ベッペ・ガビアーニ
ジュゼッペ・"ベッペ"・ガビアーニ(Giuseppe "Beppe" Gabbiani、1957年1月2日 - )は、イタリア出身の元レーシングドライバー。
ベッペ・ガビアーニ | |
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基本情報 | |
フルネーム | ジュゼッペ・ガビアーニ |
国籍 | イタリア |
出身地 | 同・ピアチェンツァ |
生年月日 | 1957年1月2日(67歳) |
F1での経歴 | |
活動時期 | 1978年,1981年 |
所属チーム |
'78 サーティース '81 オゼッラ |
出走回数 | 17 (3スタート) |
優勝回数 | 0 |
表彰台(3位以内)回数 | 0 |
ポールポジション | 0 |
初戦 | 1978年アメリカグランプリ |
最終戦 | 1981年ラスベガスグランプリ |
経歴
編集ヨーロッパでの経歴
編集イタリアの富豪の息子で、恵まれた環境に育った[1]。親からの潤沢な資金支援を受け、レーシングカートから始まったレーシングキャリアは1974年に17歳でイタリア・カート選手権の100ccクラスでチャンピオンを獲得し頭角を現した。
1977年よりF3にステップアップし、トリヴェラート・レーシングから参戦。チームメイトはエリオ・デ・アンジェリスであった。1978年にはF2へと順調にステップアップし、同年中に21歳で最高峰フォーミュラ1へと駆け上がった。しかし1978年にシートを得たのはF1からの撤退目前となっていた下位チーム・サーティースで、終盤2戦に参戦したがいずれも予選落ちに終わる。
1979年はBMWジュニアチームに移籍。ヨーロッパF2で最高位2位(表彰台3回)を記録し、ランキング5位と好調なシーズンを送ると、1981年に再度F1のチャンスが訪れ、イタリアのプライベイトチーム・オゼッラのレギュラーシートを獲得したが、オゼッラ・FA1Bは戦闘力、完走能力共に低く全15戦のうち予選を通過できたのは3戦のみ、その3戦とも決勝リタイアとF1では結果を残せなかった。
1982年より再びヨーロッパF2選手権に参戦。ドイツのマウラー・モータースポーツと契約し[2]、ステファン・ベロフとのコンビとなった。マウラーのオリジナルマシンMM82で開幕戦からベロフが優勝、ガビアーニも3位と揃って表彰台を獲得するなど上位の常連となり、年間ランキングもベロフ4位、ガビアーニ5位と堅調な結果を残した。
1983年にマーチシャーシのワークス・チームであるオニクス・レーシングに移籍。マシンの戦闘力もあり、序盤5レースで4勝を挙げるなどガビアーニを中心にシーズンが進み、チャンピオンシップを大きくリード。ジョナサン・パーマー、マイク・サックウェルのラルト・ホンダ勢とチャンピオン争いをするが、ガビアーニがシーズン後半戦に失速したのに対し、ラルト勢は6連勝を挙げたことで逆転され、ランキング3位となった[1]。この年がキャリアのピークとなり、1986年と1987年には国際F3000選手権にスポット参戦するも成績を残せず、フォーミュラカーでのキャリアを終えた。
以後、ガビアーニはWSPC、イタリア・スーパーツーリズモ選手権、FIA スポーツカー選手権など様々なカテゴリーに2011年まで参戦した。ベッペとは愛称であり、ジュゼッペ・ガビアーニと表記されていた場合もある。
日本での経歴
編集ガビアーニは全日本F2選手権や全日本ツーリングカー選手権にもスポット参戦歴があり、1979年のF2開幕戦・鈴鹿BIG2&4では、トップを走る星野一義がガビアーニを周遅れと勘違いしたため終盤に先行させるという幸運を逃さず優勝を果たした[3]。しかし同年のF2最終戦・JAF鈴鹿グランプリではヘアピンコーナー手前で長谷見昌弘に追突し、浮き上がったガビアーニのマシンが前方の和田孝夫の頭上から落ちる形となる多重クラッシュの要因を作り、和田は意識を失い病院に搬送され3ヶ月入院、長谷見はガビアーニの追い抜きを「俺と和田がイン押さえてるんだからよせばいいのに入ってきて、あのバカ宙に飛んだよ」と批判コメントをする事態を招いた。さらにはガビアーニが和田を救助することなく、自身の脱げたレーシングシューズを探している様子をTVカメラがとらえており、批判された[4]。
このほか、1986年の全日本耐久選手権(グループC)に童夢からレギュラー参戦している。
レース戦歴
編集ヨーロッパ・フォーミュラ3選手権
編集年 | エントラント | シャシー | エンジン | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | Pos. | Pts |
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1977年 | トリヴェラート | シェブロン B38 | トヨタ 2T-G | LEC 1 |
