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プリンスオブウェールズ島 (アラスカ州)

プリンスオブウェールズ島 (英語: Prince of Wales Island)は、アメリカ合衆国アラスカ州アラスカ・パンハンドル(太平洋沿岸を南東へ取っ手のように領土が伸びている地域)にあるアレキサンダー諸島の島のひとつ。属領を含むアメリカ合衆国領の島のなかで4番目に大きな島である。

プリンスオブウェールズ島
NWCoast1a.png
Prince of Wales Island (Alaska)
プリンスオブウェールズ島 (アラスカ州)の位置(アラスカ州内)
プリンスオブウェールズ島 (アラスカ州)
地理
場所 北アメリカ
座標 北緯55度37分 西経132度54分
諸島 アレキサンダー諸島
面積 6,674 km2 (2,577 sq mi)
最高標高 3,996 ft (1,218 m)
最高峰 Neversummer ridge(Alaska)
行政
アラスカ州
非自治郡
国政統計区 プリンスオブウェールズ・ハイダー国勢調査地域英語版
追加情報
時間帯
 • 夏時間(DST

地理・自然環境編集

島は長さ135 マイル (217 km)、幅45 マイル (72 km)、面積2,577 sq mi (6,674 km2)でアメリカ合衆国のデラウェア州より少し大きいその島におよそ4000人の人が住んでいる。

 
クレイグ

最大の街は20世紀初頭に魚の塩漬け加工業の関係者によって拓かれたクレイグ英語版で人口およそ1000人。

他に漁業で栄えた歴史ある街のクラウォック英語版(人口約750人)や、1900年からおよそ1915年にかけて鉱山のブームにより作られたものの放棄された街を1950年代に丸太小屋集落として再建した街であるホリス英語版(人口約100人)がある。

山脈の山々の標高は、更新世氷河作用の影響を受けつつも3,000 フィート (914 m)を超えているものがある。フィヨルド、急斜面の山、深い森がこの島を特徴づけている。広大な石灰岩の洞窟があり、エル・キャピタン・ピットと呼ばれているドリーネは深さ598.3 フィート (182.4 m)で、アメリカ合衆国で一番深いドリーネの可能性がある。

気候は、海況により発生する霧がこの島に大きな影響を与えている。

島のほとんどがトンガス国立森林公園英語版に指定されている。

島には国立原生自然保全制度英語版により指定されているカラ川原生地域英語版南プリンスオブウェールズ原生地域英語版の二つの原生地域がある。

この島はプリンスオブウェールズ・ハイダー国勢調査地域英語版に属している。

 
島東部カサン半島英語版東岸のパノラマ

歴史編集

島の先住民は伝統的にトリンギットの領域で、ハイダ族が流入してきたのは18世紀末のことである。

トリンギット語における島の名前、Taanは、シーライオン(アシカ)の意味である。

1741年、ヴィトゥス・ベーリングが行った二度目の探検に随行したアレクセイ・チリコフ英語版がプリンスオブウェールズ島のすぐ西にあるベーカー島英語: Baker_Island_(Alaska)に到達した (この探検の詳細はヴィトゥス・ベーリングの記述を参照のこと)[1]。この探検がヨーロッパ人がこの地域に最初に足を踏み入れた記録となっている。

1774年スペインの探検家ジョアン・ペレス英語版がこの海域に到達した。

1779年にはイギリスジェームズ・クックがこの周辺を探検した (この探検の詳細はジェームズ・クックの記述を参照のこと)。

1786年にフランスラ・ペルーズ伯がアラスカを探検した際、島周辺を探検した (この探検の詳細はラ・ペルーズ伯の記述を参照のこと)。

コルダー湾には、アラスカで最初のサケの塩漬け加工場の跡がある。

19世紀終わりにはなどの金属鉱業が起こり、1950から1970年代にかけてはBokan Mountain英語版ウランが採掘された。

島の経済編集

林業編集

歴史的に林業は島の主力産業であったが、現在では小規模な製材業程度となっている。

1975年にはポイント・ベイカー・アソシエーションなどが合衆国森林局英語版に島北部の400,000 エーカー (160,000 ヘクタール)の土地の森林伐採の差し止めを訴えた。

1975年12月、レッド湾の西側からコルダー湾の最東端にわたる、島北部400,000 エーカー (161,874 ha)の土地に対する皆伐(かいばつ)禁止命令の判決が出た。

それに対して1976年3月、アメリカ連邦議会は国有森林管理法英語版を制定し、判決を無効にした。

それにより皆伐禁止命令は無効にされたが、島北端の市場価値ある森林資源のうち半分ほどしか伐採されなかった。

観光編集

スポーツ・フィッシング(遊漁)などの観光事業はこの島の経済の一部を支える重要な事業である。

フェリー会社による島へのアクセスルートの整備と以前に開かれた林業事業者による林道整備による島内の移動手段の整備が観光客の増大につながった。

漁業編集

漁業は島各地の経済の基盤である。

夏の間はトロール漁地引き網漁サケを捕獲し、延縄漁(はえなわりょう)ではオヒョウアブラボウズの捕獲。

アメリカイチョウガニ小エビ(シュリンプ)の漁は一年中行われている。

冬にはアメリカナミガイナマコウニ潜水漁が行われている。

行政編集

この島のほとんどの地域は連邦政府の所有地であり、特にクレイグとトーンベイの二つの森林管理地域は住民に多くの雇用を提供している。

鉱業編集

 
Bokan Mountainの位置

鉱物資源の探査活動は島の各地で継続している。

アラスカ州における唯一のウラン鉱山がこの島南部のケンドリック湾にあったBokan Mountain鉱区、ロス・アダムス鉱山であった。 現在は鉱山の修復計画が続いていることが地元メディアによって報じられている。と同時にレア・アースメタルの探査活動が引き続き行われている。

Bokan Mountain鉱区には、アメリカ合衆国では最大のジスプロシウムを始めとするレア・アースメタルの相当量の埋蔵が推定され、採掘が予定されている。

交通編集

道路編集

以前は、納税者の融資を原資として林業業者によって開かれたおよそ2,500 マイル (4,000 km)の道路があったが、伐採の終了とともにそのほとんどは役目を終え打ち捨てられた。

現在でも道路の内、ほんの一部しか舗装されていない。舗装や維持には多額の費用を要し、1974年には島北部のポイント・ベイカーやポート・プロテクション地区は地区の道路を島全体の道路システムに接続することを断念していた。

現在では州によって新しく計画された500kmに及ぶ道路が島のほとんどの集落を結んでいる。

物流編集

いくつかの企業が、太平洋湾岸の港からこの島を含む南東のアラスカ各地の港に対するはしけによる定期的な物流サービスを行っている。プリンスオブウェールズ島における主要港はクレイグである。

連絡船編集

 
ケチカン港のフェリー

インターアイランド・フェリーオーソリティー(FIA)がアラスカ本土ケチカンと島を毎日3時間(36マイル)で結んでいる。 年間5万人以上の人と1万2000台の乗り物が運ばれている。

飛行場編集

クレイグ空港英語版(IATA: KLWICAO: PAKWFAA LID: AKW)が島唯一の飛行場である。他に水上飛行機の基地が数か所ある。ケチカンの商用航空会社4社が島との間に定期便を就航させている。

集落編集

脚注編集

  1. ^ L.ベルグ『カムチャツカ発見とベーリング探検』龍吟社、1942年、P.336。

外部リンク編集