ホテルオークラ

日本の東京都港区にあるホテル運営会社

株式会社ホテルオークラ: Hotel Okura Co., Ltd.)は、日本ホテル運営グループの事業持株会社。

株式会社ホテルオークラ
Hotel Okura Co., Ltd.
種類 株式会社
市場情報 非上場
略称 ホテルオークラ、オークラ
本社所在地 日本の旗 日本
105-0001
東京都港区虎ノ門二丁目10番4号
設立 1958年(昭和33年)12月11日
(大成観光株式会社)
業種 サービス業
法人番号 2010401027614 ウィキデータを編集
事業内容 ホテル事業
代表者 大倉喜彦(取締役会長)
荻田敏宏(代表取締役社長)
資本金 30億円
発行済株式総数 6,000,000株
売上高 連結:774億4200万円
単独:38億7200万円
(2019年3月31日現在)
経常利益 連結:36億2300万円
単体:15億1600万円
(2019年3月31日現在)
純利益 連結:22億2100万円
単体:2億6100万円
(2019年3月31日現在)
純資産 連結:662億6100万円
単独:509億5800万円
(2019年3月31日現在)
総資産 連結:1824億9200万円
単独:1543億6200万円
(2019年3月31日現在)
従業員数 連結:3,951人 単独:36人
(2019年3月31日現在)
決算期 3月31日
主要子会社 株式会社ホテルオークラ東京 100%
株式会社オークラニッコーホテルマネジメント 79.6%
株式会社ホテルオークラエンタープライズ 100%
関係する人物 大倉喜七郎(創業者)
野田岩次郎(初代社長)
松井幹雄(元社長)
外部リンク http://www.okura.com/jp/
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同社のグループが運営するThe Okura Tokyo虎ノ門二丁目)は、日本では「老舗ホテル」とされており、帝国ホテル東京ホテルニューオータニとともに、ホテルの「御三家」と称される。2015年平成27年)10月1日よりホテルチェーン(オークラ ホテルズ & リゾーツ)運営部門は子会社の株式会社オークラニッコーホテルマネジメントに承継された[1] が、オークラ ホテルズ & リゾーツの各ホテルについても、本項で記述する。

概説編集

ホテルオークラは、大倉喜八郎の長男で、大倉財閥の二代目である大倉喜七郎によって設立された。公職追放により帝国ホテルを離れた大倉は、日本国憲法の制定により、華族としての待遇も奪われる。しかし、国内屈指の工芸家たちへ日本の美を以って諸外国の貴賓を迎えるホテルの理念を熱心に説き、その協力を得てホテルオークラを開業させた。明治以降の日本に存在したであろう貴族の精神を証明するという野心と「最後の男爵」としての意地により、「帝国ホテルを超えるホテル」をコンセプトに設立されたホテルである。

東京本館が大倉邸の敷地に、別館は日本航空の創業者である松方三郎邸の敷地を利用して作られた。初代社長は野田岩次郎。また、敷地内には日本の私立美術館の草分けである「大倉集古館」(1917年大正6年)8月開館)があり、大倉家の蒐集物を博覧に供している。

2008年(平成20年)5月30日に、以前から提携関係にあったリーガロイヤルホテルを運営する株式会社ロイヤルホテルと戦略的業務提携を行ない、宿泊業務のセールスマーケティングを行う合弁会社の株式会社オレンジマーケティングサービスジャパンを同年6月に設立、同年7月から運営を開始した。しかし後に同社の株主はホテルオークラとJALホテルズの2社のみとなり、2015年10月1日にホテルチェーン運営部門を吸収分割でJALホテルズに統合、オークラニッコーホテルマネジメントとなった。

傘下のチェーンであるオークラホテルズ&リゾーツは、国内ではホテルオークラ東京をはじめ、札幌市千葉市浜松市京都市神戸市福岡市新潟市、海外にはアムステルダム上海ソウルなどにある。

企業理念は「Best ACS」(A:Accommodation、C:Cuisine、S:Service=最高の設備、最高の料理、最高のサービス)としている。

なお、同様にホテルを展開する香川県オークラホテル、あるいは大阪府大倉 (企業)とは何ら関係がない。

歴史編集

歴代社長編集

松井幹雄までは『日本官僚制総合事典 : 1868-2000』による[2]