NÜR Ret |
ZAN 6 |
ZOL Ret |
ÖST 13 |
IMO DNQ |
PER DNQ |
MNZ 2 |
CET 2 |
KNU 3 |
KAS | DON 18 |
JAR 12 |
VLL Ret |
4位 | 26 |
全日本フォーミュラ2選手権
編集年 | 所属チーム | マシン | タイヤ | 車番 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 順位 | ポイント |
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1978年 | シェブロンカーズ | シェブロン・B40 BMW M12 | B | 2 | SUZ | FSW | SUZ 7 |
SUZ | SUZ | NIS | SUZ | -[5] | -[5] |
1979年 | DIATONEレーシング(ルマン商会) | マーチ・782 BMW | B | 9 | SUZ 1 |
-[5] | -[5] | ||||||
NIKKOセミデラコン(ルマン商会) | マーチ・792 BMW | 6 | SUZ Ret |
ヨーロッパ・フォーミュラ2選手権
編集年 | チーム | シャーシ | エンジン | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 順位 | ポイント |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1978年 | トリヴェラート・レーシング | シェブロン・B42 | フェラーリ Dino | THR 7 |
HOC 11 |
NÜR Ret |
PAU | MUG Ret |
VLL 5 |
ROU DNQ |
DON DNQ |
NOG 15 |
PER Ret |
MIS 12 |
HOC DNQ |
19位 | 2 | |
1979年 | Polifac BMW Junior Team | マーチ・792 | BMW M12/7 | SIL DNS |
HOC Ret |
THR Ret |
NÜR 11 |
VLL Ret |
MUG 2 |
PAU 4 |
HOC 3 |
ZAN Ret |
PER 9 |
MIS 2 |
DON DNS |
5位 | 19 | |
1980年 | チーム・ミナルディ | ミナルディ・G75 | THR | HOC | NÜR | VLL | PAU | SIL 14 |
17位 | 1 | ||||||||
MM チーム・マミペ | マウラー・MM80 | ZOL Ret |
MUG 11 |
ZAN 6 |
PER Ret |
MIS 7 |
HOC Ret |
|||||||||||
1982年 | マウラー・モータースポーツ | マウラー・MM82 | SIL 3 |
HOC 5 |
THR 4 |
NÜR DNS |
MUG Ret |
VLL Ret |
PAU Ret |
SPA 8 |
HOC 2 |
DON 4 |
MAN 3 |
PER Ret |
MIS 3 |
5位 | 26 | |
1983年 | オニクス・レーシング | マーチ・832 | SIL 1 |
THR 1 |
HOC Ret |
NÜR 1 |
VLL 1 |
PAU Ret |
JAR 7 |
DON Ret |
MIS Ret |
PER 4 |
ZOL Ret |
MUG 9 |
3位 | 39 | ||
1984年 | マーチ・842 | SIL | HOC | THR | VLL | MUG | PAU | HOC | MIS | PER Ret |
DON | BRH | NC | 0 |
国際F3000選手権
編集年 | チーム | シャーシ | エンジン | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 順位 | ポイント |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1986年 | ITI 3000 | マーチ・86B | コスワース DFV | SIL | VLL | PAU | SPA | IMO | MUG | PER | ÖST | BIR | BUG DNQ |
JAR | NC | 0 |
1987年 | ファースト・レーシング | マーチ・87B | SIL | VLL 12 |
SPA Ret |
PAU | DON | PER | BRH | BIR | IMO | BUG | JAR | NC | 0 |
フォーミュラ1
