ベン・ダニエル・リビアBen Daniel Revere, 1988年5月3日 - )は、アメリカ合衆国ジョージア州アトランタ出身のプロ野球選手外野手)。右投左打。現在はフリーエージェント。愛称はレビ[1]

ベン・リビア
Ben Revere
ロサンゼルス・エンゼルス時代
(2017年7月26日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 ジョージア州アトランタ
生年月日 (1988-05-03) 1988年5月3日(35歳)
身長
体重
5' 9" =約175.3 cm
170 lb =約77.1 kg
選手情報
投球・打席 右投左打
ポジション 外野手
プロ入り 2007年 MLBドラフト1巡目
初出場 2010年9月7日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

経歴 編集

プロ入り前 編集

ジョージア州アトランタに生まれ、後にケンタッキー州へ移る。高校時代は通算で打率.487、28本塁打、91盗塁をマークし、2年連続でケンタッキー州の最優秀高校生選手に選ばれた。

プロ入りとツインズ時代 編集

2007年MLBドラフト1巡目(全体28位)でミネソタ・ツインズに指名され、入団[2]。ドラフト前の予想では、リビアは3~4巡目での指名が有力視されていたため、ツインズが高額の契約金を嫌って、安価で済むリビアを指名したのでなかいかという声も上がった。事実、リビアの契約金75万ドルは2000年以降の1巡目指名選手では最少だった。ツインズはこの見方を否定し、あくまで能力の評価に基づいた指名であるとした[3]

 
AAA級ロチェスター時代のリビア (2011年)
 
A+級フォートマイヤーズ時代

マイナー時代 編集

2008年にA級ベロイト・スナッパーズ英語版打率.379、44盗塁を記録し、ミッドウェストリーグのMVPを受賞。オフには「ベースボール・アメリカ」誌から、ツインズでアーロン・ヒックスに次いで2番目の有望株に選ばれた[4]

メジャー昇格と退団まで 編集

 
ミネソタ・ツインズ時代
(2012年6月26日)

2010年9月7日のカンザスシティ・ロイヤルズ戦でメジャーデビュー。

2011年はAAA級ロチェスター・レッドウイングスでスタートし、ジム・トーミジェイソン・レプコ英語版の故障によって5月4日にメジャーへ昇格[5]。その後はメジャーに定着し、「1番・中堅手」での出場機会が増えた。最終的に、117試合に出場してリーグ7位の34盗塁をマークした。7月15日のロイヤルズ戦では、三塁打を放った際に、二塁と三塁の間でバランスを崩し、宙返りをしながら三塁ベースに到達する“珍プレー”を起こし、話題になった[6]

2012年は40盗塁を記録した。

フィリーズ時代 編集

 
フィラデルフィア・フィリーズ時代
(2014年8月1日)

2012年12月6日にバンス・ウォーリートレバー・メイとの2対1のトレードで、フィラデルフィア・フィリーズへ移籍した[7]

2014年5月27日のコロラド・ロッキーズ戦の7回の打席でメジャー通算384試合、1466打席目において初となる本塁打を放った[8]。同年は151試合に出場し、ナ・リーグ1位の184安打を記録。打率.306はリーグ5位、49盗塁はリーグ3位であり、トップバッターとして打線を牽引した。一方、規定打席に到達して打率.300以上を記録しながらOPS.700未満は、セイバーメトリクスが導入された1995年以降のMLBにおいて唯一となる不名誉記録。また、この年は前年に手術した右足首にボルトを埋め込んだ状態でプレーしていた[9]

2015年、フィリーズでは96試合に出場して打率.298、24盗塁を記録するなど、好調を維持していた。

ブルージェイズ時代 編集

 
トロント・ブルージェイズ時代
(2015年9月12日)

2015年7月31日にアルベルト・ティラード英語版ジミー・コルデロとのトレードで、トロント・ブルージェイズへ移籍[10][11]。加入後は左翼手のレギュラーとして56試合に起用され、打率.319と調子を上げた。フィリーズとの合算では152試合に出場し、3年連続.300以上となる打率.306・5年連続20盗塁以上となる31盗塁をマークした。

ナショナルズ時代 編集

 
ワシントン・ナショナルズ時代
(2016年8月22日)

