プリメーラ・ディビシオン (アルゼンチン)1967


この項では、1967年シーズンのアルゼンチンのプロサッカーリーグ1部プリメーラ・ディビシオンについて記述する。このシーズンはプロリーグ化されてから通算37シーズン目であり、上半期の「トルネオ・メトロポリターノ」と下半期の「トルネオ・ナシオナル」で構成される新たな形式が始まったシーズンである。

アルゼンチンの旗 プリメーラ・ディビシオン
シーズン 1967
優勝 エストゥディアンテスLP (M)
CAインデペンディエンテ(N)
...
1966
1968


トルネオ・メトロポリターノ1967

編集

1967年3月3日から8月6日まで行われた。昨シーズンまでのアルゼンチンサッカー協会直接加盟クラブによるリーグを引き継いだものである。昨シーズンの降格チームはなく、プリメーラB1966優勝のウニオン・デ・サンタフェと昇格プレーオフ1位のデポルティーボ・エスパニョールが昇格したため、22チームに増加した[1]
方式はグループステージ+決勝トーナメントである。11クラブずつグループAとグループBに分かれ、各チームはグループ内での2回戦総当たり(20試合)とローカルーダービー(2試合)の計22試合を戦い、両組の上位2位以内が2戦制のトーナメントに進出する。GSの両組6位以内・計12チームはトルネオ・ナシオナル1967に出場する。両組7位・8位は「トルネオ・プロモシオナル」に出場する。両組下位3チームはプリメーラB上位4チームとの残留/降格プレーオフ「トルネオ・レクラシフィカトリオ」に出場する。


トルネオ・メトロポリターノ
 
シーズン 1967
優勝 エストゥディアンテスLP (2回目)
昇格 ウニオン・デ・サンタフェ
デポルティーボ・エスパニョール
降格 デポルティーボ・エスパニョール
ウニオン・デ・サンタフェ
...
得点王   ベルナルド・アコスタ
(CAラヌース) (18点)

1967シーズンのクラブ

編集
 
優勝したエストゥディアンテスLPの選手たち
チーム ホームタウン
AAアルヘンティノス・ジュニアーズ ブエノスアイレス
CAアトランタ ブエノスアイレス
CAバンフィエルド バンフィエルド
ボカ・ジュニアーズ ブエノスアイレス
チャカリタ・ジュニアーズ ビジャ・マイプー
CAコロン サンタフェ
デポルティーボ・エスパニョール ブエノスアイレス
エストゥディアンテス・デ・ラ・プラタ ラプラタ
クルブ・フェロ・カリル・オエステ ブエノスアイレス
ヒムナシア・イ・エスグリマLP ラプラタ
CAウラカン ブエノスアイレス
CAインデペンディエンテ アベジャネーダ
CAラヌース ラヌース
ニューウェルズ・オールドボーイズ ロサリオ
CAプラテンセ ブエノスアイレス
キルメスAC キルメス
ラシン・クルブ アベジャネーダ
CAリーベル・プレート ブエノスアイレス
CAロサリオ・セントラル ロサリオ
CAサン・ロレンソ・デ・アルマグロ ブエノスアイレス
ウニオン・デ・サンタフェ サンタフェ
CAベレス・サルスフィエルド ブエノスアイレス

地域分布

編集
地域 チーム数 チーム
ブエノスアイレス 10 アルヘンティノス、アトランタ、ボカ、エスパニョール、フェロ・カリル・オエステ、ウラカン、プラテンセ、リーベル、サン・ロレンソ、ベレス
ブエノスアイレス州 6 バンフィエルド。チャカリータ、インデペンディエンテ、ラヌース、キルメス、ラシン
サンタフェ州 4 コロン、ニューウェルズ、ロサリオ・セントラル、ウニオン
ラプラタ 2 エストゥディアンテス、ヒムナシア・イ・エスグリマ

グループステージ

編集

グループA

編集
チーム 出場権
1 ラシン・クルブ 22 10 9 3 30 16 +14 29 決勝トーナメント進出 / トルネオ・ナシオナル出場
2 エストゥディアンテス・デ・ラ・プラタ 22 11 7 4 24 15 +9 29
3 ベレス・サルスフィエルド 22 10 7 5 35 22 +13 27 トルネオ・ナシオナル出場
4 ボカ・ジュニアーズ 22 8 10 4 29 20 +9 26
5 CAラヌース 22 7 8 7 40 29 +11 22
6 キルメスAC 22 6 9 7 27 32 −5 21
7 CAウラカン 22 5 10 7 30 34 −4 20 トルネオ・プロモシオナル出場
8 CAコロン 22 3 13 6 17 23 −6 19
9 ニューウェルズ・オールドボーイズ 22 5 7 10 22 27 −5 17 トルネオ・レクラシフィカトリオ出場
10 AAアルヘンティノス・ジュニアーズ 22 4 7 11 21 43 −22 15
11 CAアトランタ 22 3 8 11 23 35 −12 14

