プラシーボPlacebo)は、イギリスのバンドである。1994年ロンドンで結成。

プラシーボ
Placebo
2009年11月のライブより。
基本情報
別名 Ashtray Heart
出身地 イングランドの旗 イングランド ロンドン
ジャンル オルタナティヴ・ロック
グラムロック
ゴシック・ロック
ポストパンク・リバイバル
活動期間 1994年 -
レーベル ユニバーサルミュージック
公式サイト placeboworld.co.uk
メンバー ブライアン・モルコ
ステファン・オルスダル
旧メンバー ロバート・シュルツベルグ
スティーヴ・ヒューイット
スティーヴ・フォレスト

ブリットポップ期のデビューながら、ブリットポップとは完全に趣を異にするグラムロックゴシック・ロック色の強い音楽性は、当時のシーンにおいて異彩を放っていた。その後は徐々にニューウェイヴ色を強めている。

フロントマンのブライアン・モルコは、アイシャドウ口紅といった女性的なヴィジュアル・メイクを施すことでも知られる。

略歴 編集

以前、ルクセンブルクでアメリカン・スクールに通っていたブライアン・モルコとステファン・オルスダルが1994年に地下鉄の駅で再会したのをきっかけに結成。

結成当初、ドラマー不在だったため、スティーヴ・ヒューイットとロバート・シュルツベルグが交代でドラムをたたいていた。その後、ロバートが正式にプラシーボのドラマーとなったがブライアンとの折があわず1996年に脱退、スティーヴが正式に加入した[1]

最初の2枚のシングルはそれぞれフィアース・パンダ・レコード (Fierce Panda Records) とディセプティヴ・レコード (Deceptive Records) よりリリースされた。その後、バンドはヴァージン・レコード傘下のインディーレーベルであるハット・レコーディングス (Hut Recordings) と契約し、1996年にデビュー・アルバム『プラシーボ』をリリース。1997年の「Nancy Boy」(アルバム『プラシーボ』からシングルカット)、1998年の「Pure Morning」(セカンド・アルバム『ウィズアウト・ユー・アイム・ナッシング』からシングルカット)はイギリスで大ヒットし、大きな成功を収める。また、英語なまりの流暢なフランス語でフランスのファンを魅了し、欧州での絶大な人気を誇るようになる[2]

アルバム『ブラック・マーケット・ミュージック』(2000年リリース)ではあまり大胆な変化は見られなかったが、2003年にリリースしたアルバム『スリーピング・ウィズ・ゴースツ』ではダンス・ミュージックやエレクトロニック・ミュージックの影響を受け、より大胆なアルバムに仕上がっている。

デヴィッド・ボウイの50歳の誕生パーティーがマディソン・スクエア・ガーデンで行われた際には、「20th Century Boy」を演奏、その後、デヴィッド・ボウイとプラシーボは「Without You I'm Nothing」のデュエット・シングルをリリースする。

なお、『ブラック・マーケット・ミュージック』からのシングルカット「Special K」のリリースに英音楽業界では難色を示したため(ドラッグ使用を容認したような内容が含まれるので)、最初にオーストラリアでリリースされた。

 
ブライアン・モルコ

2004年秋に、シングル・コレクション『ワンス・モア・ウィズ・フィーリング〜シングルズ1996-2004』をリリース、またウェンブリー・アリーナで一晩だけのコンサートを行った。

2006年3月にアルバム『メッズ』がリリースされたが、1月にインターネット上にリークされるという事件が起きている。アルバムからは「Because I Want You」および「Infra-Red」がシングルカットされた。

2006年10月、「10周年記念コレクターズ・エディション」という名目で、デビュー・アルバム『プラシーボ』がデジタル・リマスターを施し再リリースされた。このボックスセットにはDVDも入っており、ミュージックビデオやコンサート、テレビ出演がおさめられている。

2007年4月、2003年にカバーしたケイト・ブッシュのヒット曲「Running Up That Hill」のプロモーション・ビデオ撮影のためファンを動員すること[3]を発表した。

2007年10月1日に、スティーヴ・ヒューイットは音楽的性の違いを理由に再び脱退。2008年にスティーヴ・フォレストが新加入した[4]

2009年6月8日に、オリジナル・スタジオ・アルバムとしては6枚目の『バトル・フォー・ザ・サン』をヨーロッパではPIASより、アメリカではヴェイグラント・レコードよりリリース。日本盤はソリタリーマンレコーズより、ボーナストラック1曲、およびメンバーからの日本ファンへのコメント映像付きで6月3日に世界先行発売された。

2013年9月16日に、7枚目のアルバム『ラウド・ライク・ラヴ』をリリース。

2015年2月2日に、スティーヴ・フォレストの脱退を発表した。同年6月には、デビュー・アルバム発売20周年を迎えるにあたり、1stアルバムから5thアルバムまでの5枚を、カラー・レコードで再発することを発表した。

2016年3月、デビュー20周年記念ツアー『A Place for Us to Dream – 20 Years of Placebo』を行うと発表した。同年8月には、コンピレーションアルバム『ア・プレイス・フォー・アス・トゥ・ドリーム』をリリース。