2016年1月9日にドリュー・ストーレンとのトレードで、ワシントン・ナショナルズへ移籍した[12]。ナショナルズではセンターのレギュラーで起用されたが、4月7日に右の斜筋を痛めて故障者リスト入りした[13]。同年は全体的に打撃不振で、103試合に出場したが打率.217、2本塁打、24打点、OPS0.560という成績に終わり、MLB屈指の巧打者として継続されていた連続.300以上の打率は3年でストップした。持ち前のスピードでも14盗塁に終わり、20盗塁以上は5年連続でストップした。中堅の守備は、74試合で1失策守備率.993・DRS + 3・UZR - 0.5という、ほぼ平均に近い数値をマーク。左翼の25試合では、1失策・守備率.967・DRS - 1・UZR + 1.0という内容だった。オフの12月2日にFAとなった。

エンゼルス時代 編集

2016年12月23日にロサンゼルス・エンゼルスと年俸400万ドルと出来高225万ドルの1年契約を結んだ[14]

2017年は109試合に出場して打率.275、1本塁打、20打点、21盗塁を記録した。オフの11月2日にFAとなった[15]

2018年2月26日にシンシナティ・レッズとマイナー契約を結び、スプリングトレーニングに招待選手として参加することになった[16]が、3月25日に自由契約となった[17]

その後、3月30日に前年所属したエンゼルスとマイナー契約を結んだ[18]。開幕後は傘下のAAA級ソルトレイク・ビーズでプレーしていたが、7月26日に自由契約となった[19]

ブルージェイズ傘下時代 編集

2019年2月17日にテキサス・レンジャーズとマイナー契約を結んだ[20]が、3月26日に自由契約となった[21]

その後、4月27日にブルージェイズとマイナー契約を結んだ[22]。5月22日に自由契約となった[23]

プレースタイル 編集

身長は公称で175cmほどだが、実際にはそれよりも低いと見られており、歴代のドラフト1巡目指名選手の中でも最も身長が低い部類に入る[24]

パワーは無いが、マイナー通算(2011年現在)で打率.326を残しているバットコントロールと、フル出場すれば盗塁王も狙える俊足が武器。俊足を生かした内野安打も多く、2011年は全120安打の1/4以上にあたる31本が内野安打だった[25]。中堅の守備範囲は広いものの弱肩であるため、左翼への転向案が出ていた。しかし実際にブルージェイズ、ナショナルズで左翼を守ったが、中堅よりも低い守備成績を残した[25]。走攻守での特徴が似ていることから、フアン・ピエールとしばしば比較される[3]

詳細情報 編集

年度別打撃成績 編集

















































O
P
S
2010 MIN 13 30 28 1 5 0 0 0 5 2 0 1 0 0 2 0 0 5 1 .179 .233 .179 .412
2011 117 481 450 56 120 9 5 0 139 30 34 9 3 0 26 1 2 41 7 .267 .310 .309 .619
2012 124 553 511 70 150 13 6 0 175 32 40 9 6 4 29 0 3 54 8 .294 .333 .342 .675
2013 PHI 88 336 315 37 96 9 3 0 111 17 22 8 5 0 16 1 0 36 10 .305 .338 .352 .691
2014 151 626 601 71 184 13 7 2 217 28 49 8 7 1 13 1 4 49 11 .306 .325 .361 .686
2015 96 388 366 49 109 13 6 1 137 26 24 5 2 0 19 0 1 36 4 .298 .334 .374 .709
TOR 56 246 226 35 72 9 1 1 86 19 7 2 3 3 13 0 1 28 1 .319 .354 .381 .734
'15計 152 634 592 84 181 22 7 2 223 45 31 7 5 3 32 0 2 64 5 .306 .342 .377 .719
2016 WSH 103 375 350 44 76 9 7 2 105 24 14 5 2 2 18 0 3 34 12 .217 .260 .300 .560
2017 LAA 109 308 291 37 80 13 2 1 100 20 21 6 0 2 15 0 0 25 7 .275 .308 .344 .652
MLB:8年 857 3343 3138 400 892 88 37 7 1075 198 211 53 28 12 151 3 14 308 61 .284 .319 .343 .661
  • 2020年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別守備成績 編集



左翼(LF) 中堅(CF) 右翼(RF)




































2010 MIN 3 5 0 0 0 1.000 6 9 0 1 0 .900 2 4 0 0 0 1.000
2011 13 33 0 1 0 .971 89 243 3 6 0 .976 5 9 0 0 0 1.000
2012 5 15 0 0 0 1.000 39 87 2 0 1 1.000 84 172 6 0 2 1.000
2013 PHI - 87 220 6 2 3 .991 -
2014 - 141 323 2 4 2 .988 -
2015 56 90 3 0 0 1.000 42 88 2 0 2 1.000 12 20 0 0 0 1.000
TOR 56 97 0 0 0 1.000 1 0 0 0 0 ---- -
'15計 112 187 3 0 0 1.000 43 88 2 0 2 1.000 12 20 0 0 0 1.000
2016 WSH 25 29 0 1 0 .967 74 141 2 1 1 .993 -
2017 LAA 78 140 4 2 1 .986 6 8 1 1 0 .900 -
MLB 236 409 7 4 1 .990 485 1119 18 15 9 .987 103 205 6 0 2 1.000
  • 2020年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