グループB

編集
チーム 出場権
1 CAプラテンセ 22 13 2 7 40 28 +12 28 決勝トーナメント進出
トルネオ・ナシオナル出場権獲得
2 CAインデペンディエンテ 22 10 7 5 33 15 +18 27
3 CAロサリオ・セントラル 22 9 8 5 24 22 +2 26 トルネオ・ナシオナル出場権獲得
4 CAサン・ロレンソ・デ・アルマグロ 22 10 5 7 32 27 +5 25
5 クルブ・フェロ・カリル・オエステ 22 9 6 7 23 21 +2 24
6 CAリーベル・プレート 22 9 5 8 31 23 +8 23
7 ヒムナシア・イ・エスグリマLP 22 8 5 9 25 32 −7 21 トルネオ・プロモシオナル出場
8 CAバンフィエルド 22 6 8 8 21 22 −1 20
8 ウニオン・デ・サンタフェ 22 5 10 7 21 25 −4 20 トルネオ・レクラシフィカトリオ出場
10 デポルティーボ・エスパニョール 22 5 6 11 20 36 −16 16
11 チャカリタ・ジュニアーズ 22 4 7 11 26 47 −21 15

準決勝

編集

決勝

編集

エストゥディアンテス・デ・ラ・プラタがラシン・クルブを3-0で下し、プロリーグ発足以来続いてきた5大ビッグクラブ (ボカ、インデペンディエンテ、ラシン、リーベル、サン・ロレンソ)の支配をついに打ち破った。4-4-2のフォーメーション、カウンターアタックオフサイドトラップセットプレーを駆使して優勝したエストゥディアンテスは先進的なサッカーをしていた[2]

日付 チーム1 チーム2 結果 会場 開催地
8月6日 エストゥディアンテスLP ラシン・クルブ
3–0
エスタディオ・ガソメトロ ブエノスアイレス

トルネオ・レクラシフィカトリオ

編集
チーム 昇格または降格
1 ニューウェルズ・オールドボーイズ 18 8 7 3 20 12 +8 23 プリメーラ・ディビシオンに残留
2 CAアトランタ 18 9 4 5 27 14 +13 22
3 CAティグレ 18 6 8 4 15 12 +3 20 プリメーラ・ディビシオンに昇格
4 CAロス・アンデス 18 6 7 5 20 16 +4 19
4 チャカリタ・ジュニアーズ 18 6 7 5 18 16 +2 19 プリメーラ・ディビシオンに残留
6 AAアルヘンティノス・ジュニアーズ 18 7 4 7 21 24 −3 18
7 クラブ・アルマグロ 18 5 7 6 20 24 −4 17 プリメーラBに残留
7 ウニオン・デ・サンタフェ 18 6 5 7 17 20 −3 17 プリメーラBに降格
9 デポルティーボ・エスパニョール 18 5 5 8 15 21 −6 15
10 デフェンソーレス・デ・ベルグラーノ 18 3 4 11 9 23 −14 10 プリメーラBに残留

トルネオ・プロモシオナル

編集

タイトルにも残留・昇格にも関係のないリーグ戦である。トルネオ・ナシオナルに進出できなかったメトロポリターノのグループ7位・8位チームと、同じくトルネオ・ナシオナル出場権を逃したトルネオ・レヒオナルの4つの地域ブロック準優勝チームが集まってリーグ戦を戦った。

チーム 出場権
1 ヒムナシア・イ・エスグリマLP 14 10 2 2 35 11 +24 22
2 CAウラカン 14 9 3 2 36 15 +21 21
3 CAコロン 14 6 6 2 23 17 +6 18
4 CAバンフィエルド 14 7 3 4 37 18 +19 17
5 スポルティーボ・グスマン 14 4 5 5 20 24 −4 13
6 ラシン・デ・コルドバ 14 3 2 9 16 30 −14 8
6 クルブ・オリンポ 14 3 2 9 17 39 −22 8
8 フベントゥー・アリアンサ 14 2 1 11 18 48 −30 5

得点ランキング

編集
選手 点数 所属
  ベルナルド・アコスタ 18 CAラヌース
  フアン・カルロス・カローネ 17 CAベレス・サルスフィエルド
  アニバル・タラビーニ 16 CAインデペンディエンテ
  アドルフォ・ビエッリ 11 CAロサリオ・セントラル
  オスカル・ロペス 11 ヒムナシア・イ・エスグリマLP
  アルフレッド・オッベルティ 11 CAウラカン


