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ペニー・レイン」(英語: Penny Lane)は、イギリスロックバンドビートルズの楽曲である。1967年2月に「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」との両A面シングルとして発売された。レノン=マッカートニーの作品だが、実質的には主にポール・マッカートニーによって作られた楽曲。歌詞は、メンバーの故郷であるリヴァプールにあるペニー・レインをモチーフとしたもので、同時期にジョン・レノンが書いた「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」に触発されて書いたとされている。

ペニー・レイン
ビートルズシングル
初出アルバム『マジカル・ミステリー・ツアー
A面 ストロベリー・フィールズ・フォーエバー(両A面)
リリース
規格 7インチシングル
録音
  • 1966年12月29日 (1966-12-29) - 1967年1月19日 (1967-01-19)
  • EMIスタジオ
ジャンル
時間
レーベル
作詞・作曲 レノン=マッカートニー
プロデュース ジョージ・マーティン
ゴールドディスク
下記を参照
チャート最高順位
下記を参照
ビートルズ シングル U.K. U.S. 年表
ビートルズ シングル 日本 年表
マジカル・ミステリー・ツアー 収録曲
ストロベリー・フィールズ・フォーエバー
(B-2)
ペニー・レイン
(B-3)
ベイビー・ユーアー・ア・リッチ・マン
(B-4)
ミュージックビデオ
「Penny Lane」 - YouTube
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ビートルズがアルバム『リボルバー』完成後に初めてレコーディングした楽曲で、アルバム『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』の収録される予定だったが、レーベル側が新しいシングルを要求したことにより、同時期に制作されていた「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」と共にシングルとして発売され、アルバムからは省かれた。なお、アメリカではシングルで発売された後に、キャピトル編集盤『マジカル・ミステリー・ツアー』に収録された。

ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500(2010年版)では456位にランクされている[7]

背景編集

 
ペニー・レインの標識
 
歌詞に登場する床屋のトニースレイヴィン(角の白い看板)

歌詞は、リヴァプールにあるペニー・レイン(ペニー通り、英語: Penny Lane位置)がモチーフになっている。同時期にジョン・レノンは幼少期に遊びに行っていた孤児院「ストロベリー・フィールド」をモチーフとした「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」を制作しており、この「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」に触発されて作ったとされている[注釈 1][9]。「ペニー・レイン」の作詞はレノンも手伝っており、1970年のインタビューで、「銀行があった場所は路面電車の車庫になってて、みんなそこで待ってて、そばには査察官が立ってて、遠くには消防車が通って…そんな子供時代の記憶を呼び戻したんだ」とコメントしている[10]

レノンの「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」に比べると、非常にポップに仕上がっていて好対照をなしている。曲中で歌われる床屋や街角の銀行は健在で、何の変哲もない小さな通りながらもビートルズゆかりの地や名所として人気が高い。プロモーション・ビデオでもペニー・レインの映像が見られるが、ビートルズのメンバーが映っているシーンはロンドンのストラトフォードにあるエンジェル・レイン周辺と、ケント州セヴノークスノール・ハウスを囲むノール・パーク英語版の2か所で撮影している[11]

歌詞に「A four of fish and finger pie(4個入りのフィッシュ&フィンガー・パイ)」というフレーズがあるが、これはリヴァプールで使われているスラングで、「A four of fish」は「4ペンス分のフィッシュ・アンド・チップス」、「finger pie」は「ティーンエイジャー同士の性的な関係」を表している[12]。音楽評論家のイアン・マクドナルド英語版は、このフレーズはレノンのアイデアであると推測している[13]

レコーディング編集

「ペニー・レイン」のレコーディングは、1966年12月29日にEMIスタジオの第2スタジオで開始された[14]。この時期のマッカートニーは、ザ・ビーチ・ボーイズの『ペット・サウンズ』に影響されており、「すごくクリーンに録音すること」を目指していた[15]

マッカートニーは、4トラック・レコーダーのそれぞれのトラックに鍵盤パートを録音した。トラック1が基本的なリズムを奏でるピアノ、トラック2がVOX製のギターアンプに繋いでリバーブをかけたピアノ、トラック3がホンキートンクを彷彿させるピアノの音色、トラック4がトラック2と同様にギターアンプに繋いだハーモニウムという構成になっている[16]。12月30日にリダクションされ、マッカートニーとレノンのリード・ボーカルが録音された。なお、このボーカルは、テープ・レコーダーの回転数を下げて録音された[16]

1967年1月4日、ビートルズにとって新年最初のセッションとなったこの日は、レノンによるピアノとジョージ・ハリスンによるリードギターがオーバー・ダビングされた。この日にはマッカートニーによるリード・ボーカルもオーバー・ダビングされたが、翌日に録り直されている。1月6日にリンゴ・スターによるドラムス、マッカートニーによるベース、レノンによるリズムギターのほか、ハンドクラップコンガハーモニー・ボーカル、ピアノがオバー・ダビングされた[17]

1月9日に外部ミュージシャンによる4本のフルート木管楽器ブラス・セクションが加えられた[18]。スコアはジョージ・マーティンによるもので、メロディー・ラインについてマッカートニーがいくつかアイデアを出している[16]

