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ペニー・レイン」(Penny Lane)は、1967年2月にビートルズが発表した14枚目のオリジナル・シングル曲である。両A面シングル曲で片面は「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」である。

ペニー・レイン
ビートルズシングル
初出アルバム『マジカル・ミステリー・ツアー
A面 ストロベリー・フィールズ・フォーエバー(両A面)
リリース
録音 アビー・ロード・スタジオ(1966年12月29日 - 1967年1月19日
ジャンル プログレッシブ・ポップ[1][2]
バロック・ポップ[3]
サイケデリック・ポップ[4]
サイケデリック・ロック[5]
時間
レーベル パーロフォン(イギリス)
キャピトル・レコード(アメリカ)
オデオン(日本)
プロデュース ジョージ・マーティン
チャート最高順位
ビートルズシングル盤 U.K. U.S. 年表
イエロー・サブマリン
両A面
エリナー・リグビー
(1966年)
ペニー・レイン
両A面
ストロベリー・フィールズ・フォーエバー
(1967年)
愛こそはすべて
b/w
ベイビー・ユーアー・ア・リッチ・マン
(1967年)
ビートルズ シングル盤 日本 年表
イエロー・サブマリン
b/w
エリナー・リグビー
(1966年)
ストロベリー・フィールズ・フォーエバー
b/w
ペニー・レイン
(1967年)
愛こそはすべて
b/w
ベイビー・ユーアー・ア・リッチ・マン
(1967年)
マジカル・ミステリー・ツアー 収録曲
A面
  1. マジカル・ミステリー・ツアー
  2. フール・オン・ザ・ヒル
  3. フライング
  4. ブルー・ジェイ・ウェイ
  5. ユア・マザー・シュッド・ノウ
  6. アイ・アム・ザ・ウォルラス
B面
  1. ハロー・グッドバイ
  2. ストロベリー・フィールズ・フォーエバー
  3. ペニー・レイン
  4. ベイビー・ユーアー・ア・リッチ・マン
  5. 愛こそはすべて
ミュージックビデオ
「Penny Lane」 - YouTube
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ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500(2010年版)では456位にランクされている[6]

解説編集

 
ペニー・レインの標識
 
歌詞に登場する床屋のトニースレイヴィン(角の白い看板)

レノン=マッカートニーの作品だが、実質的には主にポール・マッカートニーによって作られた楽曲である。リード・ボーカルはポール。

歌詞は、リヴァプールにあるペニー・レイン(ペニー通り、Penny Lane位置)がモチーフになっている。同時期にジョン・レノンは幼少期に遊びに行っていた孤児院「ストロベリー・フィールド」をモチーフとした「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」を制作しており、この「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」に触発されて作ったとされている[注釈 1][7]。「ペニー・レイン」の作詞はジョンも手伝っており、1970年のインタビューで、「銀行があった場所は路面電車の車庫になってて、みんなそこで待ってて、そばには査察官が立ってて、遠くには消防車が通って…そんな子供時代の記憶を呼び戻したんだ。」とコメントしている[8]

ジョンの「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」に比べると、非常にポップに仕上がっていて好対照をなしている。曲中で歌われる床屋や街角の銀行は健在で、何の変哲もない小さな通りながらもビートルズゆかりの地や名所として人気が高い。プロモーション・ビデオでもペニー・レインの映像が見られるが、ビートルズのメンバーが映っているシーンはロンドンのストラトフォードにあるエンジェル・レイン周辺と、ケント州セヴノークスノール・ハウスを囲むノール・パーク(Knole Park)の2か所で撮影している[9]

歌詞は「A four of fish and finger pie(4個入りのフィッシュ&フィンガー・パイ)」というフレーズがあるが、これはリヴァプールで使われているスラングで、「A four of fish」は「4ペンス分のフィッシュ・アンド・チップス」、「finger pie」は「ティーンエイジャー同士の性的な関係」を表している[10]。音楽評論家のイアン・マクドナルド英語版は、このフレーズはジョンのアイデアであると推測している[8]

レコーディング編集

基本的なレコーディング編集

この曲のレコーディングは、1966年12月29日にEMI第2スタジオ(現アビー・ロード第2スタジオ)で開始された[11]。この時期のポールは、ザ・ビーチ・ボーイズの『ペット・サウンズ』に影響されており、「すごくクリーンに録音すること」を目指していた[12]

ポールは、4トラック・レコーダーのそれぞれのトラックに鍵盤パートを録音した。トラック1が基本的なリズムを奏でるピアノ、トラック2がVOX製のギターアンプに繋いでリバーブをかけたピアノ、トラック3がホンキートンクを彷彿させるピアノの音色、トラック4がトラック2と同様にギターアンプに繋いだハーモニウムという構成になっている[13]12月30日にリダクションされ、ポールとジョンのリード・ボーカルが録音された。なお、このボーカルは、テープ・レコーダーの回転数を下げて録音された[13]

