ホンダ・CBR > ホンダ・CBR1000F

CBR1000F(シービーアールせんエフ)は、本田技研工業がかつて製造販売していたオートバイである。

概要 編集

1980年代当時の大型自動二輪車日本国内市場は排気量750㏄までとしていたメーカー自主規制[注 1]が存在したことから、CBRシリーズの日本国内フラグシップモデルCBR750[注 2]とされたが、海外向け仕様では規制がないことからほぼ同一の車体に排気量を998㏄まで拡大したエンジンを搭載したのが本モデルである。

数度のモデルチェンジを経て、1993年 - 1995年には日本国内向け仕様も設定販売された。

モデル一覧 編集

※本項では型式別に解説を行う。

SC21型 編集

1986年西ドイツ(現・ドイツ連邦共和国)ケルンモーターショーで発表[3]。翌1987年よりヨーロッパでの販売が開始された。

車体はCBR750と共通のダイヤモンド型フレームにフルカバードカウルを装着するスポーツツアラーであるが、搭載されるSC21E型水冷4ストローク4バルブDOHC並列4気筒エンジンは、CBR750用RC27E型の内径x行程:70.0x48.6(mm)[1]を77.0x53.6(mm)へ拡大し排気量を998㏄とした上で圧縮比10.5:1とされ最高出力132ps/9,500rpm・最大トルク10.6kg-m/8,500rpmを発揮する[3]

SC24型 編集

1989年から生産されたモデルチェンジ車でSC21型からは以下の変更を実施[3]

  • フロントカウルをよりスラント化した上でヘッドライトを一体型2灯式へ変更
  • 最高出力を135psへ向上
  • タイヤを110/80-17(前)・140/80-17(跡)バイアス→120/70-17(前)・170/60-17(後)ラジアルタイヤへ変更
  • フレームをスチール製ツインチューブダイヤモンド型へ変更
  • シート形状変更により足付き性を向上
  • 燃料タンク容量を21→22Lへ増量

SC31型 編集

 
基本情報
排気量クラス 大型自動二輪車
車体型式 SC31
エンジン SC30E型 998 cm3 
水冷4ストロークDOHC4気筒
内径×行程 / 圧縮比 77.0 mm × 53.6 mm / 10.5:1
最高出力 93ps/9,000rpm
最大トルク 8.7kg-m/6,000rpm
車両重量 273 kg
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1993年から1999年まで生産されたモデル。外観的にはSC24型のデザインをほぼ踏襲するが、新たに開発された前後連動ブレーキシステムであるデュアル・コンバインド・ブレーキ・システム(D-CBS)[注 3]を搭載したのが最大の変更点である。また本モデルは日本国内向け仕様が設定されたが、当時は出力自主規制が存在したことから[注 4]、日本国内仕様は最高出力93ps/9,000rpm・最大トルク8.7kg-m/6,000rpmとされた[4]

搭載されるエンジンは従来のSC21型から基本設計を引き継ぐもののSC30型CB1000スーパーフォアと共用するSC30E型とするなど一部コンポーネンツを共用する姉妹車となった。このためマニュアルトランスミッションは6段から5段へ変更された。

なお日本国内向け仕様は以下のスケジュールで販売された。

1993年4月22日発表 同月27日発売[4]

年間販売目標500台 希望小売価格消費税抜950,000円[注 5]

1994年1月18日発表 同年4月1日発売[5]

カラーリングを変更した1994年モデルを300台限定で販売 希望小売価格消費税抜960,000円[注 6]

1994年9月22日発表 同年12月2日発売[6]

カラーリングを変更した1995年モデルを200台限定で販売 希望小売価格消費税抜960,000円[注 7]

1996年には後継モデルのCBR1100XXスーパーブラックバードが発表されたが、海外向け輸出仕様は1999年まで生産が継続された。

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 1989年に撤廃。
  2. ^ 車名は1987年モデルCBR750スーパーエアロ[1]1988年モデルがCBR750である[2]
  3. ^ Dual Combined Brake System(デュアル・コンバインド・ブレーキ・システム)の略[4]
  4. ^ 2007年7月に撤廃。
  5. ^ 北海道は30,000円高、沖縄は10,000円高、一部地域を除く[4]
  6. ^ 北海道は30,000円高、沖縄は10,000円高、一部地域を除く[5]
  7. ^ 北海道は30,000円高、沖縄は10,000円高、一部地域を除く[6]

出典 編集

関連項目 編集

外部リンク 編集