起きたのかを説明するが、カロジェロが警告するより早く何者かがソニーの後頭部を撃ち殺害する。のちにカロジェロはその犯人は8年前、家の前でソニーが殺害した男の息子だったと知る。数えきれない人々がソニーの葬式に参列する。参列者も少なくなってきた頃、カーマインが訪れて自分にとってもソニーは命の恩人だと語る。カロジェロは最初カーマインが誰かわからなかったが、額の傷を見て8年前にソニーが助けた友人だと気付く。カーマインはカロジェロに地域に貢献していきたいとし、助けが欲しい時は呼ぶよう語る。カーマインが出て行くと、ロレンツォが参列し、息子の命を救ってくれたことに感謝し、ソニーを嫌ってはいなかったとしてカロジェロが急激に大人になっていくことに戸惑っていたと語る。カロジェロは父と和解し、共に帰宅する。カロジェロは2人の大人の男から人生を学んだのである。

キャスト編集

※括弧内は日本語吹替(VHS・HDマスター版DVDに収録)

スタッフ編集

挿入曲編集

プロダクション編集

脚本編集

デ・ニーロが獲得した映画化権の契約はパルミンテリとの紳士協定で行なわれ、2人は共に映画化脚本の制作に取り掛かった[4]。この契約以前、パルミンテリは自身が脚本の主導権をとること、カルジェロが出会うマフィアのソニー役を自身が演じることを条件にしており、100万ドルにおよぶ契約などの数々の映画化権譲渡を断っていた。この映画の基となった戯曲はパルミンテリの子供時代を描き、父の職業も名前もそのまま、子供の頃に銃撃を目撃するなど、自身の経験に広く影響された一人芝居の脚本となっていたためこだわりが強かった。

評価編集

批評家から好意的な評価を得ている。Rotten Tomatoesは28レビューのうち96%の高評価を得た[5]Metacriticは15名の批評家より100点満点中80点を得点し「概ね好評」の評価を得た[6]

評論家ロジャー・イーバートは4つ星評価をした[7]

2008年、アメリカン・フィルム・インスティチュートによりギャング映画トップ10にノミネートされた[8]

リリース編集

映画公開後、HBOからVHSおよびCDが、1998年にDVDがリリースされた。DVDは絶版となったが、2010年1月、フォーカス・フィーチャーズからアマゾン限定でDVDが再販された。

受賞歴編集

部門 ノミネート者 結果
1994 キャスティング協会賞 フィーチャー映画キャスティング賞 エレン・チェウノウス ノミネート
1994 ヤング・アーティスト・アワード 映画助演若手男優賞 フランシス・キャプラ ノミネート
1996 ジョーディ・アワード 外国人男優賞 チャズ・パルミンテリ ブロードウェイと銃弾』および『ユージュアル・サスペクツ』と共に 受賞

脚注編集

  1. ^ Kachka, Boris (2007年10月14日). “How 'A Bronx Tale' Got Told – New York Magazine”. Nymag.com. 2014年2月20日閲覧。
  2. ^ A Bronx Tale”. Box Office Mojo. Amazon.com. 2012年10月5日閲覧。
  3. ^ A Bronx Tale (1993)”. Box Office Mojo (1993年11月16日). 2014年2月20日閲覧。
  4. ^ Vlastelica, Ryan (2016年3月2日). “Chazz Palminteri on A Bronx Tale, Keyser Söze, and Stallone’s career advice”. The A.V. Club. 2016年1月28日閲覧。
  5. ^ A Bronx Tale”. Rotten Tomatoes. 2011年7月16日閲覧。
  6. ^ A Bronx Tale”. Metacritic. 2011年7月16日閲覧。
  7. ^ “A Bronx Tale”. (1993年10月1日). http://rogerebert.suntimes.com/apps/pbcs.dll/article?AID=/19931001/REVIEWS/310010302 2010年1月21日閲覧。 
  8. ^ AFI's 10 Top 10 Nominees (PDF)”. 2011年7月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年8月19日閲覧。

外部リンク編集