ホルンと管弦楽のための演奏会用小品

演奏会用小品Morceau de Concert, pour Corヘ短調 作品94は、カミーユ・サン=サーンスによるホルン管弦楽のための協奏的作品。サン=サーンス自身によるホルンとピアノのための版も存在し、そちらが演奏される機会も多い。

音楽・音声外部リンク
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Konzertstück für Horn und Orchester in F-Moll, Op. 94 - ペーター・ダムホルン)、ジークフリート・クルツ指揮シュターツカペレ・ドレスデンによる演奏。Kontor New Media GmbH提供のYouTubeアートトラック。
(ピアノ伴奏版)Morceau De Concert, Op. 94 - Bernhard Scully(ホルン)、Joanne Minnetti(ピアノ)による演奏、The Orchard Enterprises提供のYouTubeアートトラック。

概要 編集

ピアノ版、管弦楽伴奏版ともに1887年に作曲され、1893年に出版された。ホルン奏者アンリ・ショシエ(Henri Chaussier)に献呈されている。初演は1891年2月7日にサル・プレイエルで開かれた国民音楽協会の演奏会において、ショシエの独奏で行われた。初演のプログラムには、ショシエの開発した「コル・オムニトニーク(cor omnitonique)」のために書かれた旨が記載されている。

作品の規模は大きくないが、その中にホルンの様々な表情が盛り込まれており、ホルン奏者にとっての重要なレパートリーとしてロマンスヘ長調作品36、ホ長調作品67(同様にショシエに献呈された)と同様によく取り上げられる。

楽器編成 編集

独奏ホルンフルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、トロンボーン2、ティンパニ弦五部

構成 編集

単一楽章で、大きく三部分に分けられる。演奏時間は約9分。

第一部

アレグロ・モデラート、ヘ短調、3/4拍子。短い序奏に続いてホルンが決然とした主題を奏し、管弦楽による間奏を挟んで、2つの変奏が続く。これらの変奏は、含まれる音価が徐々に細かくなっていくように書かれている。

第二部

アダージョ変イ長調、4/4拍子。第一部から切れ目なく奏される、美しいロマンス。

第三部

アレグロ・ノン・トロッポ、ヘ短調‐ヘ長調、2/2拍子。第一部の主題を変奏した旋律から始まり、旋律的な経過句を経て、独奏の技巧を充分に発揮して終わる。

参考文献 編集

  • Stegemann, Michael (1991). Camille Saint-Saëns and the French Solo Concerto from 1850 to 1920. Amadeus Press 

外部リンク 編集