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ベンヌ[2]またはベヌー[3] (101955 Bennu) は、アポロ群に属する地球近傍小惑星1999年リンカーン地球近傍小惑星探査 (LINEAR) によって発見された。アレシボ天文台の天体レーダーとゴールドストーンディープスペースネットワークによって詳細に観測されており[4][5][6]、平均直径は560メートルである。

ベンヌ
101955 Bennu
330kmの距離からオサイリス・レックスにより撮影された複数の画像から超解像技術を用いて合成された画像[1]
330kmの距離からオサイリス・レックスにより撮影された複数の画像から超解像技術を用いて合成された画像[1]
仮符号・別名 1999 RQ36
分類 地球近傍小惑星 (PHA)
軌道の種類 アポロ群
発見
発見日 1999年9月11日
発見者 LINEAR
軌道要素と性質
元期:2010年7月23日 (JD 2,455,400.5)
軌道長半径 (a) 1.126 au
近日点距離 (q) 0.897 au
遠日点距離 (Q) 1.356 au
離心率 (e) 0.204
公転周期 (P) 1.20
軌道傾斜角 (i) 6.04
近日点引数 (ω) 66.21 度
昇交点黄経 (Ω) 2.06 度
平均近点角 (M) 328.15 度
物理的性質
直径 0.560 km
自転周期 4.288 時間
スペクトル分類 B
絶対等級 (H) 20.812
Template (ノート 解説) ■Project

アメリカ航空宇宙局(NASA)が2016年9月に打ち上げた宇宙探査機オサイリス・レックス」が、2018年の到達と試料採取を目指して飛行[7]。NASAは2018年12月4日、オサイリス・レックスのベンヌ付近への到達を発表した[8]

概要編集

2009年にアンドレア・ミラニと共同研究者が報告した力学的研究によると、ベンヌは2169年から2199年までの間に8回、地球に接近し、そのどれかで衝突する可能性があることが判明した。この小惑星を構成する物質が何であるかはほとんど分かっておらず、衝突の可能性もそれに左右されるが、衝突の確率は8回の可能性の合計でも最大0.07%であると推定されている[9]。この確率は、知られている限りのどの天体よりも際立って高い確率となっている。ベンヌが地球に衝突する可能性をさらに精密に計算するには、この小惑星の形状をより正確に把握し、少なくとも複数年に及ぶレーダー観測と光学観測を続行してヤルコフスキー効果による影響がどの程度かを見極める必要がある。

地球からの探査機打ち上げ時に大きな加速 (Delta-V) を必要としないことから、ベンヌはオサイリス・レックスを含む天体調査ミッションの調査対象として何度も候補になってきた。

名称編集

2012年9月4日、NASAはオサイリス・レックス計画でサンプルリターンミッションが予定されている、当時は (101955) 1999 RQ36仮符号で呼ばれていたこの小惑星に付ける名前を全世界の18歳未満から募集すると発表した[10]。締め切りは当初同年12月2日までの予定であったが、12月31日に延長された。2013年5月1日アメリカ合衆国ノースカロライナ州に住む9歳(当時)の Michael Puzio が応募した Bennu を国際天文学連合の小天体命名委員会 (Committee for Small Body Nomenclature) に提案し、承認されたと発表した[11]。「ベンヌ」(Bennu) は、エジプト神話に登場する不死鳥で、オシリスの魂であるとされることもある。

自転による遠心力で赤道付近が膨らんだそろばん玉のような外見は、オサイリス・レックスと同時期に日本の探査機はやぶさ2によるサンプルリターン計画が行われていた小惑星、リュウグウと瓜二つであることも話題となった[12][13]。こうした形状は、高速で自転する小型の小惑星にはよく見られるものである[12]。なおリュウグウと比較すると、ベンヌの直径はリュウグウの約半分、体積は1/8と小さい[12]

脚注・出典編集

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  1. ^ Bennu at 100 Pixels”. 2018年11月6日閲覧。
  2. ^ OSIRIS-REx”. 日本惑星協会. 2019年3月12日閲覧。
  3. ^ 「リュウグウ」ってどんな小惑星?”. JAXA. 2019年3月12日閲覧。
  4. ^ Goldstone Delay-Doppler Images of 1999 RQ36 work=Asteroid Radar Research”. Jet Propulsion Laboratory. 2010年8月10日閲覧。
  5. ^ Michael C. Nolan, Chris Magri, Lance Benner, et al., 2009, Radar observations of 1999 RQ36, in prep.
  6. ^ Hudson, R. S.; Ostro, S. J.; Benner, L. A. M.. “Recent Delay-Doppler Radar Asteroid Modeling Results: 1999 RQ36 and Craters on Toutatis”. Bulletin of the American Astronomical Society (American Astronomical Society) 32: 1001. http://adsabs.harvard.edu/abs/2000DPS....32.0710H. 
  7. ^ OSIRIS-REx”. NASAホームページ. 2017年5月13日閲覧。
  8. ^ NASA's OSIRIS-REx Spacecraft Arrives at Asteroid Bennu”. NASAホームページ(RELEASE 18-109). 2018年12月4日閲覧。
  9. ^ Milani, Andrea et al. (2009). “Long term impact risk for (101955) 1999 RQ36RQ36”. Icarus 203 (2): 460-471. arXiv:0901.3631. Bibcode2009Icar..203..460M. doi:10.1016/j.icarus.2009.05.029. ISSN 00191035. 
  10. ^ NASAが探査予定の小惑星の名前を募集 12月初めまで”. アストロアーツ (2012年9月10日). 2012年9月11日閲覧。
  11. ^ “NASA Spacecraft Will Visit Asteroid with New Name” (プレスリリース), NASA, (2013年5月1日), http://www.nasa.gov/home/hqnews/2013/may/HQ_13-128_OSIRIS-Rex_Asteroid.html 2013年5月2日閲覧。 
  12. ^ a b c 渡邊誠一郎; 吉川真 (2018年6月19日). “330~240kmの距離から見たリュウグウ”. はやぶさ2プロジェクト. 宇宙航空研究開発機構. 2019年2月23日閲覧。
  13. ^ 池田知広; ポール・エーブル (2018年11月8日). “小惑星ベンヌ 見た目リュウグウそっくり NASA博士”. 毎日新聞 (毎日新聞社). https://mainichi.jp/articles/20181108/k00/00m/040/204000c 2019年2月23日閲覧。 

関連項目編集

外部リンク編集