ベロニカ・フォスのあこがれ

ベロニカ・フォスのあこがれ』(Die Sehnsucht der Veronika Voss)は、1982年ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督によって制作された西ドイツ映画。白黒映画。ドイツ出身の女優ジビレ・シュミッツ[2]の伝記に着想を得ている。第32回ベルリン国際映画祭金熊賞を受賞。ビデオパッケージでの邦題表記は『ヴェロニカ・フォスのあこがれ』だった。1979年の『マリア・ブラウンの結婚』、1981年の『ローラ』とともにファスビンダーの「西ドイツ三部作(BRD Trilogy)」と称される。

ベロニカ・フォスのあこがれ
Die Sehnsucht der Veronika Voss
監督 ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー
脚本 ペーター・メルテシャイマー
ペア・フレーリッヒ
製作 トーマス・シューリー
出演者 ローゼル・ツュヒ
ヒルマール・ターテ
コーネリア・フロベス
アネマリー・デューリンガー
音楽 ペール・ラーベンドイツ語版
撮影 クサファー・シュヴァルツェンベルガードイツ語版
編集 ユリアーネ・ローレンツドイツ語版
製作会社 ラウラ・フィルム
タンゴ・フィルム[1]
リアルト・フィルム
トリオ・フィルム
マラン・フィルム
配給 日本の旗 大映インターナショナル
公開 西ドイツの旗 1982年2月18日
日本の旗 1983年7月16日
上映時間 104分
製作国 西ドイツの旗 西ドイツ
言語 ドイツ語
英語
製作費 DEM 2,600,000
前作 ローラ (映画)ドイツ語版
次作 ケレル
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ストーリー 編集

1955年のミュンヘンが舞台。ある雨の日に記者のロベルトは戦前はUFAのスター女優だったベロニカ・フォスという女優に出会う。

キャスト 編集

  • ローゼル・ツュヒ: ベロニカ・フォス
  • ヒルマール・ターテ: ロベルト - 中年のスポーツ記者。
  • コーネリア・フロベス: ヘンリエッテ - ロベルトのガールフレンド
  • アネマリー・デューリンガー: カッツ - 神経科医
  • アーミン・ミューラー=スタール: マックス - ベロニカの前夫

評価 編集

英文学者で批評家の由良君美は日本での劇場公開当時、ビリー・ワイルダー監督の映画『サンセット大通り』を連想したと述べ、「ファスビンダー監督の〈遺作〉といわれる82年のこの作品には、本当に心から唸らされてしまった。(..) 西独映画82年の文字どおりの〈遺作〉とされる、ファスビンダーの苦しい生きざまそのもののような仕事が、この『ベロニカ・フォス』であるなら、最早何も言うまい。〈遺作〉かどうかは別として、これほど、監督の生涯と実作品とが、期せずして一体となったものは他にないのではないか。」「サスペンスを孕んだ重厚な傑作である。」と評価した[3]

脚注 編集

  1. ^ R・W・ファスビンダー監督自身の映画制作会社。
  2. ^ Sybille Schmitz(ドイツ語版)カール・テオドア・ドライヤー監督が1932年フランスドイツ合作で製作した映画『吸血鬼』への出演で知られる。日本語ではジュビレ・シュミッツ、シビレ・シュミッツとも表記される。
  3. ^ 由良君美「戦後西独映画の栄光 : ファスビンダー『ベロニカ・フォスのあこがれ』」『セルロイド・ロマンティシズム』、文遊社、1995年2月、pp. 169-170, 171。  ※初出は『流行通信』1983年8月号。

外部リンク 編集