大成観光
ホテルオークラ
ホテルオークラ東京

オークラ ホテルズ & リゾーツ編集

かつてはCity、Resort、Okura Frontier Selectionのカテゴリーが設けられていた。

国内チェーン編集

開業予定のホテル編集

かつて運営、技術指導またはチェーン加盟していたホテル編集

  • 北海道
  • 東北地方
  • 関東地方
    • ホテル霞友会館(東京都千代田区三番町) - 1975年11月11日開業。外務省の外郭団体の外務精励会がオーナーでホテルオークラが運営を受託していた。外務省関係のイベントや予備校の夏季合宿の会場にも使用されていた。1998年12月閉館。跡地は高層オフィスビルとなっている。
    • オークラフロンティアホテル海老名(神奈川県海老名市) - 第一ホテル海老名として1995年7月15日開業、2001年4月1日に現名称に改称してOHR加盟後、2018年3月に運営会社である海老名第一ビルディング株式会社がレンブラントホールディングスに買収。2018年11月契約終了し、「レンブラントホテル海老名」となる。
    • オークラフロンティアホテルつくば(茨城県つくば市) - つくばセンタービル内に筑波第一ホテルとして1983年6月10日開業、1990年4月19日に筑波第一ホテルアネックス開業、1999年8月27日に筑波第一ホテルエポカル開業、2001年4月1日に現名称に改称してOHR加盟。但し、2020年4月1日に、本館は「ホテル日航つくば」、エポカル館は「ホテルJALシティつくば」にリブランド[7]
  • 中部地方
  • 中国地方
    • ホテルオークラ岡山岡山県岡山市) - 岡山国際ホテルとして1973年4月25日開業、2006年4月1日OHR加盟、2007年10月1日運営委託契約を締結し「ホテルオークラ岡山」に改称、2010年8月23日に民事再生法を申請。2010年12月27日契約終了、同年12月28日に名称を「岡山国際ホテル」に戻す。
  • 九州地方
    • ホテルデンハーグ(長崎県佐世保市) - ハウステンボス内に1992年11月8日開業、1994年OHR加盟、1999年契約終了。2009年7月1日から休館、2011年7月15日「ウォーターマークホテル長崎・ハウステンボス」にリニューアルオープン。
    • ホテルヨーロッパ(長崎県佐世保市) - ハウステンボス内に1992年11月8日開業、1994年9月15日OHR加盟、2009年8月契約終了。

海外チェーン編集

 
アムステルダム (1969)
 
オークラ ガーデンホテル上海

開業予定のホテル編集

  • オークラ プレステージヤンゴン(ヤンゴン) - 2021年開業予定。
  • ホテルオークラウラジオストク(ロシア) - 2022年開業予定[9]
  • オークラ スパ&リゾート カッパドキア(カッパドキア) - 2022年開業予定[10]
  • オークラ プレステージプノンペン(プノンペン) - 2023年開業予定[11]
  • オークラ プレステージサイゴン(ホーチミン) - 2023年開業予定[12]
  • ホテルオークラ上海佘山(上海) - 2024年開業予定[13]

かつて技術指導またはチェーン加盟していたホテル編集

  • サムドラビーチホテル(インドネシア) - 1964年(昭和39年)4月8日インドネシア政府とホテル経営指導契約を締結、1966年(昭和41年)2月15日開業、1971年(昭和46年)3月契約終了。
  • アルバルクモ・パレスホテル(インドネシア) - 1964年(昭和39年)4月8日インドネシア政府とホテル経営指導契約を締結、1966年(昭和41年)3月20日開業、1971年(昭和46年)3月契約終了。
  • 来来シャングリラホテル(台北) - 現シェラトン台北、1981年3月24日開業(技術指導契約)、1982年(昭和57年)3月31日契約終了。
  • コナビレッジ・リゾート(ハワイ島) - 1966年(昭和41年)開業、1992年(平成4年)3月1日OHR加盟、2000年(平成12年)3月契約終了。
  • グアム・ホテルオークラ ザ・タワー(グアム) - 1972年(昭和47年)12月2日にグアムホテルオークラとして開業、1991年(平成3年)10月22日タワー塔・センター塔開業、2000年(平成12年)4月1日タワー棟を「グアム ホテルオークラ ザ・タワー」、サウス・ラナイ棟を「オークラ アイランド・イン グアム」にそれぞれ名称変更、2008年(平成20年)3月31日契約終了、同年4月1日グアム アウロラ リゾート ヴィラ&スパに改称。
  • ハレクラニ(オアフ島) - 1907年(明治40年)にホー・ツリーとして開業、1984年(昭和59年)4月OHR加盟、2008年(平成20年)3月契約終了。
  • ワイキキパークホテル(オアフ島) - 1987年(昭和62年)開業、2008年(平成20年)契約終了。
  • マケナビーチ&ゴルフリゾート(マウイ島)- 1986年(昭和61年)8月1日にマウイプリンスホテルとして開業、2009年(平成21年)9月17日に現名称に改称、2011年(平成23年)4月1日OHR加盟。2016年にホテルの営業を終了した。