トルネオ・ナシオナル1967

編集
トルネオ・ナシオナル
 
シーズン 1967
優勝 CAインデペンディエンテ (8回目)
リベルタ杯1968 CAインデペンディエンテ
エストゥディアンテスLP
...
得点王   ルイス・アルティメ
(CAインデペンディエンテ) (11点)


トルネオ・メトロポリターノで出場権を獲得した12クラブと、地方州リーグ所属の4クラブの計16クラブが出場した。ホーム・アンド・アウェー2回戦総当たりのリーグ戦形式で、9月8日から12月17日まで行われた。アルゼンチンサッカー協会に直接加盟できないために、プリメーラ・ディビシオンとその下部リーグに参入できないプロビンチアに対して部分的に門戸開放を行ったリーグである。今季はこのトルネオ・ナシオナルの優勝チームと準優勝チームにコパ・リベルタドーレス1968出場権が与えられた。

12月17日の最終節でCAインデペンディエンテが優勝を決めた。偶然にもこれと同じ日に、ローカルライバルであるラシン・クルブはセルティックFCを破ってアルゼンチン勢初のクラブ世界一のタイトルを獲得している[3]

出場チーム

編集
  • アルゼンチンサッカー協会間接加盟クラブ (4)

「トルネオ・レヒオナル1967」の4つの地域グループを勝ち抜いたクラブが出場権を獲得した。

チーム ホームタウン ホームスタジアム
セントラル・コルドバ サンティアゴ・デル・エステロ エスタディオ・セントラル・コルドバ
チャコ・フォーエバー レシステンシア エスタディオ・フアン・アルベルト・ガルシア
サン・ロレンソ マル・デル・プラタ エスタディオ・ヘネラル・サン・マルティン
サン・マルティン・デ・メンドーサ サン・マルティン エスタディオ・ホセ・デ・サン・マルティン
エスタディオ・フェリシアーノ・ガンバルテ

結果

編集
チーム 出場権
1 CAインデペンディエンテ 15 12 2 1 43 14 +29 26
2 エストゥディアンテス・デ・ラ・プラタ 15 9 6 0 19 8 +11 24
3 CAベレス・サルスフィエルド 15 8 4 3 28 14 +14 20
3 CAロサリオ・セントラル 15 8 4 3 26 13 +13 20
5 CAリーベル・プレート 15 9 1 5 33 15 +18 19
6 CAサン・ロレンソ・デ・アルマグロ 15 7 4 4 32 15 +17 18
7 CAラヌース 15 8 0 7 23 26 −3 16
7 ボカ・ジュニアーズ 15 6 4 5 21 20 +1 16
9 クルブ・フェロ・カリル・オエステ 15 5 5 5 21 22 −1 15
9 CAプラテンセ 15 5 5 5 19 20 −1 15
11 キルメスAC 15 5 3 7 16 19 −3 13
11 サン・マルティン・デ・メンドーサ 15 3 4 8 17 31 −14 10
13 ラシン・クルブ 15 2 6 7 11 23 −12 10
14 セントラル・コルドバ 15 2 5 8 11 25 −14 9
15 サン・ロレンソ 15 1 4 10 11 33 −22 6
16 CAチャコ・フォル・エベル 15 1 1 13 11 44 −33 3

得点ランキング

編集
選手 点数 所属
  ルイス・アルティメ 11 CAインデペンディエンテ
  エクトル・ヤサルデ 10 CAインデペンディエンテ
  オスカル・マース 9 CAリーベル・プレート
  エクトル・ベイラ 9 CAサン・ロレンソ・デ・アルマグロ
  ノルベルト・マドゥルガ 8 ボカ・ジュニアーズ
  フアン・ラモン・ベロン 8 エストゥディアンテス・デ・ラ・プラタ
  ダニエル・ウィリングトン 8 CAベレス・サルスフィエルド

脚注

編集
  1. ^ Osvaldo José Gorgazzi. “Argentina - Clubs and List of Divisional Movements 1931-2006”. RSSSF. 2022年4月26日閲覧。
  2. ^ A 48 AÑOS DEL CAMPEÓN METROPOLITANO 67”. エストゥディアンテス・デ・ラ・プラタ (2015年8月6日). 2022年4月27日閲覧。
  3. ^ Juan Manuel Trenado (2017年12月14日). “El día que Independiente le armó la fiesta al Racing campeón y terminaron celebrando juntos”. ラ・ナシオン. 2022年4月27日閲覧。

外部リンク

編集