ペニョン・デ・アルセマス

スペイン領の小島

ペニョン・デ・アルセマス、ペニョンデアルセマス(Peñón de Alhucemas)は、地中海西部にあるスペイン領の小島。モロッコの都市アル・ホセイマの湾の沖合300mに浮かび、最も近いスペイン領は84km離れたメリリャである。近くにある2つの無人島、ティエラ島、マル島とともにアルセマス諸島英語版の名称がついている。また、セウタメリリャの2つの自治都市、チャファリナス諸島ペニョン・デ・ベレス・デ・ラ・ゴメラと共にプラサス・デ・ソベラニアを構成する。

ペニョン・デ・アルセマス

地図
所在地 スペインの旗 スペイン
所在海域 地中海
座標 北緯35度12分48秒 西経03度53分21秒 / 北緯35.21333度 西経3.88917度 / 35.21333; -3.88917
面積 0,015 km²
最高標高 27 m
プロジェクト 地形
テンプレートを表示

地理 編集

島は最長で170m、幅86mで、面積はわずか1.5ヘクタールしかない。標高最高地点は北側の27mである。島の周囲は480mで、大半が切り立った崖に囲まれている。島内には様々な時代の建物、元の要塞や兵舎が残る。教会、灯台、数軒の民家、港、商店もある。船の定期便がスペイン本土からやってくる。この島は、セウタ、メリリャ、イベリア半島とを結ぶ海底ケーブルの中継地点である。スペイン陸軍の第32砲兵連隊が駐留している。ペニョン・デ・アルセマスに隣接する小島ラ・プルペラは橋でつながっており、かつては墓地であった。

歴史 編集

 
夜のペニョン・デ・アルセマス

ペニョン・デ・アルセマスは、1560年にサアド朝スルタン、ムーレイ・アブダッラー(アブドゥッラー・アル=ガリブ英語版)によってバルバリア海賊防衛のためスペイン王国へ割譲された。カルロス2世時代はカビル人との貿易が盛んに行われたが、その後は政治犯を含む犯罪者の流刑地となった。1902年、フランスがペニョン・デ・アルセマスのスペイン主権を承認した。リーフ戦争さなかの1921年にはアブド・エル・クリムが島を襲った。1922年にはカビル人勢力が島沖で蒸気船を沈めた。モロッコ戦争さなかの1925年にはスペイン海軍のアル=ホセイマ上陸英語版の前線基地となった。

関連項目 編集

外部リンク 編集