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プレミアシップ・ラグビー: Premiership Rugby)は、イングランドのプロラグビーユニオン競技会である。スポンサー名を冠してギャラガー・プレミアシップ・ラグビー(Gallagher Premiership Rugby)またはギャラガー・プレミアシップとも呼ばれる[1]。プレミアシップは12クラブからなり、イングランドのラグビーユニオンの構成英語版の最上位ディビジョンである。プレミアシップのクラブは欧州の2つの主要なクラブ競技会、ヨーロピアンラグビーチャンピオンズカップヨーロピアンラグビーチャレンジカップへの出場資格を得る。シーズン毎にプレミアシップで最下位に終わったチームは2部のRFUチャンピオンシップへ降格する。RFUチャンピオンシップの優勝チームはプレミアシップへ昇格する。

Premiership Rugby
スポーツ ラグビーユニオン
創設 1987年(32年前) (1987
チーム数 12
国数 イングランドの旗 イングランド
最新優勝者 サラセンズ(5回目) (2018-19)
最多優勝者 レスター・タイガース(10回)
ウェブサイト premiershiprugby.com
放送局 BT Sport英語版
Channel 5 (ハイライトのみ)

リーグ戦形式の大会は1987年から開催され、現在のプレミアシップの体制へと発展してきた。

概要編集

プレミアシップのシーズンは、毎年9月から5月にかけて12チームによるホーム・アンド・アウェー方式の総当たり戦(計22試合)を行い、勝ち点を競う。

勝ち点は次のように与えられる。

  • 勝ち…4点
  • 引き分け…2点
  • 負け…0点(ただし7点差以内の負け…1点)
  • 1試合に4トライ以上…1点

レギュラーシーズンで4位以内だったチームは優勝を決めるプレーオフに進出する。1位は4位と、2位は3位とそれぞれ準決勝を行い、1位と2位のチームはホームアドバンテージを持つ。準決勝で勝利したチームがトゥイッケナム・スタジアムで行われる決勝に臨む。最下位に終わったチームは下部リーグのRFUチャンピオンシップに降格し、次のシーズンにはRFUチャンピオンズシップでプレーオフを勝ち抜いたチームが昇格することとなる。また、上位6チームは次のヨーロピアンラグビーチャンピオンズカップへの出場権を得る。

歴史編集

始まり: 1972年までのイングランド国内ラグビーユニオン編集

イングランドにおけるラグビーユニオンの統括団体、ラグビー・フットボール・ユニオン(RFU)は、リーグ構造の導入が「汚ない」プレーを増やし、クラブに対して選手へ支払いを行うように圧力をかける(それによってアマチュア精神に背く)ことになると考えていたため、これに長年あらがった。その代わりに、クラブは自身で試合を企画し、伝統戦を有していた。唯一の組織された大会はカウンティカップとカウンティ選手権であった。前者はクラブによって、後者はカウンティ(州)代表チームによってプレーされた。デイリー・テレグラフ紙ならびに(ヨークシャー・ポスト英語版紙といった)いくつかの地方紙はチームの成績に基づいて「ペナント」を編纂したが、大会の強さにはばらつきがあったため、これはせいぜいシーズンを通したチームの成績の見積もりだった。

1972年–1995年: リーグとカップ編集

1972年、ノックアウト方式の全国カップ、RFUクラプ競技会(アングロ=ウェルシュ・カップ英語版の前身)を認可した。まずは地域のメリットテーブル(実績表の意味)がこれに続き、続いて1980年代中頃に全国的なメリットテーブルが続いた。リーグ戦への移行の原因の1つは、新しい定期的な大会により時間がとれなくなり、一部の伝統戦が失われたためであった。

リーグシステムはカーリッジリーグが設立された1987年以来発展し、現在はおよそ1000クラブが昇格降格制度のある108のリーグに分かれてプレーしている。

初シーズン、クラブはお互いに都合の良い日付に試合を開催する予定だった。初年度参加クラブはバースブリストルコヴェントリーグロスターハリクインズレスターモーズリーノッティンガムオレルセールワスプスウォータールーであった。初シーズンは全面的な成功となり、全国リーグの上位階級のクラブは観客数の増加、地元の支持者と全国的な企業からの関心、定期的な試合開催による選手の技術水準の向上が報告された。リーグ戦の導入がフィールド上での暴力の増加をもたらすという懸念は概して杞憂に終わった。

翌シーズンまでに、RFUはリーグ戦の開催日を土曜日の固定し、これによってクラブが試合のスケジュール調整を行う必要がなくなった。草創期にはホーム・アンド・アウェー構造はなく、各チームが互いに1度対戦した。

初期はバースレスターの2チームが順位表の上位を独占した。

1994年、リーグ構造が初めてホーム・アンド・アウェーの総当たり方式に拡大された。1994-95シーズンは初めてSky Sportsによるライブ中継が始まった(Sky Sportsによる中継はBT Sportsが独占放映権を取得する2013ー14シーズンまで続いた)[2]

