ホンダ・モビリオ
モビリオ(MOBILIO)は、本田技研工業が生産、販売しているコンパクトミニバン型の小型乗用車。
ホンダ・モビリオ | |
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![]() 2代目 S 1.5 | |
概要 | |
販売期間 |
2001年 - 2008年(初代) 2014年 - (2代目) |
ボディ | |
ボディタイプ | 5ドアミニバン |
系譜 | |
先代 | ホンダ・キャパ |
後継 | ホンダ・フリード |
概要 編集
初代はキャパの後継車として、初代フィットをベースとしたグローバルスモールプラットフォームを使用した7人乗りのコンパクトミニバンである。
ヨーロッパの「ユーロトラム」をモチーフにした斬新なデザインで、クルマを生活道具として使いこなしたいと考える顧客をターゲットに、全長が約4 mというコンパクトボディながら、ショートノーズ化と低床のパッケージングにより、コンパクトミニバンとして初めて3列シートの7人乗りを実現しながらも、1,705 mmの全高[1]からなる1,360 mmの高い室内高により、背の高い荷物や約2.6 mの長い荷物も積載可能な多彩なシートアレンジが可能である。
後席のドアは狭い場所でも乗り降りしやすい左右両側にスライドドアを採用[2]した。シャシは初代フィットと共通のプラットフォームを使用しており、燃料タンクを前席の下に配置している。 インテリアは大きなグラスエリアにより室内空間の広さと開放感を持たせるもので、ドアガラス下端を低い位置に設定して小さな子供でも外の景色が楽しめるように工夫されている。スライドドアの窓は、一般的な上下スライドのパワーウィンドウではなく手動チルト式を採用している。
居住性だけでなく走行性能や経済性においても評価が高く、特に女性ユーザーの支持を得て、ファミリー層を中心に販売された[3]。
エンジンはi-DSI仕様のL15A型(8バルブ)のみであったが、マイナーチェンジの際に16バルブ・VTEC化されたものが追加された。なお、使用環境によりCVTのスタートクラッチがジャダーして発進時に異常振動を起こすとして2010年に保証期間が延長され、CVTオイル又は、当該クラッチの交換が販売店にて実施された。
2008年のフリードの登場で一度生産・販売を終了していたが、2010年代以降は、東南アジア向けの戦略車として2代目が登場した。
初代 GB1/2型(2001年 - 2008年) 編集
ホンダ・モビリオ(初代) GB1/2型 | |
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後期型(2004年1月 - 2008年6月) | |
後期型 リア | |
概要 | |
製造国 | 日本 |
販売期間 | 2001年12月 – 2008年6月[3] |
ボディ | |
乗車定員 | 7人 |
ボディタイプ | 5ドアコンパクトミニバン |
エンジン位置 | フロント |
駆動方式 | 前輪駆動/四輪駆動 |
パワートレイン | |
エンジン |
L15A型:1.5L 直4 SOHC i-DSI L15A型:1.5L 直4 SOHC VTEC |
変速機 | CVT |
サスペンション | |
前:マクファーソンストラット 後(FF):車軸式 後(4WD):ド・ディオン式 | |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,740 mm |
全長 |
前期型:4,055 mm 後期型:4,070 mm |
全幅 | 1,685 mm |
全高 |
FF:1,705 mm 4WD:1,725 mm |
車両重量 | 1,270 kg |
その他 | |
ブレーキ |
前:油圧式ベンチレーテッドディスク 後:油圧式リーディング・トレーリング |
スタビライザー形式 |
前:トーション・バー式 後:トーション・バー式 |
系譜 | |
先代 | ホンダ・キャパ |
後継 | ホンダ・フリード |
- 2001年
- 2002年12月20日 - マイナーチェンジ。ショックアブソーバーが改良されたほか、イモビライザーキーやパワースライドドア、ボディ同色電動格納式リモコンドアミラーなどを標準またはオプションとして設定。
- 2003年5月15日 - FF仕様が改良され「超−低排出ガス」認定を取得した。また、「W」タイプの内外装の質感を高めた特別仕様車「Cスタイル」を追加。同時に、2列目左側席に電動で回転・昇降するリフトアップシートや、リア荷室部分に車椅子固定装置を装備した福祉車両の「モビリオ アルマス」を発表(発売は7月11日)。
- 2004年1月16日 - マイナーチェンジ。
- 2005年
- 2006年7月20日 - 全タイプに特別仕様車「HDDナビ ファイン エディション」と、「X」タイプに特別仕様車「ファイン エディション」が追加される。
- 2008年
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前期型(2001年12月 - 2004年1月)
-
前期型(リア)
福祉車両 編集
モビリオ アルマス (Mobilio almas)
- 2列目に電動で回転および昇降する座席を備え、また、荷室に車椅子を固定する装置を備えるなどしたものである。3列目の座席は無く、乗車定員は4人となっている。2003年7月11日より販売し、2004年1月30日と2006年1月12日にマイナーチェンジされた。
取扱い販売店 編集
2代目 DD4型(2014年 -) 編集
ホンダ・モビリオ(2代目) DD4型 | |
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2014年1月から2017年1月までの販売型 | |
2017年1月からの販売型 | |
概要 | |
製造国 |
インドネシア インド タイ |
販売期間 | 2014年 - |
ボディ | |
乗車定員 | 7人 |
ボディタイプ | 5ドア コンパクトミニバン |
エンジン位置 | フロント |
駆動方式 | 前輪駆動 |
パワートレイン | |
エンジン |
L15Z1型:1.5L 直4 SOHC i-VTEC ガソリン N15A型:1.5L 直4 DOHC i-DTEC ディーゼル |
変速機 | 5速MT/CVT |
サスペンション | |
前:マクファーソンストラット 後:車軸式 | |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,652 mm |
全長 | 4,386 mm |
全幅 | 1,683 mm |
全高 | 1,603 mm |
車両重量 |
ガソリン:1,131-1,161 kg ディーゼル:1,214-1,246 kg |