1967年1月4日、ビートルズにとって新年最初のセッションとなったこの日は、ジョンによるピアノとジョージ・ハリスンによるリードギターがオーバー・ダビングされた。この日にはポールによるリード・ボーカルもオーバー・ダビングされたが、翌日に録り直されている。1月6日リンゴ・スターによるドラムス、ポールによるベース、ジョンによるリズムギターのほか、ハンドクラップコンガハーモニー・ボーカル、ピアノがオバー・ダビングされた[14]

1月9日に外部ミュージシャンによる4本のフルート木管楽器ブラス・セクションが加えられた[15]。スコアはジョージ・マーティンによるもので、メロディー・ラインについてポールがいくつかアイデアを出している[13]

1月10日にビートルズは、スキャット・ハーモニーとハンドベルをオーバー・ダビングした。

1月12日に2回目の外部ミュージシャンによるオーバー・ダビング・セッションが行われ、2本のトランペット、2本のオーボエ、2本のコーラングレ、そしてダブルベースが録音された[15]

ピッコロトランペット・ソロ編集

ポールは、この時点で曲の仕上がりに物足りなさを感じていた。そんな中、BBCによるクラシック・コンサートの中継で、「ブランデンブルグ協奏曲第2番ホ長調」におけるデヴィッド・メイスン英語版によるピッコロトランペットの演奏に興味を示した[15]1月17日、メイスンをレコーディングに招き、この曲の特徴ともいえるピッコロトランペット・ソロを録音した[16]。この演奏で、デヴィッドに対して27ポンド10シリングが支払われた[15]

ミックス違い編集

キャピトル・レコードが発行したプロモーション用シングル盤に収録された「ペニー・レイン」は、ピッコロトランペットによるコーダが加えられたミックスになっている。このプロモーション用シングル盤は、発行数が少ないことからビートルズのグッズで最も価値のある品となっている。このミックスは、1980年に発表された『レアリティーズ Vol.2』や2017年に発売された『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド (スーパー・デラックス・エディション)』のディスク6に収録されている[17]

「ペニー・レイン」のリアル・ステレオ・ヴァージョンはビートルズの活動中にはリリースされなかった[注釈 2]。ステレオ・ミキシングされたのは解散後の1971年9月30日で、西ドイツではアルバム『マジカル・ミステリー・ツアー』のステレオ盤に収録された。英国では1973年4月リリースの『ザ・ビートルズ1967年〜1970年』が最初となる。CDでは1987年8月にリリースされたアルバム『マジカル・ミステリー・ツアー』に収録された。

1996年に発売された『ザ・ビートルズ・アンソロジー』には、間奏が管楽器による合奏になっていて、ピッコロトランペットによるコーダが継ぎ足されたものが収録された[18]

2015年に発売された『ザ・ビートルズ1』や2017年に発売された『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド 50周年記念エディション』にはジャイルズ・マーティンによってリミックスされたものが収録されている。

シングル盤編集

当時のイギリスでは、シングル盤はどのアーティストも同じ柄のレコード・スリーブ[注釈 3]だったが、このシングルでは、初めてビートルズのメンバーの写真を使ったオリジナル・スリーブが使われた。裏面には各メンバーの幼年期の写真が使われており[19]、当時のイギリスでは大きな話題となった。イギリスでは両A面シングルだったが、アメリカではこの曲がA面として発売され、『ビルボード』(Billboard)誌では、1967年3月18日付のBillboard Hot 100で1位を獲得[20]。1967年ビルボード誌年間ランキングでは第55位[21]。『キャッシュボックス』誌では最高位2週連続第1位、年間ランキング45位[22]

プレイヤー編集

※出典[23]

ビートルズ

外部ミュージシャン

エピソード編集

  • この曲のヒットで Penny Lane の標識の盗難が相次ぎ、一部では標識はとりやめになりペンキで描かれるようになった。
  • 小説家のクライヴ・バーカーは、少年時代をペニー・レインで過ごしたが、そこが「ペニー・レイン」であることを知らなかったという。その理由は、「ペニー・レイン」を示す町の標識が、ビートルズのファンの書き込んだ名前などの悪戯書きで埋めつくされていて、通りの名称部分が見えなかったからであった。

収録アルバム編集

脚注編集

注釈編集

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  1. ^ ちなみに、1965年に発表されたジョン・レノン作の「イン・マイ・ライフ」のオリジナルの歌詞には、ペニー・レイン(通り)への言及が含まれていて、同作のレコーディングが始まったのと同じ時期のインタビューでポールは、「いつかペニー・レインについての曲を書きたい」と語っている。
  2. ^ アメリカでは1967年11月にリリースされたアルバム『マジカル・ミステリー・ツアー』ステレオ盤に収録されていたが、発売当時はリアル・ステレオ・ミックスがまだ存在していなかったため擬似ステレオ・ヴァージョンであった。
  3. ^ レコード盤を入れる紙製の袋。レーベルの部分に穴が開いており、そこからどのレコードであるかを見分ける事ができる。デザインは各レコード会社によって異なる。
  4. ^ 2CD版及びスーパー・デラックス・エディションのみに収録