1月10日にスキャット・ハーモニーとハンドベルがオーバー・ダビングされ、1月12日に2回目の外部ミュージシャンによって2本のトランペット、2本のオーボエ、2本のコーラングレ、そしてダブルベースが加えられた[18]

ピッコロトランペット・ソロ編集

マッカートニーは、この時点で曲の仕上がりに物足りなさを感じていた。そんな中、BBCによるクラシック・コンサートの中継で、「ブランデンブルク協奏曲第2番ホ長調」におけるデヴィッド・メイスン英語版によるピッコロトランペットの演奏に興味を示した[18]。1月17日、メイスンをレコーディングに招き、この曲の特徴ともいえるピッコロトランペット・ソロを録音した[19]。この演奏で、デヴィッドに対して27ポンド10シリングが支払われた[18]

ミックス違い編集

キャピトル・レコードが発行したプロモーション用シングル盤に収録された「ペニー・レイン」は、ピッコロトランペットによるコーダが加えられたミックスになっている。このプロモーション用シングル盤は、発行数が少ないことからビートルズのグッズで最も価値のある品となっている。このミックスは、1980年に発表された『レアリティーズ Vol.2』や2017年に発売された『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド (スーパー・デラックス・エディション)』のディスク6に収録されている[20]

「ペニー・レイン」のリアル・ステレオ・ヴァージョンはビートルズの活動中にはリリースされなかった[注釈 2]。ステレオ・ミキシングされたのは解散後の1971年9月30日で、西ドイツではアルバム『マジカル・ミステリー・ツアー』のステレオ盤に収録された。英国では1973年4月に発売の『ザ・ビートルズ1967年〜1970年』が最初となる。CDでは1987年8月に発売されたアルバム『マジカル・ミステリー・ツアー』に収録された。

1996年に発売された『ザ・ビートルズ・アンソロジー2』には、間奏が管楽器による合奏になっていて、ピッコロトランペットによるコーダが継ぎ足された音源が収録された[21]

2015年に発売された『ザ・ビートルズ1』や2017年に発売された『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド 50周年記念エディション』にはジャイルズ・マーティンによってリミックスされたものが収録されている。

リリース編集

当時のイギリスでは、シングル盤はどのアーティストも同じ柄のレコード・スリーブ[注釈 3]だったが、このシングルでは、初めてビートルズのメンバーの写真を使ったオリジナル・スリーブが使われた。裏面には各メンバーの幼年期の写真が使われており[22]、当時のイギリスでは大きな話題となった。イギリスでは両A面シングルだったが、アメリカではこの曲がA面として発売され、『ビルボード』(Billboard)誌では、1967年3月18日付のBillboard Hot 100で1位を獲得[23]。1967年ビルボード誌年間ランキングでは第55位[24]。『キャッシュボックス』誌では最高位2週連続第1位、年間ランキング45位[25]

演奏編集

※出典[26]

ビートルズ
外部ミュージシャン

チャート成績編集

認定編集

国/地域 認定 認定/売上枚数
アメリカ合衆国 (RIAA)[44] Gold 1,000,000^

*認定のみに基づく売上枚数
^認定のみに基づく出荷枚数

エピソード編集

  • この曲のヒットで Penny Lane の標識の盗難が相次ぎ、一部では標識はとりやめになりペンキで描かれるようになった。
  • 小説家のクライヴ・バーカーは、少年時代をペニー・レインで過ごしたが、そこが「ペニー・レイン」であることを知らなかったという。その理由は、「ペニー・レイン」を示す町の標識が、ビートルズのファンの書き込んだ名前などの悪戯書きで埋めつくされていて、通りの名称部分が見えなかったからであった。
  • ラトルズが1978年に発表した楽曲「Doubleback Alley」は、本作のパロディである[45]

収録アルバム編集

脚注編集

[脚注の使い方]

注釈編集

  1. ^ ちなみに、1965年に発表されたレノン作の「イン・マイ・ライフ」のオリジナルの歌詞には、ペニー・レイン(通り)への言及が含まれており[8]、同作のレコーディングが始まったのと同じ時期のインタビューでマッカートニーは、「いつかペニー・レインについての曲を書きたい」と語っている。
  2. ^ アメリカでは1967年11月にリリースされたアルバム『マジカル・ミステリー・ツアー』ステレオ盤に収録されていたが、発売当時はリアル・ステレオ・ミックスがまだ存在していなかったため擬似ステレオ・ヴァージョンであった。
  3. ^ レコード盤を入れる紙製の袋。レーベルの部分に穴が開いており、そこからどのレコードであるかを見分ける事ができる。デザインは各レコード会社によって異なる。
  4. ^ 2CD版及びスーパー・デラックス・エディションのみに収録