2013年9月19日、インドネシア国際モーターショーにおいてアジア新興国向けのプロトモデルが公開され、2014年1月よりインドネシアで販売を開始した。インドネシア国内でニーズの高いマルチパーパスビークルで、直列4気筒 1.5L i-VTECエンジンを搭載した3列シートで7人乗りの車両である。タイとインドネシアの研究所が共同開発した。道路環境を考慮し最低地上高は189 mmを確保している。生産はインドネシアのピー・ティ・ホンダプロスペクトモーター(HPM)に新設された第二工場で行われる[6][7]。2014年の生産目標は、新車効果を見込んだ上での10万台。インドネシアにおけるホンダ車の最多販売車種となる見込み[8]。
2014年、インドネシア自動車専門誌で最も権威のあるOtomotif Award[9]カーオブザイヤー2014を受賞した[10]。
2014年7月23日、インドで販売開始[11]。1.5Lディーゼルエンジン仕様や、スポーティグレードのRSも設定。RSには専用エアロパーツ、プロジェクターヘッドランプやLEDデイライト、15インチタイヤ、内装ではレザートリムなどが用意される。
2014年9月12日、タイ市場への導入を発表[12]。アユタヤ工場で現地生産される。
2017年1月13日、インドネシア仕様をマイナーチェンジ[13]。外観ではヘッドランプやフロントグリル等、内装では前列シート等が刷新された。
2017年5月9日、タイ仕様をマイナーチェンジ[14]。
2017年7月、需要低迷によりインドでの販売を終了[15]。
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2014年1月販売型(リア)
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2017年1月販売型
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2017年1月販売型(リア)
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2014年1月販売型RSグレード
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2014年1月販売型RSグレード(リア)
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2017年1月販売型RSグレード
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2019年2月販売型RS
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2019年2月販売型RS(リア)
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2019年2月販売型(室内)
車名の由来 編集
- Mobility(移動体)Mobile(移動しやすい)からの造語。
搭載エンジン 編集
初代
- エンジン種類:水冷直列4気筒横置き
- 弁機構:SOHCチェーン駆動 吸気1 排気1 i-DSI 、SOHCチェーン駆動 吸気2 排気2 VTEC
- 最高出力:90 PS/5,500 rpm (i-DSI)、110 PS/5,800 rpm (VTEC)
- 最大トルク:13.4 kgf·m/2,700 rpm (i-DSI)、14.6 kgf·m/4,800 rpm (VTEC)
- 総排気量:1,496 cc
- 内径×行程:73.0 mm × 89.4 mm
- 圧縮比:10.8 (i-DSI)、10.4 (VTEC)
- 燃料供給装置形式:電子制御燃料噴射式 (PGM-FI)
- 使用燃料種類:無鉛レギュラーガソリン
- 燃料タンク容量:42L
2代目
脚注 編集
- ^ 後期型のカタログではマイクロアンテナ付け根まで含めてるため1,740 mmになっている。
- ^ 他車種とスライドドアのレバーの取り付け方向が異なるため、知らない人は戸惑うことがある。
- ^ a b c デアゴスティーニジャパン週刊日本の名車第47号21ページより。
- ^ 『FACT BOOK The 35th Tokyo Motor Show 2001』(プレスリリース)本田技研工業、2001年10月 。2018年7月15日閲覧。
- ^ “モビリオ(ホンダ)のカタログ”. リクルート株式会社 (2020年1月23日). 2020年1月23日閲覧。
- ^ 『アジア市場向けマルチパーパスビークル「ホンダ モビリオ」のプロトタイプをインドネシア国際モーターショーで発表』(プレスリリース)本田技研工業、2013年9月19日 。2013年9月22日閲覧。
- ^ 『インドネシア新四輪車工場が稼働開始』(プレスリリース)本田技研工業、2014年1月15日 。
- ^ “ホンダ四輪、1〜8月だけで10万台初達成[車両]”. NNA.ASIA (NNA). (2014年9月5日) 2014年9月6日閲覧。
- ^ “第147期報告書” (PDF). スズキ. p. 11. 1970年1月1日閲覧。
- ^ “Honda Mobilio, Raih Otomotif Award Mobil Terbaik 2014”. IOTOMOTIF. (2014年3月29日)
- ^ “ホンダ、インドで新型 モビリオ 発売…現地MPV市場に参入”. Response. (イード). (2014年7月24日)
- ^ “タイ仕様のモビリオは、現地の好みに特化したオリジナルデザイン”. Response. (イード). (2014年9月13日)
- ^ “Honda Mobilio MPV facelift launched in Indonesia”. paultan.org (Driven Communications). (2017年1月13日)
- ^ “ホンダ、「モビリオ」刷新 タイでお披露目”. 日本経済新聞 (日本経済新聞社). (2017年5月9日)
- ^ “Honda Mobilio discontinued in India, other models witness heavy price cuts due to GST impact”. Financial Express (Indian Express). (2017年7月5日)
関連項目 編集
- 本田技研工業
- ホンダ・キャパ - 先代車(実質)
- ホンダ・フィット - 初代のベース車
- ホンダ・モビリオスパイク - 初代の派生車
- ホンダ・フリード - 初代の後継車
- ホンダ・フリードスパイク - 初代の派生車の後継車
- ホンダ・ステップワゴン
- ホンダ・エリシオン
- ホンダ・エアウェイブ
- グローバルスモールプラットフォーム
- ホンダ・ブリオ
- ホンダ・ブリオアメイズ