ベトコンラーメン

日本の愛知県、岐阜県のラーメン店で提供されるラーメンの一種

ベトコンラーメンは、主に愛知県岐阜県のラーメン店で提供されるラーメンの一種である。愛知県一宮市、あるいは岐阜県岐阜市が発祥とされる。名称はベトコン(南ベトナム解放民族戦線)に由来[新聞 1]するが、ベストコンディションの略と説明されることもある(後述)。他の種類のラーメンと比較して提供する店舗数が少なく、名古屋圏以外ではあまり知られていない。

ベトコンラーメン。新京 一宮本店にて

概要編集

丸ごとか、または粗く砕いたニンニク数個・ニラ長ねぎモヤシなどの大量の野菜をトウガラシで辛く味付けして炒め、鶏ガラベース(店によってはしょうゆ味噌ベースの場合や、鶏ガラと豚骨をベースとしたものもある)のスープを加えて茹でた麺にかけたものである。スープや麺自体には辛味は無いが、野菜炒めの辛さが混ざることにより辛味がある。

名古屋市を中心とする地域のご当地ラーメンで、同じように辛口の台湾ラーメンがある。台湾ラーメンは上に乗せる具材に挽肉を使用するが、ベトコンラーメンでは肉類をほとんど使用せず、野菜中心の具材中にわずかに入っているという違いがある。

歴史と展開編集

ベトコンラーメンは、1969年に一宮市で開業した中華料理屋「新京」で開発された。開店当時、過労・夏バテ回復のために、ニンニクトウガラシを入れたラーメンを、調理師が賄い料理として作った。この味が、1940年頃に満州国新京にあった実家の呉服店で、中国人店員が作っていた現地の湯麺に近いことに店主の稲垣稔が気付き、味が良いことからメニューに取り入れた[新聞 1]。また、準備中に食べているのを見て常連客が注文するようになったのが始まりともいう[新聞 2]

商品化に際し、当時続いていたベトナム戦争のベトコン(南ベトナム解放民族戦線)の勇敢なイメージにちなみ、ベトコンラーメンと名付けられた。しかし、戦争が激化したことなどから食品の名称にふさわしくないと考えられるようになり、この由来を否定するようになった[新聞 1]。当時、客が「食べると体調が良くなる」と言っていたことから、以降はベスト・コンディションの略であると説明されている[新聞 1][WEB 1]

一方、岐阜市発祥説の店「ベトコンラーメン香楽」(同市川部)[WEB 2]では開店当初の1975年からベトコンラーメンを提供しており[新聞 1]、南ベトナム解放民族戦線の勇気に感動して命名したとの説明を続けている。ニンニクをスライスせず、丸ごと麺の上に乗せているのが特徴である。「香楽」のベトコンラーメンは味噌味であった。

なお、「新京」と「香楽」の両者とも元祖にはこだわらず、小規模な店でもメニューが広まることを願って商標登録を行っていない[新聞 1][新聞 3]。また、「新京」では希望者に対して惜しまずに味を伝授し、暖簾分けした店舗は愛知県や岐阜県の他、大阪府高槻市岡山県倉敷市など、16軒に上る[新聞 2]。最南端で最西端は北九州市小倉北区の「萬福」である。大将は名古屋市の「新京」で修業している。

本州最北端のベトコンラーメンは、津軽半島今別町の中華料理店「栄太郎」であるとされるが、「栄太郎」のニンニクも「香楽」と同じ丸ごとである。1980年代後半に、当時出店していた名古屋市でメニューに取り入れたという[新聞 4]

そして「新京」とは別に、広島県福山市では「光福亭(こうふくてい)」という中華料理店があり、ベトコンラーメン・みそベトコンを提供している。店主は開業前はフランス料理店で修業している。

餃子の王将」でも、岐阜県内にベトコンラーメンを提供している店舗がある。

また、河川環境楽園のフードコーナーでは、2011年よりベトコンラーメンを元にした新メニューとして、「ベトコンライス」を提供している。ベトコンラーメンの具材とキムチを、ライスの上に乗せたものである。

脚注編集

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WEB編集

新聞編集

  1. ^ a b c d e f 中日新聞、2008年12月7日付 朝刊(尾張版)、P.22
  2. ^ a b 朝日新聞 2004年4月14日付 朝刊、P.26
  3. ^ 毎日新聞、2008年11月15日付 中部地方夕刊、P.7
  4. ^ 東奥日報、2006年7月8日付 夕刊、P.8

注釈編集

外部リンク編集