1996年: プロラグビーユニオンの幕開け編集

リーグは1996-97シーズンにプロフェッショナルに転換し、ロンドン・ワスプスが初代王者となった。サラセンズニューキャッスルノーサンプトンのようなクラブは富裕層の後援者を引き付けることができた。しかし一方、プロ時代になって、ウェストハートルプールリッチモンドロンドン・スコティッシュのようなクラブは支援者が手を引いたことで破産を余儀無くされる結果をもたらした[3]

2000年–2002年: プレミアシップ、チャンピオンシップ、プレーオフ編集

2000-01シーズンはシーズン構造の再補修が行われた。2000-2001シーズンん、8チームによるプレーオフ(チャンピオンシップ)が導入された。しかしながら、 レギュラーシーズンを首位で終えたチームがまだイングランドチャンピオンと見なされた。

2001-02シーズンからは8チームプレーオフの優勝者にイングランドチャンピオンの栄誉が与えられることが論議を呼びながら決定された[4]。ファンからの激しい抗議があり、この提案は撤回された。

2003年–2014年: プレーオフが優位に編集

2002-03シーズンから、新たなプレーオフ形式が導入された。ここでは、レギュラーシーズン首位のチームが、2位と3位のチーム間の試合の勝者と対戦することになった。この試合(プレミアシップファイナル)の勝者はイングランドチャンピオンとして認められることとなる。グロスターは大差でリーグを制覇したものの、ファイナルまで3週間待たなかえればいけなかった。勢いを失ったグロスターは、(プレーオフ初戦でシーズン3位のノーサンプトンを破って勢いに乗る)ワスプスに敗れた。プレーオフ構造は2005-06シーズンに改革され、1位のチームは準決勝で4位のチームと対戦するようになった(ショーネシープレーオフ方式英語版)。

2014年–現在: 米国構想編集

イングランドのプレミアシップ・ラグビー・リミテッドとフランスのリーグ・ナシオナル・ド・リュグビー英語版(LNR)との対立のため、2013–14以後のハイネケンカップの将来が不確かなものとなり、プレミアシップ・ラグビー・リミテッドはブランドをアメリカ合衆国へ拡大するいくつかの動きを模索した。2013年5月、プレミアシップ・ラグビー・リミテッドと米国が拠点のRugbyLawは早ければ2014年には米国でプロラグビーリーグを設立する計画に入った[5]。この計画の第一段階として、ベテランの代表選手と若いアメリカ人選手の合同チームである「アメリカン・バーバリアンズ」が出場する2試合のプレシーズン公開試合が含まれていた。「アメリカン・バーバリンアンズ」は2013年8月に米国とロンドンで試合を行う予定だったが、この計画は頓挫し、試合は無期限に延期された[6]

2013年8月、レスター・タイガーズのチェアマン、Peter Tomは、プレミアシップ・ラグビー・リミテッドがプレミアシップの試合を米国で開催する可能性について議論してきたことを確認した[5][7]。アメリカ合衆国での初試合は2016年3月12日開催され、ニューヨーク都市圏にあるレッドブル・アリーナサラセンズロンドン・アイリッシュを破った[8]。この試合はロンドン・アイリッシュが各シーズン1試合のホームゲームを米国でプレーするという3年契約の1回目であったが、ロンドン・アイリッシュが2015-16シーズン終了時にプレミアシップから降格したことでこの計画は断念された[9]。2017年にアメリカのスポーツマーティンング企業AEGと新たな契約が結ばれ、2017–18からの4シーズンにプレミアシップの試合を少なくとも1回米国で見られるようにすることになった。この新契約の下での初試合は2017年9月16日に開催され、ペンシルバニア州フィラデルフィア郊外のチェスターにあるタレン・エナジー・スタジアムニューキャッスル・ファルコンズサラセンズ相手のホームゲームをプレーした[9]。2018-19シーズンは米国での試合開催は計画されいなかったものの、サラセンズとハリクインズとのラウンド6の試合がプレミアシップ・ラグビーの試合として初めて米国のテレビネットワーク英語版で放送された。

クラブ編集

2019–20シーズン編集

Premiership Rugby clubs
クラブ 創設年 本拠地 スタジアム 収容人数 タイトル数(最終)
バース 1865年 バース レクリエーション・グラウンド 14,500 6 (1996)
ブリストル・ベアーズ 1888年 ブリストル アシュトン・ゲート 27,000 0 (N/A)
エクセター 1871年 エクセター サンディ・パーク 12,921 1 (2017)
グロスター 1873 グロスター キングスホルム・スタジアム 16,115 0 (N/A)
ハリクインズ 1866年 ロンドントゥイッケナム トゥイッケナム・ストゥープ 14,800 1 (2012)
レスター・タイガーズ 1880年 レスター ウェルフォード・ロード 25,849 10 (2013)
ロンドン・アイリッシュ 1898年 レディング マデイスキー・スタジアム 24,161 0 (N/A)
ノーサンプトン・セインツ 1880年 ノーサンプトン フランクリンズ・ガーデンズ 15,249 1 (2014)
セール・シャークス 1861年 サルフォード サルフォード・シティ・スタジアム 12,000 1 (2006)
サラセンズ 1876年 ロンドンヘンドン アリアンツ・パーク 8,500 5 (2019)
ワスプス 1867年 コヴェントリー リコー・アリーナ 32,753 6 (2008)
ウスター・ウォリアーズ 1871年 ウスター シックスウェイズ・スタジアム 11,499 0 (N/A)
  • 註: ラグビーユニオンの試合のための収容人数はスタジムアの公式な収容人数とは異なる。