関連会社編集

  • 株式会社ホテルオークラ東京
  • 株式会社ホテルオークラ神戸
  • 株式会社ホテルオークラ札幌
  • 株式会社ホテルオークラ福岡
  • 株式会社筑波学園ホテル
  • 株式会社京都ホテル
  • 株式会社ホテルオークラエンタープライズ
  • 株式会社ホテルオークラスペースソリューションズ
  • 株式会社オークラニッコーホテルマネジメント
  • 株式会社グランドニッコー東京
  • 株式会社オークラニッコーホテルマネジメント金沢
  • 株式会社ホテル日航大阪
  • エアポートホテル運営企画株式会社
  • 株式会社かずさアカデミアパーク
  • 株式会社ホテルオークラ東京ベイ
  • 株式会社ホテルオークラ新潟
  • 株式会社アオイ・インベストメント札幌
  • 株式会社コンチネンタルフーズ
  • ニッコーホテルズ北京BTG有限公司
  • HOTEL NIKKO (U.S.A.), INC
  • HOTEL NIKKO OF SAN FRANCISCO, INC
  • HOTEL OKURA AMSTERDAM B.V.

その他編集

食材虚偽表示編集

2007年に大阪の船場吉兆で起きた牛肉の産地偽装事件の際には、「素材の安定的な仕入れが保証できない場合、メニューから産地を限定する表現を緩めるようにしている。」とコメントしていたにも関わらず[14]、2013年11月7日、ホテルオークラの宇多憲治上席執行役員、成瀬正治取締役、鈴木隆太郎広報担当部長らは消費者庁クラブにて、運営する13ホテルと関連会社3社のレストランや宴会場、ルームサービスなどにて提供した「計235品目の使用食材とメニュー表示が異なっていた」、「信頼と期待を裏切ったことをおわびする」と発表した[15]。これま虚偽の表示で販売された総数は計約38万6千食、販売額は計約8億7千万円にも上り、同社は利用を確認することができれば返金には応じるとしている[16]

食材虚偽の抜粋[14][15][16]
虚偽表示名 実際の食材
1 牛肉(ステーキ) 牛脂を注入した加工肉
2 芝エビ バナメイエビ
3 雲仙地鶏 長崎県産地鶏
4 自家製ソーセージ 外部に製造を委託したソーセージ

逸話編集

旧大蔵省(現:財務省)の職員が国会審議中などで徹夜勤務をし庁舎にて夜を明かす際に、自虐的に「今夜はホテルオークラ」という冗談が語られる。

脚注編集

  1. ^ チェーン運営機能の統合を目的としたグループ組織の再編
  2. ^ 秦 2001, 748頁.
  3. ^ ホテルオークラ東京別館、9月末で営業終了」『日本経済新聞』 2020/9/25 21:15 「スポーツ」「Tokyoオリパラ」「東京ムーブメント」(2020年10月18日確認)
  4. ^ ホテルオークラ新潟、日生HDに土地・建物を売却”. 日本経済新聞 (2021年12月21日). 2021年12月25日閲覧。
  5. ^ 「ホテルオークラ京都 岡崎別邸」2022年1月開業。平安神宮が至近のスイート含む60室”. トラベルWatch (2021年5月31日). 2021年10月3日閲覧。
  6. ^ ホテルオークラ札幌が21年秋閉館、新たな立地で開業へ”. 日本経済新聞 電子版. 2020年8月9日閲覧。
  7. ^ 『ホテル日航つくば』 『ホテルJALシティつくば』 2020年4月1日リブランドオープン” (PDF). オークラフロンティアホテルつくば (2019年8月1日). 2019年9月2日閲覧。
  8. ^ 【公式】ホテルオークラマニラ(2018年開業予定)(ホテルオークラ・2016年12月22日閲覧)
  9. ^ ホテルオークラ、ウラジオストクでホテル開業 コロナ後見据え海外出店を継続”. 日本経済新聞 (2021年1月4日). 2021年10月3日閲覧。
  10. ^ 【公式】オークラ スパ&リゾート カッパドキア(2017年開業予定)(ホテルオークラ・2016年12月22日閲覧)
  11. ^ 「オークラ プレステージプノンペン」(仮称) 2019年に開業に向けて運営受託契約を締結 (PDF) (ホテルオークラ 2016年2月8日付)
  12. ^ 「オークラ プレステージ サイゴン 」(仮称) 2020年に開業 (PDF) (ホテルオークラ 2016年12月12日付)
  13. ^ オークラが上海に高級ホテル 24年、現地リゾート客に的”. 日本経済新聞 (2021年8月23日). 2021年10月3日閲覧。
  14. ^ a b 2013/10/31 特命調査班 ~マル調~「底無し!? ホテルメニューの偽装問題」
  15. ^ a b 食材偽装、ホテルオークラも エビや牛脂注入肉:朝日新聞デジタル
  16. ^ a b オークラも虚偽表示 235品目・38万食 - MSN産経ニュース

参考文献編集

  • 秦郁彦 編 『日本官僚制総合事典 : 1868-2000』東京大学出版会、2001年。ISBN 4130301217 

関連項目編集

関連人物

外部リンク編集