出典編集

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  1. ^ Philo, Simon (2014). British Invasion: The Crosscurrents of Musical Influence. Rowman & Littlefield Publishers. ISBN 978-0-8108-8627-8. https://books.google.com/books?id=WqiDBQAAQBAJ. 
  2. ^ Willis, Paul E. (2014). Profane Culture. Princeton University Press. ISBN 978-1-4008-6514-7. https://books.google.com/books?id=Y7oWBAAAQBAJ&pg=PA219. 
  3. ^ Courrier, Kevin (2009). Artificial paradise: the dark side of the Beatles' utopian dream. Michigan: Praeger. p. 157. ISBN 0-313-34586-4. 
  4. ^ Heylin, C (2007). The Act You've Known For All These Years: the Life, and Afterlife, of Sgt. Pepper. London: Canongate Books. p. 153. ISBN 1-84195-955-3. 
  5. ^ Simonelli, David (2013). Working Class Heroes: Rock Music and British Society in the 1960s and 1970s. Lanham, MD: Lexington Books. ISBN 978-0-7391-7051-9. https://books.google.com.au/books?id=mnrwy7P3KvQC&dq=%22jack+Kroll%22+%22A+Day+in+the+Life%22&source=gbs_navlinks_s. 
  6. ^ 500 Greatest Songs of All Time: 456 - The Beatles, 'Penny Lane'”. Rolling Stone (2011年4月7日). 2019年5月15日閲覧。
  7. ^ Everett, Walter (1999). The Beatles as Musicians: Revolver Through the Anthology. Oxford University Press. p. 84. ISBN 978-0-19-512941-0. https://books.google.com/books?id=eTkHAldi4bEC&pg=PA84. 
  8. ^ a b MacDonald, Ian (2005). Revolution in the Head: The Beatles' Records and the Sixties (Second Revised ed.). London: Pimlico (Rand). p. 222. ISBN 1-84413-828-3. 
  9. ^ The Beatles – Strawberry Fields Forever and Penny Lane (1967)”. Kent Film Office. 2018年10月12日閲覧。
  10. ^ Mann, Brent (2005). Blinded By the Lyrics: Behind the Lines of Rock & Roll's Most Baffling Songs. New York, NY: Kensington Publishing Corp.. 
  11. ^ Lewisohn, Mark (1988). The Beatles Recording Sessions. New York: Harmony Books. p. 91. ISBN 0-517-57066-1. 
  12. ^ Paul McCartney Waxes Nostalgic, Gets Kaleidoscopic on ‘Penny Lane’: The Story Behind Every ‘Sgt. Pepper’ Song”. Ultimate Classic Rock (2017年5月17日). 2019年5月15日閲覧。
  13. ^ a b c Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band Super Deluxe Edition (booklet). The Beatles. London: Apple Records. 2017. p. 91.
  14. ^ Lewisohn, Mark (1988). The Beatles Recording Sessions. New York: Harmony Books. p. 92. ISBN 0-517-57066-1. 
  15. ^ a b c d Lewisohn, Mark (1988). The Beatles Recording Sessions. New York: Harmony Books. p. 93. ISBN 0-517-57066-1. 
  16. ^ Ingham, Chris (2003). The Rough Guide to the Beatles. Rough Guides. p. 245. ISBN 1-84353-140-2. https://books.google.com/books?id=htl2U1fPq8QC&pg=PA245. 
  17. ^ Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band Super Deluxe Edition (CD sleeve). The Beatles. London: Apple Records. 2017.
  18. ^ Winn, John C. (2009). That Magic Feeling: The Beatles' Recorded Legacy, Volume Two, 1966–1970. New York, NY: Three Rivers Press. p. 82. ISBN 978-0-307-45239-9. 
  19. ^ Rodriguez, Robert (2012). Revolver: How the Beatles Reimagined Rock 'n' Roll. Milwaukee, WI: Backbeat Books. p. 199. 
  20. ^ The Beatles Chart History”. Billboard. 2019年5月16日閲覧。
  21. ^ Top 100 Hits of 1967/Top 100 Songs of 1967”. musicoutfitters.com. 2019年5月16日閲覧。
  22. ^ The Cash Box Year-End Charts: 1967”. Cashbox Archives (2016年3月4日). 2016年3月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年5月16日閲覧。
  23. ^ MacDonald, Ian (2005). Revolution in the Head: The Beatles' Records and the Sixties (Second Revised ed.). London: Pimlico (Rand). p. 221-223. ISBN 1-84413-828-3. 
先代:
スプリームス
恋ははかなく
Billboard Hot 100 ナンバーワンシングル
1967年3月18日(1週)
次代:
タートルズ
ハッピー・トゥゲザー