2017年8月に上海で開催されるサマーソニックの、2日目ヘッドライナーとしていったん発表されたものの、出演キャンセルとなった[5]

2021年11月4日に、8枚目のアルバム『ネヴァー・レット・ミー・ゴー』を、2022年3月25日にリリースすることを発表した[6]。それに先立ち、9月13日に先行シングル「Beautiful James」がリリースされた。

メンバー 編集

  • ブライアン・モルコ (Brian Molko) - ボーカル、ギター、ベース、キーボード、ハーモニカ、サックス、パーカッション (1994年– ) ※楽曲の歌詞をすべて担当
  • ステファン・オルスダル (Stefan Olsdal) - ベース、ギター、キーボード、バック・ボーカル (1994年– )

ツアー・メンバー 編集

  • ビル・ロイド (Bill Lloyd) - ギター、ベース、キーボード、ピアノ (1996年、1998年– )
  • ニック・ガヴリロヴィック (Nick Gavrilovic) - キーボード、ギター、ラップスティール・ギター、バック・ボーカル (2008年– )
  • マット・ルン (Matt Lunn) - ドラム、パーカッション (2015年– )
  • アンジェラ・チャン (Angela Chan) - ヴァイオリン、キーボード、パーカッション、バック・ボーカル (2017年– )

旧メンバー 編集

  • スティーヴ・ヒューイット (Steve Hewitt) - ドラム、パーカッション (1994年、1995年、1996年–2007年)
  • ロバート・シュルツベルグ (Robert Schultzberg) - ドラム、パーカッション、ディジュリドゥ (1994年–1995年、1995年–1996年)
  • スティーヴ・フォレスト (Steve Forrest) - ドラム、パーカッション、バック・ボーカル (2008年–2015年) ※元Evaline

旧ツアー・メンバー 編集

  • グザヴィオ・ロイド (Xavior Roide) - キーボード、バック・ボーカル (2003年–2005年)
  • アレックス・リー (Alex Lee) - キーボード、ギター、バック・ボーカル (2006年–2007年)
  • フィオナ・ブライス (Fiona Brice) - ヴァイオリン、キーボード、テルミン、パーカッション、バック・ボーカル (2008年–2017年)

ディスコグラフィ 編集

スタジオ・アルバム 編集

ライブ・アルバム 編集

  • MTV Unplugged (2015年)

コンピレーション・アルバム 編集

  • Covers (2003年、ヴァージン)
  • 『ワンス・モア・ウィズ・フィーリング〜シングルズ1996-2004』 - Once More with Feeling: Singles 1996–2004 (2004年、ヴァージン)
  • 『ア・プレイス・フォー・アス・トゥ・ドリーム』 - A Place For Us To Dream (2016年) ※日本盤は2010年赤坂BLITZ来日公演のライヴ音源を12曲収録したボーナス・ディスク付きの3枚組仕様

DVD 編集

  • 『ソウルメイツ・ネヴァー・ダイ ライブ・イン・パリ2003』 - Soulmates Never Die (Live in Paris 2003) (2004年) ※日本盤は、3月31日に発売された。
  • Once More With Feeling: Single 1996-2004 (2004年) ※日本では、2007年12月に『ギフト・パック / Gift Pack』として発売された。
  • 『ウィ・カム・イン・ピーシーズ〜ライヴ・イン・ロンドン2010』 - We Come In Pieces - live In London 2010 (2011年)
  • MTV Unplugged (2015年)

日本公演 編集

フェス 編集

単独公演 編集

  • 1997年 - 渋谷クラブクアトロ(6月19日)
  • 2001年 - 渋谷ON AIR EAST(1月15日)、心斎橋クアトロ(1月16日)
  • 2010年 - 赤坂BILTZ(3月5日、6日)、心斎橋クラブクアトロ(3月8日)、名古屋クラブクアトロ(3月9日)。ライヴ前後には、レーベルやイベンターによるファンとメンバーの交流の時間も設けられた(事前抽選による)。

脚注 編集

  1. ^ Always on the Run”. 2007年3月7日閲覧。
  2. ^ Gabriella (2001年4月), “Interview with Brian Molko”, NYRock, http://www.nyrock.com/interviews/2001/placebo_int2.asp 2007年3月7日閲覧。 
  3. ^ “Placebo wants you in their video!”, Side-line, (2007年4月5日), http://www.side-line.com/news_comments.php?id=21961_0_2_0_C 2008年2月10日閲覧。 
  4. ^ “Latest news stories (2008.08.06)”, Placebo World (official band site), オリジナルの2007年9月30日時点におけるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20070930131723/http://www.placeboworld.co.uk/news/index.html 2008年8月7日閲覧。 
  5. ^ OFFICIAL PLACEBO INSTAGRAM(2017年7月18日)
  6. ^ Placebo(プラシーボ)|イギリスが生んだオルタナティヴ・ロックを代表するバンドにして、常にシーンに刺激を与え続ける起爆剤的バンド!実に約9年振りとなる超待望の最新作『NEVER LET ME GO』 - TOWER RECORDS ONLINE”. tower.jp. 2022年2月6日閲覧。
  7. ^ プラシーボ、サマーソニックでの体調不良/ステージ・キャンセルを語る - BARKS (2009年12月16日)

外部リンク 編集