編集(key)
年 | エントラント | シャーシ | エンジン | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | WDC | ポイント |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1978年 | サーティース | TS20 | フォード・ コスワース DFV 3.0 V8 | ARG | BRA | RSA | USW | MON | BEL | ESP | SWE | FRA | GBR | GER | AUT | NED | ITA | USA DNQ |
CAN DNQ |
NC | 0 |
1981年 | オゼッラ | FA1B | フォード・コスワース DFV 3.0 V8 | USW Ret |
BRA DNQ |
ARG DNQ |
SMR Ret |
BEL Ret |
MON DNQ |
ESP DNQ |
FRA DNQ |
GBR DNQ |
GER DNQ |
AUT DNQ |
NED DNQ |
ITA DNQ |
CAN DNQ |
CPL DNQ |
NC | 0 |
ル・マン24時間レース
編集年 | チーム | コ・ドライバー | 車両 | クラス | 周回 | 総合 | クラス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1981年 | マルティーニ・レーシング | エマニュエル・ピロ | ランチア ベータ モンテカルロ | Gr.5 | 47 | DNF | DNF |
1984年 | スクーデリア・ジョリー・クラブ | ピエルルイジ・マルティニ ザナヴィエ・ラピレー |
ランチア LC2 | C1 | 117 | DNF | DNF |
1986年 | 童夢 | エイエ・エリジュ 鈴木利男 |
童夢 86C-L | C1 | 296 | NC | NC |
2003年 | Racing for Holland | トリスタン・ゴメンディ フェリペ・オルティズ |
童夢 S101 | LMP900 | 316 | DNF | DNF |
2006年 | Creation Autosportif Ltd. | ジェイミー・キャンベル=ウォルター フェリペ・オルティズ |
Creation CA06/H | LMP1 | 240 | DNF | DNF |
全日本耐久選手権/全日本スポーツプロトタイプカー耐久選手権
編集年 | 所属チーム | コ.ドライバー | 使用車両 | タイヤ | 車番 | クラス | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 順位 | ポイント |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1986年 | ワコール童夢トヨタ | エイエ・エリジュ | 童夢・84C/トヨタ | D | 38 | C1 | SUZ Ret |
位 | ||||||
エイエ・エリジュ | 童夢・86C/トヨタ | FSW 4 |
FSW Ret |
SUZ Ret |
FSW 22 |
FSW |
全日本ツーリングカー選手権
編集年 | チーム | コ.ドライバー | 使用車両 | 車番 | クラス | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 順位 | ポイント |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1986年 | ワコールFX | 岡本佳織 | トヨタ・カローラFX | 21 | DlV.1 | NIS Ret |
SUG | TSU | SEN | FSW | SUZ | 位 |
脚注
編集- ^ a b A DAY IN A SINSE スパF2グランプリ1982 Racing On 1988年1月号 132頁 武集書房 1988年1月1日発行
- ^ Beppe Gabbiani biography Historic Racing. 2008年3月10日
- ^ 1979全日本BIG2&4レースF2 日本自動車連盟モータースポーツ 1979年リザルト
- ^ 「マシンが空から頭上に降って来た!」大クラッシュで記憶を三ヶ月間失うことに|ヨコハマタイヤと伝説を作った レーシング・ドライバー和田孝夫 Nosweb 2020年6月29日
- ^ a b c d JAF(日本自動車連盟)ライセンスではない外国ライセンスドライバーはポイント対象外。
外部リンク
編集- 公式ウェブサイト
- Beppe Gabbiani (@beppegabbiani) - Instagram