ペガススの大四辺形(ペガススのだいしへんけい、英語: Great Square of Pegasus)とは、

ペガスス座の大四辺形(中央やや左)。アンドロメダ座α星は Sirrah として載っている。

の4つの星を結んでできる四辺形である[1]

秋の四角形[2]、秋の四辺形[3](秋の大四辺形[4])、ペガススの四辺形[5]とも言う。

比較的容易に見つけることができる。この四辺形の中には明るい星がなく、空が暗いところ以外では中に星を認めることが難しい。ギリシア神話ではこの四辺形を、神が地上を覗くに、四辺形の中にある星は神の目に喩えた。また、古代中国の天文学では西側の辺が「室宿」、東側の辺が「壁宿」と呼び、一帯を大きな宮殿に見立てていた。日本では「形星」や「四隅星」などと呼んでいた[6]

周辺 編集

ペガスス座α星とβ星を結ぶ線を北に延長するとポラリスに、南に延長するとフォーマルハウトに到達し、またアンドロメダ座α星とペガスス座γ星を結ぶ線を北に延長するとカシオペヤ座β星を経てポラリスに、南に延長するとくじら座β星に到達する[4]

応用 編集

四辺形の北の辺を成すペガスス座β星アンドロメダ座α星を結ぶ線から北東方向に伸ばしたカーブを秋の大曲線と呼ぶことがある[7]五島プラネタリウム元解説員の金井三男は、秋の大曲線はプラネタリウム解説員の山田卓が考案したと述べている[8]。 また、四辺形と秋の大曲線、そしてペルセウス座γ星を併せておばけ柄杓と呼ぶことがある[9]

アンドロメダ座α星の位置づけ 編集

なお「ペガススの大四辺形」という名でありながらアンドロメダ座のα星を含んでいるのは、この星がかつてはペガスス座δ星でもあった(二重所属)ためである。1928年国際天文学連合(IAU)総会でこの星はアンドロメダ座のみに所属すると決まり、ペガスス座からは外されたという経緯がある。

出典 編集

  1. ^ 理科ねっとわーくの星図より判断
  2. ^ 岐阜市科学館の星図より判断
  3. ^ 鳥取市さじアストロパーク・佐治天文台 天文セミナー 第183回の星図 - ウェイバックマシン(2014年8月26日アーカイブ分)より判断
  4. ^ a b 沼澤茂美・脇屋奈々代『星座の事典』136-137頁 ナツメ社 2007年。ISBN 978-4-8163-4364-3
  5. ^ 平塚市博物館星図より
  6. ^ 郡山市ふれあい科学館 スペースパーク:星空をながめよう「秋の星空をのぞく「窓」」”. www.space-park.jp (2002年10月17日). 2022年4月9日閲覧。
  7. ^ 現役学校教員研修用資料 (PDF) - 東京学芸大学
  8. ^ 第158夜「登場!夏の大曲線」
  9. ^ 斉田博『小学館入門百科シリーズ105 星座入門下 秋・冬編』80-83頁 小学館

外部リンク 編集