スポンサーシップ編集

期間 スポンサー 名称
1987–1997 カーリッジ・ブルワリー英語版 Courage League National Division One
1997–2000 アライド・ダンバー英語版 Allied Dunbar Premiership
2000–2005 チューリッヒ保険グループ Zurich Premiership
2005–2010 ギネス Guinness Premiership
2010–2018 アビバ Aviva Premiership
2018–current アーサー・J・ギャラガー& Co.英語版 Gallagher Premiership

歴代優勝クラブ編集

プレーオフ決勝編集

シーズン プレーオフ優勝 Score 準優勝 観客数 レギュラー1位
2000–01* レスター 22–10 バース 33,500 レスター
2001–02* グロスター 28–23 ブリストル 28,500 レスター
2002–03 ワスプス 39–3 グロスター 42,000 グロスター
2003–04 ワスプス 10–6 バース 59,500 バース
2004–05 ワスプス 39–14 レスター 66,000 レスター
2005–06 セール・シャークス 45–20 レスター 58,000 セール・シャークス
2006–07 レスター 44–16 グロスター 59,000 グロスター
2007–08 ワスプス 26–16 レスター 81,600 グロスター
2008–09 レスター 10–9 ロンドン・アイリッシュ 81,601 レスター
2009–10 レスター 33–27 サラセンズ 81,600 レスター
2010–11 サラセンズ 22–18 レスター 80,016 レスター
2011–12 ハリクインズ 30–23 レスター 81,779 ハリクインズ
2012–13 レスター 37–17 ノーサンプトン 81,703 サラセンズ
2013–14 ノーサンプトン 24–20 (aet) サラセンズ 81,193 サラセンズ
2014–15 サラセンズ 28–16 バース 80,589 ノーサンプトン
2015-16 サラセンズ 28-20 エクセター 77,109 サラセンズ
2016-17 エクセター 23-20 (aet) ワスプス 79,657 ワスプス
2017-18 サラセンズ 27-10 エクセター 75,128 エクセター
2018-19 サラセンズ 37-34 エクセター 75,329 エクセター
  • *2001と2002シーズンは上位8チームによるトーナメント方式で優勝を争った。
  • aet - 延長戦での決着

出典編集

  1. ^ “Gallagher Premiership Rugby to kick off on 31 August 2018” (プレスリリース), Premiership Rugby, (2018年4月12日), https://www.premiershiprugby.com/2017-2018/gallagher-premiership-rugby-to-kick-off-on-31-august-2018/ 2018年4月17日閲覧。 
  2. ^ Partners | Sky Sports”. Premiership Rugby (2012年6月28日). 2013年7月31日閲覧。
  3. ^ Club History”. London Scottish FC (2013年4月13日). 2016年4月19日閲覧。
  4. ^ “Leicester livid as seasons spoils are left up for grabs”. The Independent. (2001年2月10日). https://www.independent.co.uk/sport/rugby/rugby-union/leicester-livid-as-seasons-spoils-are-left-up-for-grabs-691178.html 2009年1月28日閲覧。 
  5. ^ a b Dart, Tom (2013年5月11日). “NFL joins plan aiming to create professional rugby union league in US”. Guardian Media. https://www.theguardian.com/sport/2013/may/11/nfl-rugby-union-rugbylaw-barbarians-irish 2013年8月4日閲覧。 
  6. ^ Dart, Tom (2013年6月5日). “US professional rugby union project delayed to 2014”. Guardian Media. https://www.theguardian.com/sport/2013/jun/05/us-professional-rugby-union-london-irish 2013年8月4日閲覧。 
  7. ^ “America to host Aviva Premiership matches?”. ESPN Scrum. (2013年8月4日). http://www.espnscrum.com/premiership-2013-14/rugby/story/192919.html 2013年8月4日閲覧。 
  8. ^ “London Irish to play Saracens in New York Premiership match”. (2015年10月27日). https://www.bbc.co.uk/sport/0/rugby-union/34647359 2015年10月27日閲覧。 
  9. ^ a b Pengelly, Martin (2017年5月17日). “Saracens to face Newcastle in Philadelphia under four-year US deal”. Theguardian.com. https://www.theguardian.com/sport/2017/may/17/saracens-newcastle-philadelphia-premiership-rugby 2017年5月22日閲覧。 

関連項目編集

公式HP編集

公式HP(英語)