S-MX(エス-エムエックス)は、本田技研工業がかつて生産、販売していたトールワゴン型の小型乗用車である。

ホンダ・S-MX
RH1/2型
前期型・4WD
Honda S-MX 003.JPG
中期型
Honda S MX 1999.jpg
後期型 ローダウン
Honda s-mx rh1 lowdown 1 f.jpg
製造国 日本の旗 日本
販売期間 1996年2002年
乗車定員 4 / 5人
ボディタイプ 4ドア トールワゴン
エンジン B20B型:2.0L 直4 DOHC
130PS→140PS
駆動方式 FF/4WD
変速機 4速AT
サスペンション 前:マクファーソンストラット
後:ダブルウィッシュボーン
全長 3,950mm
全幅 1,695mm
全高 1,735 – 1,765mm
ホイールベース 2,500mm
車両重量 1,330-1,390kg
-自動車のスペック表-

目次

概要編集

初代オデッセイ以降の「ミニバン」および「RV」に名付けられた「クリエイティブ・ムーバー」の1車種で、初代ステップワゴンの全長を切り詰め、ファミリーユースのイメージを払拭させている。取扱販売店はクリオ店。「ステップ・バーン」という愛称も付けられていたが、これはかつてサブカルチャーの一端を担った、同社の「ステップバン」へのオマージュとも取れる。

若者をターゲットとしたスタイリングで、大胆な造形のフロントバンパー周りや、リアスタイルが特徴である。メーカー純正用品としてホンダアクセスや、無限などからエアロパーツが豊富に用意されていたことも特筆される。さらに、量産車でありながら、車高を15mm下げたローダウン仕様の「S-MX LOWDOWN」がラインナップされ、排気音も低周波を効かせたチューニングとするなど、アフターマーケットでのカスタム手法を採り入れた。販売はそれを中心に展開されたが、サスペンション スプリングの有効長が短いLOWDOWNでは、リアサスペンションからの突き上げ感が強い。

プラットフォームをはじめ、メカニズム的にはステップワゴンにほぼ準ずる。リアオーバーハングが短くなったことで、スペアタイヤが助手席床下に移動されたため、サイドスカートは、その部分のみ分割となっている。この「引き出し」式のスペアタイヤキャリアは、収納場所こそ異なるが、同社の初代「Z」にも見られる。リアドアは、ステップワゴンのスライド式とは異なりヒンジ式で、右1枚、左2枚のいわゆる1-2ドアである。アウタードアハンドルは初代「シティ」の物が流用されている。

エンジンはB20Bを搭載し、4速コラムATのみが設定された。インストルメント・パネルはメーター内およびグローブボックスに埋め込まれた本車両のロゴを除いてステップワゴンと同型のものを使用しているが、パーキングブレーキは足踏み式を採用したステップワゴンと異なりレバー式を採用し、運転席の右横に設置されている。

乗車定員は4もしくは5人で、4人乗り仕様は前後ともにベンチシートであった。ステップワゴンと同様にシートは座面背面共にかなり平らで、2列を使い「フルフラット」にすることも可能である。2列目を前倒しにした「スペースアップモード」では、荷室長は1,220mmまで拡大する。

恋愛仕様」というメーカーのキャッチコピーから「走るラブホテル」と揶揄される事があったが[1][2]、全長4メートル未満のコンパクトサイズのためフェリー料金も安く、広い室内空間やフルフラットシートが車中泊に最適であるためキャンピング志向のアウトドア派から一定の評価がある。

搭載エンジン編集

B20B型
  • エンジン種類:水冷直列4気筒横置き
  • 弁機構:DOHCベルト駆動 吸気2 排気2
  • 排気量:1,972cc
  • 内径×行程:84.0mm×89.0mm
  • 圧縮比:8.8 → 9.6
  • 最高出力:130PS/5,500rpm → 140PS/5,500rpm
  • 最大トルク:18.7kgf·m/4,200rpm → 19.0kgf·m/4,200rpm
  • 燃料供給装置形式:電子制御燃料噴射式(PGM-FI
  • 使用燃料種類:無鉛レギュラーガソリン
  • 燃料タンク容量(FF):65L
  • 燃料タンク容量(4WD):60L

年表編集

  • 1995年 - 東京モーターショーに参考出品された。
  • 1996年
  • 1997年
    • 9月19日 - マイナーチェンジが行われた(110型)。全車にABSが標準装備されたほか、外装の無塗装部分をボディ同色のフルホワイトとし、装備の充実を図った、ローダウン「ホワイトストリーム」が追加された。
  • 1998年
    • 5月14日 - マイナーチェンジが行われた。ホワイトストリーム以外のローダウン仕様も各部をボディと同色化した。標準仕様FF4WDのシート生地を変更し、ボディカラーを追加した。
    • 9月17日 - ホワイトストリームのみだったホワイト塗装を標準仕様のFF、4WDに採用した特別仕様車「ホワイトパッケージ」が発売された。
    • 12月18日 - ボディ各部を同色化し、オーディオ、専用アルミ等を装備した特別仕様車「プレミアム」が発売された。
  • 1999年
    • 5月14日 - ローダウン特別仕様車「NAVIパッケージ」が1,000台限定発売された。
    • 9月2日 - 平成10年規制(GF)に適合するマイナーチェンジが行われた(130型)。標準仕様のFF、4WDがフロントセパレートシート[3]の5人乗りとなり、ベンチシート仕様の4人乗りはローダウンのみとなる。エンジン出力が140PSに向上され、ヘッドランプが涙目形のマルチリフレクタータイプに刷新された事に伴い、バンパー等も変更された。
  • 2000年
    • 6月5日 - ローダウン特別仕様車「メタル」が発売された。
    • 12月22日 - マイナーチェンジが行われた(140型)。標準仕様にフロントベンチシートの「カスタムベーシック」が追加された。
  • 2001年 4月 - 姉妹車のステップワゴンが2代目にフルモデルチェンジされたが、本車両は継続生産・販売される。
  • 2002年
    • 3月 - 生産終了。以後、在庫対応分のみの販売となる。
    • 8月 - 在庫対応分が全て完売し販売終了。後継車は用意されなかった[4]

車名の由来編集

Street Mover Xの略で、Xは未知数のX、「不思議な魅力をもつクルマ」という意味あいを表現。 ステップ・バーンとは、青春を燃やす情熱のバーン(Burn)という意味がこめられたS-MXの愛称。

脚注編集

  1. ^ 2列シートのためリアシートのスペースは十分にあり、ベンチシートをフルフラットにした際、ちょうど手を伸ばした位置にティッシュボックス2個分の小物スペースがあり、所謂カーセックスを目的とした設計ともいえる。自動車評論家徳大寺有恒は『間違いだらけのクルマ選び』において、「ここまで露骨にセックスを前面に出した販売手法に驚いた」とコメントしている。
  2. ^ “エッチ専用!? 走るラブホ【S-MX】のコピーが徹底した“恋愛仕様”で面白い”. (2017年5月19日). https://middle-edge.jp/articles/I0000827 2017年6月19日閲覧。 
  3. ^ パーキングブレーキの位置は運転席右横のまま変更されていない
  4. ^ 本車両の終売と共に登場したモビリオスパイクが後継車という見方もあるが、モビリオの派生車種であるため直接の繋がりはない。

関連項目編集

外部リンク編集