出典編集

  1. ^ Ingham 2006, p. 195.
  2. ^ Heylin 2007, p. 153.
  3. ^ Philo 2014, p. 119.
  4. ^ Willis 2014, p. 220.
  5. ^ Courrier 2009, p. 157.
  6. ^ Simonelli 2013, p. 106.
  7. ^ 500 Greatest Songs of All Time: 456 - The Beatles, 'Penny Lane'”. Rolling Stone (2011年4月7日). 2019年5月15日閲覧。
  8. ^ Turner 2012, p. 106.
  9. ^ Everett 1999, p. 84.
  10. ^ MacDonald 2005, p. 222.
  11. ^ The Beatles – Strawberry Fields Forever and Penny Lane (1967)”. Kent Film Office. 2018年10月12日閲覧。
  12. ^ Mann, Brent (2005). Blinded By the Lyrics: Behind the Lines of Rock & Roll's Most Baffling Songs. New York, NY: Kensington Publishing Corp.. p. 171 
  13. ^ MacDonald 2005, p. 222fn.
  14. ^ Lewisohn 1998, p. 91.
  15. ^ Paul McCartney Waxes Nostalgic, Gets Kaleidoscopic on ‘Penny Lane’: The Story Behind Every ‘Sgt. Pepper’ Song”. Ultimate Classic Rock (2017年5月17日). 2019年5月15日閲覧。
  16. ^ a b c (2017年) The Beatles『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band Super Deluxe Edition』のアルバム・ノーツ, p. 91 [booklet]. London: Apple Records.
  17. ^ Lewisohn 1998, p. 92.
  18. ^ a b c d Lewisohn 1998, p. 93.
  19. ^ Ingham, Chris (2003). The Rough Guide to the Beatles. Rough Guides. p. 245. ISBN 1-84353-140-2. https://books.google.com/books?id=htl2U1fPq8QC&pg=PA245 
  20. ^ Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band Super Deluxe Edition (CD sleeve). The Beatles. London: Apple Records. 2017.
  21. ^ Winn 2009, p. 82.
  22. ^ Rodriguez, Robert (2012). Revolver: How the Beatles Reimagined Rock 'n' Roll. Milwaukee, WI: Backbeat Books. p. 199 
  23. ^ a b The Hot 100 Chart”. Billboard (1967年3月18日). 2020年10月1日閲覧。
  24. ^ Top 100 Hits of 1967/Top 100 Songs of 1967”. musicoutfitters.com. 2019年5月16日閲覧。
  25. ^ The Cash Box Year-End Charts: 1967”. Cashbox Archives (2016年3月4日). 2016年3月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年5月16日閲覧。
  26. ^ MacDonald 2005, p. 221-223.
  27. ^ Go-Set Australian Charts - 19 April 1967”. poparchives.com.au (1967年4月19日). 2020年8月5日閲覧。
  28. ^ "Austriancharts.at – The Beatles – Penny Lane" (in German). Ö3 Austria Top 40. 2020年8月5日閲覧。
  29. ^ "Ultratop.be – The Beatles – Penny Lane" (in French). Ultratop 50. 2020年10月1日閲覧。
  30. ^ "Ultratop.be – The Beatles – Penny Lane" (in Dutch). Ultratop 50. 2020年8月5日閲覧。
  31. ^ "Top RPM Singles: Issue 10048." RPM. Library and Archives Canada. 2020年8月5日閲覧。
  32. ^ "Nederlandse Top 40 – The Beatles" (in Dutch). Dutch Top 40. 2020年10月1日閲覧。
  33. ^ "Dutchcharts.nl – The Beatles – Strawberry Fields Forever / Penny Lane" (in Dutch). Single Top 100. 2020年8月5日閲覧。
  34. ^ "The Irish Charts – Search Results – Penny Lane". Irish Singles Chart. 2020年8月5日閲覧。
  35. ^ Flavour of New Zealand, 7 April 1967”. flavour of new zealand (1967年4月7日). 2020年8月5日閲覧。
  36. ^ "Official Singles Chart Top 100". UK Singles Chart. 2020年8月5日閲覧。
  37. ^ |CASH BOX Top 100 Singles - Week ending March 25, 1967”. Cash Box magazine (1967年3月25日). 2020年8月5日閲覧。
  38. ^ Offizielle Deutsche Charts (Enter "Beatles" in the search box)” (German). GfK Entertainment Charts. 2020年8月5日閲覧。
  39. ^ "Official Singles Chart Top 100". UK Singles Chart. 2020年10月1日閲覧。
  40. ^ "Dutchcharts.nl – The Beatles – Penny Lane" (in Dutch). Single Top 100. 2020年10月1日閲覧。
  41. ^ RPM 100 Top Singles of 1967”. RPM. Library and Archives Canada. 2016年8月12日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2020年8月5日閲覧。
  42. ^ Top 100 Hits of 1967/Top 100 Songs of 1967”. musicoutfitters.com. 2020年8月5日閲覧。
  43. ^ The Cash Box Year-End Charts: 1967”. Cashbox Archives. 2020年8月5日閲覧。
  44. ^ "American single certifications – The Beatles – Penny Lane". Recording Industry Association of America. 2020年8月5日閲覧 If necessary, click Advanced, then click Format, then select Single, then click SEARCH
  45. ^ Womack 2014, p. 724.

参考文献編集

外部リンク編集