ベサメ・ムーチョ
「ベサメ・ムーチョ」(Bésame mucho)は、1940年にメキシコのコンスエロ・ベラスケスによって書かれた楽曲[1]。彼女はこの曲を、16歳の誕生日前に作った。
「ベサメ・ムーチョ」 | |
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楽曲 | |
作詞者 | コンスエロ・ベラスケス |
作曲者 | コンスエロ・ベラスケス |
インスピレーションと翻訳編集
ベラスケス自身によれば、この曲を書いた時点で彼女はまだキスを未経験で、キスとは罪深いもののように思えたという[2]。
スペインのエンリケ・グラナドスによる1916年のオペラ『ゴイェスカス』のアリア『嘆き、またはマハと夜鳴きうぐいす』の影響を受けている[1]。
歌詞は、サニー・スカイラーにより英訳された。「ベサメ・ムーチョ」のフレーズは、スペイン語で「私にたくさんキスをして」という意味になる。 『ベサメ・ムーチョ』の翻訳曲名は、"Kiss Me Much"、"Kiss Me a Lot"、"Kiss Me Again and Again"、"Embrasse-Moi"、"Stale Ma Bozkavaj"、"Suutele minua"、"Szeretlek én" などが知られている。
オリジナルの歌詞とその意味編集
Bésame, bésame mucho, |
私にキスをして、たくさんキスをして |
Quiero tenerte muy cerca, |
あなたを抱きしめたい |
Bésame, bésame mucho, |
私にキスをして、たくさんキスをして |
評価編集
「ベサメ・ムーチョ」は、多くの映画のサウンドトラックに使用されている(『アリゾナ・ドリーム』、『モスクワは涙を信じない』、『JUNO/ジュノ』、『モナリザ・スマイル』、『Great Expectations』、『A toda máquina』、『Moon Over Parador』、『The Naked Gun 2½: The Smell of Fear』、『In Good Company』、『Paid』、『Mivtza Savta』、『Ljubav i drugi zločini』、『サンタ・サングレ/聖なる血』など)。
2007年、作曲・編曲家でジャズ・トロンボーン演奏家のスティーブ・ウィーストは、グラミー賞最優秀インスタルメンタル・アレンジメント賞にノミネートされたが、これはメイナード・ファーガソンの『The One and Only Maynard Ferguson』でレコーディングした「ベサメ・ムーチョ」を対象としたものである。
カバー・バージョン編集
初めて「ベサメ・ムーチョ」をレコーディングしたのはエミリオ・トゥエロだが、その後多くのアーティストにレコーディングされた。
ボブ・エバリー & キティー・カレン with ジミー・ドーシー & ヒズ・オーケストラによるカバー・バージョンは、1944年に米国のチャートで1位を獲得した[3]。
ビートルズは、1962年1月1日のデッカ・オーディションでレコーディングを行ない、6月6日に行なわれたアビー・ロード・スタジオでの最初のセッションにて第2バージョンをレコーディングした。後者は、1995年に発売された『ザ・ビートルズ・アンソロジー1』に収録されている[4]。なお、デッカ・オーディションでレコーディングした音源は、1982年に日本で発売された『シルヴァー・ビートルズ』に収録されている。
脚注編集
- ^ a b Fox, Margalit (2005年1月30日). “Consuelo Velázquez Dies; Wrote 'Bésame Mucho'”. The New York Times
- ^ Burton, Tony. “Did You Know? Consuelo Velázquez and "Bésame mucho". : Mexico Culture & Arts”. Mexconnected.com. 2019年10月13日閲覧。
- ^ Whitburn, Joel (1986). Joel Whitburn's Pop Memories 1890–1954. Menomonee Falls, Wisconsin: Record Research Inc.. p. 132. ISBN 0-89820-083-0
- ^ “A 50 años del Bésame mucho de los Beatles”. BBC (2012年7月9日). 2019年10月13日閲覧。
外部リンク編集
- Besame Mucho - The Beatles