記録 編集

MiLB

背番号 編集

  • 37(2010年 - 2011年途中)
  • 11(2011年途中 - 2012年)
  • 2(2013年 - 2015年途中)
  • 7(2015年途中 - 同年終了)
  • 9(2016年)
  • 25(2017年)

脚注 編集

  1. ^ Halos excited to take part in Players Weekend MLB.com (英語) (2017年8月16日) 2017年8月25日閲覧
  2. ^ Twins select outfielder Ben Revere with their first pick in the 2007 First-Year Player Draft. MLB.com(英語). 2011年10月3日閲覧
  3. ^ a b Prospect Profile: Ben Revere. AL Central In Focus(英語). 2011年10月3日閲覧
  4. ^ John Manuel. “Top 10 Prospects: Minnesota Twins”. Baseball America. 2008年11月25日閲覧。
  5. ^ Gleeman, Aaron(2011-05-04). Twins place Jim Thome on DL, call up Trevor Plouffe and Ben Revere. HardballTalk(英語). 2011年10月3日閲覧
  6. ^ Townsend, Mark(2011-07-16). That’s a 10! Twins’ Ben Revere somersaults his way to triple(リンク先に動画あり). Yahoo!Sports(英語). 2011年10月3日閲覧
  7. ^ Phillies Acquire Ben Revere MLBTradeRumors.com
  8. ^ フィリーズのリビア 1466打席目にしてついに 「胸のつかえが…」”. スポニチ Sponichi Annex (2014年5月28日). 2014年5月29日閲覧。
  9. ^ 友成那智、村上雅則『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2015』廣済堂出版、2015年、326頁。ISBN 978-4-331-51921-9 
  10. ^ ブルージェイズがさらなる補強、俊足外野手と救援右腕をトレードで獲得”. ISM (2015年8月1日). 2015年8月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年8月2日閲覧。
  11. ^ Phils pick up pair of pitching prospects for Revere”. MLB.com (2015年7月31日). 2015年8月1日閲覧。
  12. ^ Bill Ladson (2016年1月8日). “Nats land Revere, send Storen to Blue Jays”. MLB.com. 2016年5月6日閲覧。
  13. ^ Eddie Matz (2016年4月7日). “Washington Nationals put OF Ben Revere on DL with oblique strain” (英語). ESPN. 2016年11月27日閲覧。
  14. ^ “前ナショナルズのB.リビア、エンゼルスと1年4.7億円で合意” (英語). ESPN. (2016年12月24日). オリジナルの2017年1月6日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20170106010233/http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161224-00000212-ism-base 2017年1月5日閲覧。 
  15. ^ Key free agents for all 30 MLB teams MLB.com (英語) (2017年11月5日) 2017年12月30日閲覧
  16. ^ Mark Sheldon (2018年2月26日). “Reds add Revere to outfield competition” (英語). MLB.com. 2018年3月19日閲覧。
  17. ^ Ben Revere: Released by Reds” (英語). CBS Sports (2018年3月25日). 2018年4月30日閲覧。
  18. ^ Angels' Ben Revere: Rejoins Angels” (英語). CBS Sports (2018年3月31日). 2018年4月30日閲覧。
  19. ^ MLB公式プロフィール参照。2019年4月28日閲覧。
  20. ^ Connor Byrne (2019年2月17日). “Rangers Sign Ben Revere” (英語). MLB Trade Rumors. 2019年4月29日閲覧。
  21. ^ https://twitter.com/RangerBlake/status/1110671470580109313
  22. ^ Gregor Chisholm (2019年4月27日). “Blue Jays sign Revere to Minor League deal” (英語). MLB.com. 2019年4月29日閲覧。
  23. ^ Blue Jays Release Ben Revere” (英語). MLB Trade Rumors. 2020年8月2日閲覧。
  24. ^ 城野井道人 「本誌激戦 2009注目のマイナーリーガー100人」 『月刊スラッガー』2009年6月号、日本スポーツ企画出版社、2009年、雑誌15509-8、41頁。
  25. ^ a b Ben Revere Batting Statistics and History - Baseball-Reference.com

関連項目 編集

外部リンク 編集